8,444文字
人類は 君達 を消費する
魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis(metalogiq) | |
ジャンル ―― 戦場の魔法少女ADV | |
発売日 ―― 2021年03月26日 | |
パッケージ版価格 ―― 7,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 8,580円(税込) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★☆☆ | |
満足度 | |
作品の紹介
今回は、新規ブランド「metalogiq」から発売された【魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis】を紹介します。
クリアしてから半年以上経ってから感想を書いております。なぜそんなに時間がかかったかというと、本作にでてくる魔法少女たち同様、ワタクシも精神を消耗しまくったからです。笑
とにかく評価するのが難しかった。
プレイ中は疲れるけれど、プレイ後の余韻は素晴らしい。抜きゲーとしてはイマイチだけど、シナリオゲーとしては楽しめたからです。
往年の「BLACK Cyc」作品ような良さがありました。
高品質な作品ですので、我こそはと思う人はプレイしてください。
どんな人向け?
- BLACK Cycの作品のファン
- 可哀そうじゃないと抜けない
- 18禁ならではのストーリー展開を求めている人
- 爽やかな読後感を求めている人
- SF戦争ドラマを求めている人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて20時間です。最初のエッチシーンまでは50分ほどかかりました。
攻略
攻略順
推奨攻略順として、「カテドラルに留める」ルートから先にプレイすることをおすすめします。選択肢は分かりやすいので、攻略サイトをみなくても任意のルートに入れるはず。
パッチ
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。
Hシーン
卑語あり。ピー音なし。アナルモザイクなし。
感想
どんなお話?
SF戦争ドラマ
西暦2099年。人類は「月面基地」や「火星基地」をはじめとした「宇宙」にまで生活圏を広げていた時代。
宇宙で未知の生物と遭遇します。そのエイリアンは『宇宙的刺胞生物(通称:C.C)』とよばれることになりました。
このC.Cとよばれるエイリアンは、通常兵器どころか核兵器も通用しないほどの強大な力をもっています。
そこで人類(地球統合宇宙軍)は、月近傍を最終防衛ラインとさだめ、対C.Cの前線基地『カテドラル』を建設。
カテドラルでは、エイリアンに対抗しうる手段として『特殊戦技兵団(通称:魔法少女部隊)』をもちいて戦うことになります。
………………
…………
……
いきなり専門用語が多くてすみません!
ついてこれてる~?
主人公
時は流れ2108年。
主人公の名前は飯塚みのり。
彼女は、C.Cによって壊滅させられた火星の出身。
人類初の特殊戦技兵である英雄リゼット・オージュローに助けられたことにより、リゼットのようなヒーローになることを夢見ていました。
そしてみのりは、軍士官学校を卒業して、士官候補生としてカテドラルに配属されることになったのです。
仲間たち
カテドラルにて、みのりと同室になったのは、日本出身の如月七虹と、ロシア出身のイリューシャ・ペトロヴナ。
七虹はアホの子。どんなときでも明るくて、つらい状況での癒やし要員です。
イリューシャはしっかり者。最初はツッケンドンな態度だけれど、実は誰よりも仲間思い。
みのりと七虹とイリューシャの3人で、困難を乗りこえていくことになります。
「可哀そう=エロ」
本作のコンセプトのうちの1つは「可哀そう=エロ」です。
ここまでの説明ではまだ「可哀そう」の部分が見えてこなかったと思うので、それを説明します。
カテドラルにあつまった士官候補生は、だまし討も同然のかたちで、C.Cの拠点である「失楽園」に行くことに……。
失楽園にたどりついた士官候補生たちは、謎の触手のようなモノに体中を犯されます。
大半の人は死んでしまうのですが、一部の人間は生き残って、特殊戦技兵としての力を覚醒。
体内にうめこまれたエイリアンの卵により、魔法少女に変身できるようになりました。
つまり特殊戦技兵とは、敵(C.C)の力をかりて戦う兵士だったのです。
特殊戦技兵の強大な力には、とうぜん副作用もあります。
体内にうめこまれたエイリアンの卵によって、発情状態になったり、体が刺激に敏感になるのです。
それだけではありません。
特殊戦技兵の力を高めるには、快楽を得ることが必須です。
なので、エイリアンの触手に犯される展開よりも、カテドラル内にいる男どもに、強姦・陵辱・輪姦・調教をされるシチュエーションがふんだん。さらには強化実験のための機械姦や、ちょっぴりリョナの入ったハードなシーンもあります。
【魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis】というタイトルがあらわすように、魔法少女たちがまるで消耗品であるかのように扱われ、人としての尊厳がうばわれ、辛く過酷な運命をたどる物語です。
ここまでの内容をすっげぇ簡単にまとめると、「魔法少女がエイリアンと戦うなかで酷い目にあうお話」ってこと。
特徴を紹介!
ストーリーとエッチシーンの融合
私がエロゲに求めているのは、「エロゲならではの作品」です。
18禁である強みを活かしたストーリー展開や、選択肢によるストーリー分岐、エッチシーンとストーリーの融合 etc……。
その点【魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis】は、陵辱エッチシーンにより精神的に追い詰められていく少女たちの心理描写が細かく表現されていました。
さて、実用性についてお話します。
序盤こそは、キニスン司令とかいうナイスガイによる調教シーンがエロかったです。
しかし中盤以降は、シーンの尺が短めで「ストーリーのためのエッチシーン」といった感じになっていて、実用性が下がっていました。
なので陵辱系抜きゲーを求めてプレイすると、評価が下がると思います。
もう少し、実用性とストーリー性のバランスを取れていれば、私の理想とするエロゲに近づいたんですけどね。
ジワジワと精神的に追い詰められる感覚
魔法少女たちは「カテドラル」という閉鎖空間で過ごすことになります。
夢や希望をもってカテドラルにやってきた少女たちは、責任感や連帯感を盾にとられて陵辱を受け入れざるを得ない状況におちいります。
ときには自分の立場がこれ以上に悪くならないように、あるいは自分よりも酷い目に合っている人間を見て安心をするために魔法少女同士で諍いをおこすこともある。
もし陵辱にたいする抵抗を続けたとしても、諦めて受け入れてしまった魔法少女たちからは嫉妬と憎悪を向けられる。
友情にヒビがはいることもあれば、愛情により狂ってしまう人もいる。
異常な状況下におかれた心理描写が細やかで、プレイしていて胸糞悪い気持ちになるというか、精神的に消耗しました。笑
辛い状況がつづいて、やっと解放されたと思ったら、前以上に辛い状況におちいる。そんな無間地獄があなたを待っていますよ(ニッコリ)。
めちゃくちゃ余韻が良い
ここまで読んでいただいて、「何が面白いのか分からない」と思った方もいるでしょう。笑
しかし、長く辛い展開をのりこえた先のエンディングが素晴らしい。
終盤には、今までの鬱憤をはらすかのように、手に汗をにぎる展開の連続と、目頭があつくなる展開が待っています。
あれだけ利己心あふれる人間の醜悪な内面、どこまでも腐敗していく組織を見せられたあとに、それでも人類の善意を見せられる&信じさせてくれるラストは感動的でさえありました。
ビジュアルも音楽も高品質
ビジュアルの美しさと、迫力ある劇伴が素晴らしい。誤字脱字も気にならないですし、演出もしっかりとしています。
おまけミニゲームあり
クリア後に「ギャラリー」のなかにあるSDアイコンをクリックするとミニゲームがプレイできます。
内容はトランプゲームなど。地味に難しいです。
目新しいゲームはないですが、それでもこういう機会じゃないとプレイすることもないですし、私としてはお遊び要素があるのは嬉しいですね~。
ちなみにこのミニゲームをクリアしたとしても、画面上に「CLEAR!」の文字がでてきて、嬉しそうにピョンピョンと跳ね回るだけなので、プレイ必須というワケではありません。
麗残雪が好き
サブキャラではあるのですが、隻眼でゴシックな服にみをつつむ麗残雪がマジで好きです。CVは、青山ゆかり嬢の親戚の方。
テディベアを操って戦うところが可愛すぎる。
彼女はどんな経緯で魔法少女になって、どういう人生を送ってきたのか、無限に妄想しております。
ネタバレ感想
各ルートの簡易的な感想と、とあるキャラについて。
まとめ
ココがイマイチ
- もっと中盤以降のエッチシーンも頑張ってほしかった
- みのり以外のエッチシーンが少ない
- 読んでいて精神を消耗する
- システムは若干不便
ココがおすすめ
- クリア後の余韻が良かった
- 辛い展開を共に乗り越える友情が美しい
- 女性キャラだけでなく男性キャラもいい味を出している
- エッチシーンとストーリー展開の融合ができていた
- 音楽やグラフィックが高品質
- バトル描写が良かった
- おまけミニゲームあり
良作だとは思いますが、もう2度とプレイしたくはありません。笑
あなたも重い展開のあとに待っている「爽やかな余韻」を味わってみませんか?
ダウンロード版
デジタルリリース(DL)
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