6,520文字
「クリエイティブ」×「不登校」
| ハミダシクリエイティブ（まどそふと） | |
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| ジャンル ―― 学園に来ない女子と見過ごしがちな青春を探す学園恋愛ADV | |
| 発売日 ―― 2020年09月25日 | |
| パッケージ版価格 ―― 9,800円（税抜） ダウンロード版価格 ―― 8,800円（税込） | |
評価
| 評価 | おすすめ度 |
 | ★★★★★ |
| 満足度 | |
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作品の紹介
よく「疲れているときには甘いものが欲しくなる」と言います。
死んだ魚の目をしているそこのあなた！
会社に行くと家族へ告げて、公園のベンチに座って時間をやり過ごしているそこのあなた！
そんなあなたに良い処方箋があります。
そう……【ハミダシクリエイティブ】通称【ハミクリ】です。
なんかハミクリってエッチな響きだよね……。
こほんっこほんっ。話がそれました。
ハミクリをプレイすれば、その糖度の高さに、疲れ切ったあなたの心に清涼な風がふきます。
目に輝きをとりもどし、会社に行く活力をとりもどします。
さあ、あなたも今すぐハミクリをプレイしましょう！
いろんな意味でニヤニヤできるゲームです。
所持しているのはパッケージ版です。
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて35時間ぐらいでした。最初のエッチシーンまでは15時間です。
攻略
自力攻略はそこまで難しくないです。一部のヒロインは、好意的な選択肢を積極的にえらばないとルートに入れないです。
攻略順
私は『 詩桜 → あすみ → 華乃 → 妃愛 』の順でプレイしました。
推奨攻略順はありません。お好きな順番でプレイしましょう。
しかし詩桜ルートを先にやって詩桜の印象を良くしておいたほうが全体を楽しみやすく、妃愛を最後にまわしたほうが妃愛の心情を引きずられたまま他ルートをプレイせずにすむ……というのはありますね。
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能あり。
どんな人向け？
- 体験版をプレイしてテキストに肌が合っていた人
- ハミダシている人
- 絵・音楽・グラフィックに惹かれた人
- 流行りの題材を扱っている作品を求めている人
- しっかりと共通ルートにもボリュームのある作品を求めている人
感想
どんなお話？
生徒会長がいなくなってしまい、急きょ全校生徒があつめられて、くじ引きで生徒会長にえらばれた主人公。
そんな主人公が、クリエイティブな活動をしている不登校の女生徒たちを生徒会のメンバーに勧誘します。
©まどそふと（以下スクリーンショットを著作権ガイドラインに則って掲載します）
一癖も二癖もある面々との楽しい掛け合い。
そして、糖度の高い個別ルートでのイチャラブが楽しめるゲームです。
キャラクターについて
和泉 妃愛 CV：柳ひとみ
主人公の妹。子役あがりの覇権声優。
私は、とくにヒロインの属性を意識することなく、作品をプレイしはじめるのですが、妹ヒロインを好きになることが多いです。
なぜ妹ヒロインにばかり惹かれるのか、自分でもよくわかっていませんでした。
その長年の謎がやっと解けました。
すべては妃愛と結ばれるための布石だったのです。
妃愛は、妹としての可愛さと、二次元ヒロインとしての可愛さを、果汁100％でストレートに抽出した存在なのです。
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何を言いたいのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 萌えだとか可愛いだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
妃愛の可愛さについて
お兄のことが大好きで、お兄のお世話をすることが大好きなひよりん。
母性に溢れているシーンもあり。
かと思えば、個別ルートでは甘えてくるのが可愛い。
もし現実で言っている人がいたら、右のアッパーをぶちこみたくなるようなセリフも、妃愛が言うと可愛い。
妃愛に対する周囲の反応
「えっ待ってほんと無理、写真よりも本物かわいい尊みがすぎて無理……！ あのひよりんが、うちの制服着て目の前にいるのかわいすぎて無理しんどい待って」
本編より引用
Ｓ桜さん
千玉学園３年生
「ひよりんはこれが素なのか……？ 和泉君は、毎日この可愛さを体験しているのか……？ 普通の人間なら、正気ではいられなくなるぞ……！」
本編より引用
常磐 華乃 CV：秋野花
黒歴史をかかえる人気イラストレーター。
クソ雑魚メンタルのわりに攻撃性の高い厄介オタクの様相を呈しています。
悪口を言っているように聞こえたかもしれませんが、めちゃくちゃ可愛いです。
個別ルートでのイチャラブが天元突破しています。
ギャップが凄いのです。
スイカに塩をかけたら甘さが引き立つように、トッポに塩をふったら甘さが引き立つように、女性にもちょっとした棘があったほうが可愛さや美しさが引き立つものなのかもしれません。
テンパったり感情がたかぶったときに「〇〇わよ」という漫画口調になるのが特徴的。
対面でのコミュニケーションになれていなくて、とっさにネットでの口調がでてしまうのは、オタクあるあるだと思います。
え？ オタクであるお前がオタクを語るなって？
う、うるさいわよ！ 黙れわよ！
錦 あすみ CV：紬雪乃
歌を歌うことが得意な人気Vtuber。
純真で性格がめちゃくちゃ良い。主人公は彼女のことをこのように形容しました……「天使」と。
最初から好感度がたかめで、先輩先輩と慕ってくれて、持ち上げてくれて、とても気分良くさせてくれました。
可愛い。
鎌倉 詩桜 CV：浜辺実雨
学園の元生徒会長で、売れっ子小説家。
自分勝手で、尊大な態度をとっているため、ウケづらいというか、イマイチ人気がない印象。
私も最初はイラッとしましたが、好きなキャラですよ。順位づけしたら４番目になってしまいますが。
ぜひとも詩桜ルートを最初にやって彼女の真意を確かめておいて欲しいものです。
不当に嫌われているのが可愛そう(´；ω；｀)
和泉 智宏
本作の主人公。
妹のお金でソシャゲのガチャを回すクズ……という扱いをされていますが、ゲームをプレイしていけば、そこらへんはフォローされています。
ハミダシクリエイティブの主人公は「このすば」のカズマのような立ち回りをしているというか、調整役として上手く機能しているんですよ。
カズマさん
もし他のヒロインが生徒会長だったとしたらどうでしょう。
詩桜先輩は使えない人間を切って捨てるため、人がついてこない。
常磐や錦さんは、自分から引っ張っていくタイプではない。
妃愛はそもそも「お兄」のためではないと動かない。仮に動いたとしても、表面的には上手くやれるでしょうが、基本的にはあまり人を信用していない。
クリエイターとしてはすごいけれど、世間からハミダシているヒロインたちをうまく繋ぎ止めていたのは、他ならぬ主人公だと思うのです。
主人公はとりたててすごい能力があるわけではないですが、だからこそ個別ルートでは努力しはじめ、各ヒロインに歩みよることができたのではないでしょうか。
コミュニケーションに苦手意識を持ちながらも、相手の態度や言動から「心情」を察することができる。
だからこそ、彼女たちも惹かれたのでしょう。
要するに「お兄はやればできる子」なのです。
お気に入りのヒロイン
極めてフラットにヒロインを紹介したので、どのヒロインを気に入っているのかバレていないと思うので発表します。
………………
…………
……
ひよりんです！
ひよりん可愛いよひよりん。ひよひよ～。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。
ぷっくりとした乳首がエッチです。キャラを気に入りさえすれば実用性は高めでしょう。ちょっとだけ攻めたエッチシーンもあります。
全員にパイズリ（パイズリフェラ）が用意されているのですが、ちっぱいである錦さんも例外ではありません。笑
基本的にはおっぱいゲーなのですが、尻フェチの私としては常磐ルートはエッチなお尻アングルがあって最高でしたね。
エッチシーン所感
とにかく華乃ちんがエロかった。エロ同人を描いているだけあって、セックスに対してアグレッシブなのと、相手が喜びそうなセリフを逐一言ってくれるのと、個別ルートのイチャラブ具合を反映したかのようなラブラブっぷりにより、とにかくエロかった。
ピー音も邪魔にならないような静かなタイプで、卑語も普通に言ってくれるので満足でした。
しかし、１番お気に入りヒロインである妃愛ルートの実用性はあんまりでした。
妃愛の声優の柳ひとみさんは、可愛らしい声ですし、演技力もありましたし、本当に好きです。
……が、チュパ音はちょっと物足りなかったですし、なによりも
なぜか妃愛の卑語だけピー音がクソうるさい。
期待していただけにこれには本当に落胆しました。
でもまぁ華乃ちんはドチャクソエロかったですし、他のヒロインもそれなりの水準の実用性はあったかと思います。
所感
テキストに関して
今作が初ライターである甲木順之助さんですが、丁寧かつこなれているようなテキストを書かれるので、もしかしたら新人ライターではないのかもしれません。
歴史ネタが豊富で、凝った比喩表現がおもしろかったです。よく考えられていたと思います。
今どきのネタを扱っているかと思いきや、アラフォーにしか伝わらなさそうなネタを仕込んでいたりと、まじで人となりが判断できないですね。
私のするどい推測によりますと、
甲木順之助さんは二十代から三十代、もしくは四十代から五十代の男性および女性でしょうね。
間違いない。
甲木順之助さんのおかげで好きなライターの傾向というものが見えてきました。
気が合うなぁと思うライターって、たとえば私がヒロインの挙動に可愛いと思ったとすると、主人公がそのタイミングで「可愛い」と言ったり、私がツッコミたくなるような発言に主人公がぴったりとツッコんだり、そういうのが多い人です。
スクショを見返していたら、ワケのわからない発言がでてきた。
なんだこれ！？
共通ルート
少し前にフルプライスの作品が好きだという内容の記事を書いたんですよ。
ハミダシクリエイティブでも、共通ルートの“良さ”が詰まっていました。
個性豊かな面々とワイワイガヤガヤしているだけでも楽しい。
生徒会活動をとおして、仲良くなっていく過程も面白い。
なによりもちょっとしたハーレム感があるもの好きだ。
はやくコレになりたい……。
そんな楽しげな共通ルートを、ボイスをしっかりと聞いて12時間ぐらいは楽しめたので大満足です。
個別ルート
■詩桜ルート
なんでも１人でこなしてしまうスペックの高い詩桜先輩のルートでは、どのようにストーリーの山場をもってくるんだろうと興味深かったです。
主人公が頑張りすぎて倒れてしまうのかなぁとか思っていたら、まさかの車にひかれてドーン！
正直、予測の斜め上の展開すぎて、思わずワロてまいました。
プレイ時のメモにはこのように記載されていました。
くっっっっっそワロタｗｗｗｗｗ
まさかの急転直下の展開。
なんだよこれｗｗｗ
不幸な展開のはずなのに、人でなしみたいですね。すみません。
でも甲斐甲斐しく世話をやく詩桜と妃愛が可愛すぎて最高でした。
詩桜の事前の印象がそこまで良くなかったので楽しめましたが、もし詩桜ルートにガチで期待していたら、かなりビックリするというかムカつくような展開だったかもしれません。
でもまぁ詩桜ルートは退屈なところが一切なかったので好印象です。
■あすみルート
序盤は少し退屈でした。
しかしあすみが企業に所属してからは、展開が大きく動いて面白かった。
あすみは引きこもったことにより、「遠回り」してしまったように思えるかもしれません。
しかし、そんな遠回りがあったからこそ、「先輩」と出会うことができたし、Vtuberとして活躍することができたし、引きこもりにエールを送る歌を歌えたんだと思います。
遠回りしたことや挫折したことが成功の道標になる。非常に綺麗なルートだったのではないでしょうか。
■華乃ルート
私が今までずーっとモヤモヤしていたことを体現してくれた素晴らしいルートでした。
よくエロゲの感想で「好きになったタイミング（特別なきっかけ）が分からなかったからクソ」みたいな感想を目にするんですよ。
でも私としては、フィーリングで好きになることだってあるし、気づいたら好きになっていることだってあるし、付き合いはじめてから本格的に好きになっていくこともあるし、なんでそんなに理詰めで恋愛を捉えているんだろうと思っていたんですよ。
だからこそ主人公が、告白する流れになったとき
「常磐が俺を意識したタイミングっていつ？ なにか特別なきっかけがあったとか……」
とか言い出して、「あ、これオタクがめっちゃ言っているやつだ」と思いました。
特別な出来事の末に結ばれることなんてめったにないものです。エロゲではよくあります。
このあと、お互いに拗らせているために恋愛チキンレースに発展したのは面白かったです。
でも２人とも拗らせている面倒なオタクなので、こういう遠回りの末に結ばれたからこそ、あそこまでのラブラブっぷりに発展したんでしょう。
可愛すぎか？
余談ですが、アニメ「ヲタクに恋は難しい」では、オタクの面倒さを浴びるように見ることができます。ストレスフリーな生活をしていて、たまにはイライラしたいという人にはおすすめです。
■妃愛ルート
まじで感情移入しすぎて、妃愛が生卵を投げられるシーンなんかではめっちゃキレてしまいました。
とにかく妃愛が可愛かったので最高のルートでしたが、言葉にするとチャチなものになってしまいそうなので口をつぐみます。
いつ決壊するかも分からないギリギリ状態でのじゃれ合いがエッチすぎる！
最後のウェディングドレスを着た妃愛があまりにも可愛すぎて最高でした。
もし私がTwitterをやっていたら、妃愛のウェディングドレスのCGを投下して、すべてのハミクリ未プレイオタクにダメージを与えたくなっていたほどには妃愛が好きです。あ、もちろんそんなことはしませんよ。
余談ですが、システムボイスの「戻るぜ！」が好き過ぎる。
というか「戻るじぇ！」に聞こえるのは私だけ？
まとめ
ココがイマイチ
- 射精音がクソ
- 妃愛の卑語だけピー音がうるさい
- 攻略できない魅力的なサブヒロイン
- 少し退屈なシーンもあり
ココがおすすめ
- テキストに肌が合っていた
- ヒロインが皆可愛い
- というか妃愛が可愛い
- 華乃ちんの個別ルートもグッド
- 共通ルートにもボリュームがあった
いや、ほんまに楽しかった。
世間からハミダシてしまった私にこそふさわしい作品でした。
妃愛……生まれてきてくれてありがとう……！
＼ ＳＨＡＲＥ ／
Ｋ乃さん
千玉学園２年生