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お前を必ず見つけ出す――
景の海のアペイリア(シルキーズプラスDOLCE) | |
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ジャンル ―― 恋と青春の科学冒険ファンタジーADV | |
発売日 ―― 2017年07月28日 | |
パッケージ版価格 ―― 8,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 7,537円(税込) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
![]() | ★★★★★ |
満足度 | |
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作品の紹介
今回は【景の海のアペイリア】を紹介します。「景」と書いて「ひかり」と読みます。
ライターの範乃秋晴さんのファンだったので予約買いしたのですが、期待を裏切らない良作でした。
当時から「ソードアート・オンライン」+「シュタインズ・ゲート」だと言っている人もいましたが、いろいろな要素の混じった、オリジナリティあふれる作品だと思います。

私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け?
- SFファン
- 下ネタOK
- 範乃秋晴さんのテキストが好きな人
- 体験版をプレイして続きが気になった人
- 先の読めないストーリー展開を求めている人
- 人気作&有名作は押さえておきたい人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて30時間ほどです。最初のエッチシーンまでは5時間半ぐらいかかりました。
攻略情報
非常に分かりやすい選択肢です。実質一本道で、エピソードを見る順番が変わるだけなので、攻略サイトの必要はないでしょう。
推奨攻略順はありませんが、久遠のエピソードは後回しにしたほうがいいかもしれません。
システム
難易度 | 修正パッチ | シーンジャンプ機能 |
簡単 | あり | なし |
備考 | ||
- |
感想
景の海のアペイリアは「先の展開が読めない面白さ」があります。購入を迷われている方は、何も知らない状態で、ご自身で体験版をプレイするのも楽しいと思いますよ。
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ヒロイン紹介
※以降、体験版範囲のネタバレあり。
物語は衝撃的な展開からはじまります。
公園でオナニーをしはじめた主人公が、その場に居合わせた女の子に精液をぶっかけてしまうのです。

さて、何が起きたのかというと、「未来から来た」という謎の人物からメールが送られてきて、その内容に面白みを感じた主人公 桐島 零一 が、指示されたこと=オナニーを実行したのでした。まさかそこに女の子がいるとは思わずに……。

んで、この精液をぶっかけた相手というのが、父親の再婚相手の娘さん。つまり「義理の妹」だというのは皮肉なものです。
ということで、このままヒロイン紹介に移ります。
最悪な出会い方をした義理の妹

桐島 三羽 CV:橘まお
なかなか素直になれないツンデレちっくな性格で、マイフェイバリットヒロインです。
徐々に距離が近くなっていく関係が素敵です。
主人公にドMヘンタイというあだ名をつけられた後輩

東 ましろ CV:小鳥居夕花
なぜ画像のような状況になったのかは、諸兄らが何十年とかけて鍛えあげた妄想力により補完してほしい。
すぐにテンパって「やばば」だとか「やばたん」だとか言っちゃう可愛いヒロインです。
主人公の幼なじみで、お姉ちゃんぶっている緩~い少女

一 久遠 CV:桜川未央
なぜこのような状況になっているかは……さすがに分かりやすいでしょうか。
それにしても冷静に考えてみると、このような脱ぎ方って普通はありえません。
しかしエロゲとしては、これが最適解なわけです。
初登場からサービスシーンなのは「THEエロゲ」って感じで最高っすね。
作中でも重要な役割のセンターヒロイン

アペイリア CV:秋野花
彼女は主人公が開発したAIです。ただのAIではなく、自意識をもつようになった強いAIと呼ばれる存在です。
どんなお話?
前項で説明したとおり、主人公は強いAIであるアペイリアをつくるのですが、実際に会ってみたい。触れあいたい。一緒に遊びたい。
そこで、アペイリアに 完全没入型VRMMO【セカンド】という 仮想現実 のゲーム世界をつくってもらいます。


セカンドは、剣や魔法や科学が融合したファンタジーな世界。
この世界では、コストを消費してつかう「デザイア」という特殊能力を、各々が取得しています。
ファンタジー世界で楽しいひとときを過ごしていたのですが、あるときを境にセカンドは暴走しはじめます。
主人公たちが気づかないうちに、他のユーザーがログイン可能になっている。
さらには、ゲーム内で体力が尽きたプレイヤーは、現実世界でも謎の死をとげるデスゲームと化してしまう。
ゲームをクリアするまでは、ログアウトすることもできない。
制御が利かなくなったセカンドに、アペイリアが囚われてしまいます。

つまり本作は、アペイリアを救いだすために奮闘する物語です。
本作の特徴
哲学的な議論
本作のセンターヒロインは、前述したとおりアペイリアですが、このアペイリアは強いAIです。
ここで「強いAIと人間の違いは?」や「強いAIは恋ができるのか」などの疑問がわいてきます。
本作は、そうしたことに対する見解をストーリーに絡めつつ示しているのです。他にもクローン問題やスワンプマン問題にも踏み込んでいます。
アペイリアは、純粋さの塊です。
「ラージャ」「ポジティブ」「ネガティブ」などの口癖と、もともとは「弱いAI」であることを感じさせる抑揚の少ないイントネーションが特徴的。

人差し指で○×をつくる可愛らしい仕草をします。
そんな彼女をみて、どういう感情が生まれるでしょうか。
「可愛い」……ですかね。
小難しいことは分からなくても、それさえ分かっていればオーケーです。
ヘンタイ主人公
本作の特徴の1つは、下ネタやセクハラを繰りかえすヘンタイ主人公でしょう。

主人公の特殊能力=デザイアは、精液をコストにして発揮されます。
オナニーしながら戦うのです。
自分のチンコを指揮棒にみたてて振るうので、技名はすべて音楽用語=イタリア語。
そんな彼が、自分のチンコを相手に当てて、

零一
「動くな。童貞だ」
と発言したのはマジで爆笑しました。
彼は童貞だからこそ、一歩でも動いたらチンコが擦れて射精して「デザイア」が発動するぞ……という脅しが成立するのです。
小難しいストーリー展開とは相反するような、アホらしい下ネタを交えたバトル展開が魅力的でした。
エロゲだからこその作品
前述した下ネタを交えた展開は、18禁媒体ならではのものです。
その他にも、図をもちいた長尺の説明シーンは、「映像作品」や「文字だけの媒体」では難しいでしょう。
OP主題歌が挿入されるタイミングも素晴らしい。
物語の輪郭がみえてきて盛り上がるところで流れるのです。
しかも歌詞が内容にリンクしている。
クリア後に聞きなおすと、本当の意味を理解できるという二度三度楽しめるOPです。
変わった構造
体験版の範囲でわかるネタバレなのですが、本作はタイムリープのある作品です。
しかしタイムリープするタイミングは「敵」が握っている。アペイリアを救出しようとすると強制的にタイムリープさせられるのです。
つまり、敵に気づかれないように正体をさぐり、勝利を確信させた状態で裏をかかなければなりません。
通常のループものの作品とは真逆の構造です。
根幹はハードSF
SFモノの作品は数あれど、本作は「ハードSF」といえる作品です。
ハードSFとは
SFのサブジャンルの1つで「SFのなかでも本格派の作品」や「科学をベースにストーリーを構築している作品」のこと。
科学的・論理的に整合性をとること、厳密な描写をすることが重要視されています。
以前「彼方のアストラはSFとしてどうなんだ議論」というものが巻き起こりました。
漫画【彼方のアストラ】にたいし、細かい指摘をするSFマニアが多数登場したことにより端を発します。
この騒動にたいして作者は、「設定を矛盾なく細やかに描写すること」よりも、「細かいところを省きテンポをよくする」&「ストーリーの面白さを重視する」方針だとおっしゃっていました。
【作者の本心】

引用元:アル
つまり、SFモノのなかには「ライトなエンタメ作品」もあれば、「整合性のきちんとした作品」もあるということです。
【景の海のアペイリア】は後者。
一から十まで丁寧に説明しているために「テンポが悪くなっている」と指摘されることもしばしば。
逆に言うと、SF好きが唸るほどにはしっかりとした作品です。
描写が緻密ゆえに、体験版の時点で大オチまで予測している人がいましたから。
難しい説明は図解されているので、ゆっくりと読めば理解できるはず。
仮説をたてて真相に近づいていくのですが、あとで別の仮説に一転したり、根本から覆されることもあります。理解しつつ読んでいかないと混乱することになるでしょう。
物語の着地点は、ミステリー作品のように謎を解くところにあります。
論理性を重視したSFモノとしては優れていますが、エンタメとしてはオチが弱い。賛否が分かれる部分でしょう。
ラスボスをぶっ飛ばしてハッピーエンド……みたいな分かりやすくてスカッとする終わり方じゃないのです。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音あり(音消し修正)。アナルモザイクなし。
エッチシーンの大枠
音消し修正はあるものの卑語があります。尺もしっかりしていて、連戦はあたりまえ。中出ししたあとにぶっかける。絶倫主人公であることがエッチシーンでも活かされていました。
なによりも、早いうちからエッチシーンが挿入される構成は、非抜きゲーにおいては珍しい。
本作では、「仮想空間だから」とエッチにたいするハードルが下がっていて、かつ「主人公のデザイアにより、精液で他人の能力を上げることができる」という都合のいい、もとい、素晴らしい設定により満遍なくエッチシーンが配置されています。
服装は、ファンタジーな衣装もあり、私服、制服、裸のシーンもあります。
フェラチオとBGVについて
フェラシーンがきちんと全キャラ用意されているのが素晴らしかった。
ダブルフェラも完備です。
さらには「BGV(バックグラウンドボイス)」でセリフを流している場面があります。
つまり、テキストには表示されていないボイスが流れてくるのです。
いちばんBGVが活きていたのが3Pのシーン。
自分の意図しないテンポでセリフが流れることにより、リアルタイムで2人を相手にしているような臨場感がありました。
これは、ボイスを聞かないでポンポン飛ばしていたら気づかないでしょうね。
ネタバレ感想
語りたいことは無限にあるので、本当に言いたいことだけを書き記しました。
まとめ
ココがイマイチ
- 図解のシーンでは特に、バックログ画面からのシーンジャンプ機能がほしかった
- ところどころテンポが悪い
- 終盤の展開が弱い
- 話が複雑
ココがおすすめ
- 先が読めない展開にワクワクする
- 優れたハードSF作品
- ハーレム感がある
- 泣けるシーンがある
- アペイリアが純真で健気
- 三羽ちゃんがツンデレ可愛い
- ヘンタイ主人公がいい味出している
- 散りばめられた伏線を、きちんと回収している
ヘンタイ主人公、魅力的なキャラクター、VRMMOのファンタジー世界……という様々な皮をかぶったハードSF作品なので、非常にクセが強いです。
ですが、「唯一無二」ともいえる面白さを備えた力作であることは間違いないでしょう。
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