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欲望と愛憎が渦巻く怪奇譚が今、幕を開ける――
| 学園淫奇譚 〜かおり憑きの少女〜（スタジオ奪） | |
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| ジャンル ―― 学校の怪談エロティックADV | |
| 発売日 ―― 2022年01月28日 | |
| パッケージ版価格 ―― 6,800円（税込7,480円） ダウンロード版価格 ―― 6,296円（税込6,926円） | |
評価
| 評価 | おすすめ度 |
 | ★★★★☆ |
| 満足度 | |
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作品の紹介
このセリフは、誰の発言か分かりますか？
正解は、私の親友のＴくん ―― キックボクシングと極真空手をおさめたゴリマッチョ。学生時代に喧嘩無敗だったドヤンキーです。
あ、すみません。正解した人はいないですよね。すみません。許してください。
んで、15年以上昔に、このヤンキーの友人と心霊スポットに行ったんですが、そのときの彼の発言は以下のとおり。
／ キショいわ！ ＼
お前のその鍛え抜かれたボディはなんのためにあるんだよ。お前のその厳ついフェイスはなんのためにあるんだよ。
いくら体を鍛えようとも、いくら強そうな見た目をしていようとも、心まではどうにもならないわけですな。
ということで今回は【学園淫奇譚 ～かおり憑きの少女～】を紹介します。スタジオ奪らしく、抜きゲー・寝取られゲーでありながらもシナリオを重視した作品でした。悪霊化した少女がまきおこす悲劇の物語です。
私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け？
- 憑依エロが好きな人
- 隠れた良作を探している人
- キャラクターデザインに惹かれた人
- 寝取られ・陵辱展開に拒否感のない人
- エッチシーンとストーリーの融合を求めている人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて８時間半ほどです。最初のエッチシーンまでは10秒ぐらいかかりました。
攻略情報
分かりやすい２択の選択肢がいくつか用意されています。
システム
| 難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
| 簡単 | なし | なし |
| 備考 | ||
| － | ||
感想
どんなお話？
主人公の光井俊希くんには、お付き合いしているカノジョがいます。
カノジョの名前は土岐森椎奈ちゃん。
俊希と椎奈は、見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいのラブラブカップルです。
椎奈ちゃんの顔は、私の好みにドンピシャ。そのうえ、一途でヤキモチ焼きな性格にもグッときました。
もういいよ。このまま２人で幸せになってほしい。一生イチャラブしている展開を見せてくれ。頼むから。
―― しかし、そうは問屋が卸さない。
スタジオ奪の作品ですからね。このままで終わるわけがありません。
自分、ここでリタイアしていいっすか！？
悲劇がはじまる前からすでに辛いんすけど。
はい。もう１人のヒロインがご登場。蒔城香織という名前です。
香織は、幽霊 ―― もとい悪霊です。ラブラブカッポゥを破壊するために現れました。
どのようなことが行われるのかというと、香織は椎奈に「憑依」して、不特定多数の男と性交をくりかえし、椎奈がボロボロになるまで破壊していきます。
本作は寝取られ系の作品というよりも、「憑依エロ」を楽しむ作品じゃないでしょうか。
憑依されているあいだは椎奈の意識がなく、基本的にエッチシーンはノリノリですから。
ストーリー展開
ストーリー展開に見どころのある作品ですが、ネタバレ無しには語りづらい。
ですから、ストーリー展開の注目ポイントを、いくつかご紹介しましょうか。
- 俊希と椎奈は、苦境を乗り越えることができるのか。
- 俊希と椎奈は、変わらずに絆を紡ぎ続けることができるのか。
- 香織は、なぜ悪霊化して、なぜ幸せそうなカップルの破局を望んでいるのか。
- 香織は、どのような結末をむかえるのか。
各登場人物の変化と、ストーリーの流れとが、面白いように絡み合っていました。
本編をクリアしたあとに、タイトル画面に「BEFORE」が追加されて、過去編を見ることできます。最後に「AFTER」が追加されて、トゥルーエンドに到達することができます。本編こそエッチシーンが多めですが、だんだんとシナリオに比重が偏っていく構成でしたよ。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音なし。アナルモザイクなし。
竿役は、主人公の友人、同級生、浮浪者、見知らぬおっさんなどなど多岐にわたります。
ジャンル的には寝取られ、陵辱、輪姦に分類されるのですが、ヒロインがノリノリであることを考えると、快楽堕ちジャンルのほうが近しいかもしれません。ときおり憑依を解いて、椎奈ちゃんを絶望させるので、メンタルを抉られるシーンもあるでしょう。
椎奈ちゃんの顔がただただ美しいんで、私的にはそれなりの実用性を感じました。
いろんな男と淫らなセックスをくりかえすので、ビッチ属性が好きな人にも刺さりそう。椎奈ちゃんの心は、俊希くん一筋で、めちゃくちゃ一途なんですけどね。
生前は「演劇部」に入っていた蒔城香織の、媚び媚び成りきり奴隷プレイも性癖に刺さりました。
ネタバレ簡易レビュー
最初は、蒔城香織がただただ不快だったので、ガラの悪い阪神ファンもかくやの勢いで、モニターに向かって罵倒の言葉を浴びせかけ、ブチギレながらプレイしていました。笑
しかし、だんだんと香織の過去があきらかになり、少しずつ同情心がわいてきます。
このシーンの香織の顔がめちゃくちゃ可愛くてビックリしました。
我々プレイヤーと同じように香織の過去を追体験した俊希は、彼女を殺そうとするも遂行できず、思わず抱きしめてしまいます。この構成がうまくて、不覚にも唸らされてしまいました。なんせ、プレイヤーと主人公がシンクロするであろう場面ですからね。
このあとに、ピュアッピュアな、はじめての心を通わせたエッチシーンを挿入してくるのもズルい。
俊希は、香織と共に最期をむかえることを決意しました。
香織に憑依してもらい、学校の屋上から飛び降り、一緒にあの世に行こうと提案するのです。
これから２人で飛び降りようかというタイミングで香織は言います。絶望して落ちぶれた自分も、親友に恵まれた自分も、優しい家族をもつ自分も、演劇の才能に恵まれた自分も、そのどれもが自分がもつ一面であると。１番大切なものが失われたとしても、生きてさえいれば残っているものがあったはずだと。
取り返しのつかないぐらい悪霊化した自分が、俊希によって救われたんだから、想いと努力しだいで取り戻せたり、新たに手に入れられるものがあったはずなんだと。
つまるところ、香織は、なにが言いたかったのでしょうか。それは、まだ生きている俊希たちは、諦めるのには早いということです。
香織は、自分が叶えられなかった想いを俊希と椎奈に託して、身を投げました。
自殺したときとは違い、穏やかな表情をして落下しているのが涙を誘います。
香織
「ごめんなさい。――――でも私、悪霊だから。最後まで悪霊のままでいいわ。」
２人一緒に身を投げるという約束を反故にして、１人で先立ってしまった香織。
最後まで悪霊としての矜持をつらぬいて消えたのは、彼女なりのケジメの付け方だったのでしょう。
屋上に取り残された俊希のもとに、椎奈が駆けつけます。
椎奈のすべてを背負おうとして潰れてしまった俊希。俊希に依存し、依存先がなければ生きていけない椎奈。
しかし、これからは、１人で抱え込まずに、２人で話し合い、支え合って生きていこうと約束をかわして物語が〆くくられます。
どうか、これからの俊希と椎奈が幸せに過ごせますように……。
凄くイイ話だとは思うんですが、やはり香織のやってきたことには引っ掛かりが残りました。
さまざまなカップルを不幸におとしいれ、親友の萌の精神を崩壊させたんですから。
それでもクリア後の余韻はよくて、良い作品だと思いましたね。
まとめ
ココがイマイチ
- 右クリックでテキストウィンドウが消去できない
- コンフィグ画面で「戻る」を押さないと戻れない
- 胸糞悪い展開アリ
ココがおすすめ
- エッチシーンが煽情的
- 平易で読みやすい文章
- 余韻の良い〆方をしている
- キャラクターデザインが良い
- エッチシーンとストーリー展開にシナジーがある
発売されてからこれまで、話題にしている人はあまり見かけません。ですから、隠れた良作だと評価しています。
エッチシーンとストーリーの両方を求めている人におすすめ。「憑依エロ」と「心が抉られるシナリオ」を楽しめますよ。
＼ ＳＨＡＲＥ ／