【クリミナルボーダー 3rd offence】の感想

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【クリミナルボーダー 3rd offence】の感想

古城

5,322文字

第三話 ひび割れから差し込む光

クリミナルボーダー 3rd offencePurple software
【クリミナルボーダー 3rd offence】のパッケージイラストゲーム属性:シナリオゲー
ジャンル ―― 日常と常識の境界ボーダーを引き裂く悪人円舞曲ハスラーワルツADV
発売日  ―― 2023年11月24日
パッケージ版価格  ―― 3,800円(税込4,180円)
ダウンロード版価格 ―― 3,455円(税込3,800円)
スタッフ
シナリオかずきふみ
原画さめまんま
音楽CHIHIRO
主題歌 ―― 花よ散り逝け 人も散るなり(Vo. 山崎もえ)
あらすじ

多くのトラブルに見舞われながらも勅使河原琴子の協力を得て窮地を脱した樹。

ついに電子ドラッグ<レイヴ>を用いたビジネスが開始される段階となり、
樹の中で着実に、雨紋会を仕留める算段が整っていく。

しかしそれがいまだに『確実』な手段とは言い難く、雨紋会が本気になれば
圧倒的な暴力の前に、一瞬にして積み上げてきた全てが瓦解するのは目に見えていた。

あと一つ、確かな手段──

対抗する力をつけるべくもがく樹。
やがて樹は危険を承知で、琴子と共にいた謎多き少女
「メリル・ハサウェイ」に近づき、海外組織との接触を試みる。

二つの組織の権謀術数が入り乱れる中、見出した一筋の光。
果たして樹は光を掴み取る事ができるのか──

――公式サイトより引用

評価

評価おすすめ度
【クリミナルボーダー 3rd offence】の評価★★★☆☆
満足度
満足度80点

作品の紹介

今回は【クリミナルボーダー 3rd offence】を紹介します。

公式略称はありません。私は【クリボー3】と呼んでいます。

 

本シリーズに関しては、私はリアルタイムでプレイするべきだと主張してきました。

なぜなら、制作陣やプレイヤーと一緒に盛りあがりを体験できるから。

そして、ネタバレを踏むことなく、ストーリーを楽しむことができるからです。

3作目である本作には、挑戦的なストーリー展開がもりこまれています。

その展開が話題になったのか、案の定、Googleで「クリミナルボーダー」と検索しただけで、サジェストにあまりにも致命的なネタバレが表示されるようになりました。

まだネタバレを踏まないで済んでいる人は、なにも調べずに購入しましょう。

 

購入を検討している方は、私の感想も参考にしていただけるとありがたいですね。

題材が題材ですから、ブラックな展開も用意されています。胸糞悪いシーンが苦手な人は回避したほうがいいかもしれません。そういうのに耐性がある人にはおすすめです。

1作目
【クリミナルボーダー 1st offence】のパッケージイラスト
【クリミナルボーダー 1st offence】の感想

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【クリミナルボーダー 3rd offence】のパッケージ画像

私が所持しているのはパッケージ版です。

攻略情報など

プレイ時間

私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて4時間ほどです。最初のエッチシーンまでは2時間ぐらいかかりました。

 

攻略情報

選択肢はありません。

 

 Hシーン

卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクなし。

 

システム

難易度修正パッチバックログジャンプ
簡単なしあり
備考

感想

  • 以下、ネタバレを含みます。既プレイ者向けの感想です。ネタバレを知ってしまうと、プレイ体験を著しく損なう可能性があります。
  • 配信ガイドラインに則って、スクリーンショットを掲載しております。

境界線を越える物語

本作の感想を一言であらわすと以下のとおり。

やってくれたな!

はい。これ以上語ることはありません。

……と言うのも寂しいので、ストーリーの流れを追いつつ、ちょっとした感想を記載していきます。

 

メリル「一緒にお昼、食べません?」

誰だよ、お前は!?

冒頭から、学園モノの萌えゲーを彷彿とさせる、キャピキャピした後輩女子が登場。

無口系ヒロインであるはずのメリル・ハサウェイです。ウェーイ。

メリル「……うまく溶け込めって言われてる。だから、ひなを参考にした」

どうやらメリルは、ひなを参考にしてキャラ作りをしていた模様。

樹とメリル、2人きりでのもぐもぐタイムがはじまります。

やはり、小柄な少女がメロンパンに齧りついている姿は絵になりますね。

どこぞの灼眼の少女も、カリカリもふもふのメロンパンを美味しそうに頬張っていましたし。

――閑話休題――

メリルは、海外マフィアの一員であり、雨紋会と協力関係にあります。樹たちとは敵対する立場です。

ですが、琴子にいろいろと面倒を見てもらった恩義があり、樹たちに協力したい気持ちもあるのです。

凛「海外マフィアのご機嫌取りまでしなきゃいけないなんて……ややこしくなりすぎ」

要するに、今作の目的は、海外マフィアの顔色をうかがいつつ、雨紋会の弱体化をはかること。

でかい組織を相手に、いきなり全面戦争をしかけても勝てるわけがありません。なので、雨紋会には逆らわないポーズをとりつつ、反逆の機をうかがいます。

メリルと一緒に、雨紋会からの依頼をこなしていくのです。

お金を貸した相手から債権回収するお仕事や、謎のスーツケースを運搬するお仕事や、やらかした人物の清掃をするお仕事など。きわめて健全かつ合法なお仕事に精をだすのです。

 

ある日、反逆のための糸口が見つかりました。

樹「レイヴに依存性が……?」

どうやら、レイヴには依存性があるらしい。

いよいよこれはヤバくなってきましたね。電子ドラッグに依存させて、顧客からお金をしぼりとっていく。国からの規制待ったなしの特級呪物となったわけです。

でも、よくよく考えてみれば、ユーザーの射幸心をあおり、ガチャ代をしぼりとっていくソーシャルゲームなどなど、似たような仕組みのものはいくらでもありますからね。

全く問題はなく、きわめて健全かつ合法なものだと言うことでしょう。ええ。

電子ドラッグのもつ性質をつかえば、資金稼ぎにも、敵対組織の弱体化にも活かせます。

 

反逆のための糸口は、もう1つあります。

どちらが本当のメリルなんだろう。

それは、メリルが味方になってくれるかもしれないこと。

メリルは学生として「普通」の生活を経験したことで、「自由」に生きることへの憧憬を持ちはじめました。

メリルと樹は、一緒にいる時間が増えることによって、距離が近づいていきます。やがては、自由を掴みとるという目的意識が重なることになるのです。

彼女を引き込むことができれば百人力ですよ。

頭は切れるし、戦闘力は最強。そして、なんといっても可愛いですから。

マリル「……ぁ」

「あ」じゃないよ「あ」じゃ。お前さんはどんだけ可愛いんだよ。

メリルが次第に見せてくれるようになった、少女らしい一面には胸がときめきます。

いや、けっしてロリコンではないですよ。登場人物はすべて18歳以上ですので。

 

皆でお好み焼きを食べに行くシーン

このシーンは最高でしたね。ダークな世界観の作品ですが、ホッと一息つけるような、温かい光景が広がっていました。

こういうのでいいんだよ。こういうので。

このあと、私の顔から笑顔が消えることになるとは露知らず、ニヤニヤしながらプレイしておりました。

あのね。嫌な予感はずっとしていたんですよ。

なぜなら、場面が転換するごとに、一歩ずつ良い方向にむかって進んでいることがテキストによって強調されていましたから。そして、制作スタッフの皆様が、こぞって3話には衝撃展開が待っていることを仄めかしていましたからね。

誰かが死ぬんじゃないか。そう予測している私も、頭の中におりました。

主人公がここで死亡することはないはず。4話でメインヒロインを張る凛が退場するなんてありえない。組長の娘である琴子は、まだ活躍する場面が残されているだろうし大丈夫。そうすると、「メリル」か「ひな」か「辰也」が危ないだろうなぁと漠然と考えている自分もいたのです。

いやいや。ありえないな。

Purple software の作品でそういう展開をぶっこむわけがない。

大丈夫だ。大丈夫。きっと大丈夫なはずだ。

そんな私の淡い期待を、見事にぶっ壊してくれましたね。

深緑色のクーラーボックス

嘘だよな、おい!!?

考えつくかぎりあまりにも最悪な方向で、嫌な予感が当たってしまったのです。

は? は? は? 何度「は」という言葉を発したのかわかりません。

こんなにも悪辣な展開ありゅ?

かずきふみセンセの動画配信を見たことがあるのですが、彼は、優しそうで爽やかな喋り方をしていらっしゃる。しかし、たま~に黒い発言をする人でした。

これで確信しましたね。あの人、マジモンのサイコだわ。

ユーザーの悲鳴を想像しつつ、邪悪なスマイルを浮かべていますよきっと。

だ…駄目だ まだ笑うな… こらえるんだ… し…しかし…

よくもやってくれたな。

まるで私も暗い海のなかに沈んでいくような、深い深い苦しみに苛まれました。

無事にメンタルブレイクされて、しばらくはローテンションでプレイすることに……。

クリミナルボーダーひな死亡

この展開は、よほど反響があったのか、今ではGoogle検索のサジェストにネタバレが表示されています。

予約買い勢だから、ネタバレを踏まなくてよかったぜ。

樹くんにとっての精神的支柱であり、我々ユーザーにとっても癒やし要素であるひなちゃんが、ここまで最悪な方法により退場するとは思いませんでした。想像を超えたダークな展開でしたね。

ここまであまりにも順風満帆でしたし、肩透かしな感覚もありました。必要な展開だったのかなと受け止めています。

今まで私はクリミナルボーダーを「陰キャオタクが裏社会でのしあがっていくサクセスストーリー」と紹介してきたのですが、今後は訂正しなければなりません……。

 

ひな「ひなは、ずっと、いっきくんと一緒」

残念ながらひなちゃんは退場してしまいましたが、これからも樹たちを精神的に支えてくれるでしょうし、彼らが前進する力となってくるでしょう。ありがとうね。ひなちゃん。

 

メリル「ついていく、どこまでも」

かけがえのない人を失ってしまいましたが、メリルは樹と深いつながりをもちました。

血よりも固く結ばれた家族――ファミリーとして、樹たちは結束していくことになります。

 

情けない僕は、もう終わりにしなくちゃいけない。

過去の自分は、捨てていく。

僕は……明確に、踏み越えたのだから。

咎人の境界線クリミナルボーダーを。

タイトル回収 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

終盤ではバチクソテンションが上がってワクワクしていましたね。

前作では、人を殺してしまったとはいえ、事故のようなものだった。

しかし今作では、明確な殺意をもって、東雲にとどめを刺した。

もう本当に引き返せないところまできてしまったのです。

 

樹「Nestと」

余談ですが、樹の考えた『Nest』という組織名は、「悪の一味」という意味と「雛鳥(=ひな)の巣」という意味のダブルミーニングだと推察します。

東雲には同情している

やったことは糞ですし、許すことはできないですけど、組長への忠義をつくし、昔ながらの在り方を守ろうとしていた東雲には同情しています。

すべては組長である勅使河原吾郎がわるい。

琴子「父の指示だった。これですべての……説明がつくのです」

ついに黒幕につながる因果関係が見えてきました。

ゴールへの道筋を示され物語が〆られました。

凛「ひなが遺したものは、私が守る。駄目になるまで、続ける。私が責任をもって」

凛ちゃんは、ひなのことをホントに大事に想っていたみたいですね。最終話で彼女は、物語にどのように携わっていくのか楽しみです。

 

雨紋会はぶっ潰してほしい。

でも海外マフィアが日本でデケェ顔してのさばっているのは気に食わねぇんだよな。そこらへんも何とかなりませんかね。かずきふみセンセ。

全員ぶっ潰してください。笑

エッチシーンについて

寝バックとシックスナインが良かったです(小並感)。

メリルとシックスナイン

えっちコンロ点火! エチチチッ \勃/

世界の名景100選に、メリルの尻の穴が選ばれてもおかしくはないでしょう。

OPについて

OPは、クリア後に視聴すると印象がかわります。冒頭からクーラーボックスが海に沈んでいく描写と、思い出の写真が散らばっていく描写がされているのエグくないすか?

「CRIMINAL BORDER」と書かれたコインに血を垂らしている場面も示唆に富んでいます。

まとめ

ひなちゃんが居なくなったのはガチで悲しかったのですが、物語としては俄然面白くなってきました。最終話にも期待しております。

最後に、かずきふみ氏に、ひとこと送りたいと思います。

――この男性ライター、最高で最悪。

お後がよろしいようで。ありがとうございました~。

パッケージ版

ダウンロード版

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