7,404文字
――青春、はじめよ?
恋愛、はじめまして(ASa Project) | |
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ジャンル ―― 恋愛ADV | |
発売日 ―― 2025年02月28日 | |
パッケージ版価格 ―― 9,000円(税込9,900円) ダウンロード版価格 ―― 9,000円(税込9,900円) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
![]() | ★★★★★ |
満足度 | |
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作品の紹介
今回は【恋愛、はじめまして】をご紹介します。公式略称は【恋はじ】です。
もう戻らない青春の日々に思いを馳せて涙をながす人。きらきらと輝いている若者を直視できない人。学生生活を満喫できずに後悔を抱えている人。青春を求めてやまない悲しき怪物 ―― 通称:青春モンスターに送る至極のキャラ萌えゲーです。

私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け?
- 青春モンスター
- 陰キャ or 元陰キャ
- 学園モノのキャラ萌えゲーが好きな人
- 明るくて楽しい掛け合いを求めている人
- テンプレから外れたヒロイン属性に惹かれる人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをしっかりと聞いて 17 時間ほどです。最初のエッチシーンまでは4時間ぐらいかかりました。
攻略情報
意中のキャラを選んでいけば、自然と個別ルートに入れるでしょう。攻略の順番は、お好みで問題ありません。 ヒロインの大半は青春の只中にいますが、天使ちゃんだけは少し引いた位置から見守っている、いわばプレイヤー側の視点に近い存在です。 そういう意味では、天使ちゃんのルートを最後に回すと、全体としての締まりが良くなるかもしれません。ちなみに、私の攻略順は『寧子→姫乃→恋丸→すみれ→紫→天使』でした。
システム
難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
普通 | なし | あり |
備考 | ||
- |
感想
どんなお話?
おい、嘘だよな!?
前作【コイバナ恋愛】にひきつづき、プレイ開始早々に男キャラが画面を占有します。
分かっている。大丈夫である。これからヒロインが出てくるんだろう?
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ほらね。言った通りだろうが。分かっているんだよ。私ほどの玄人ともなればね。
リアクションが薄いだと? 濃いだろ。めっちゃ濃いだろう。数クリックのテキストでここまでテンションを変えてリアクションを取る男は、私以外には居るまいな。
さて、なぜクラスメイトの会話から始まったのか ―― 。
これは、主人公の緒方伊織がクラスメイトの会話を傍から眺めている構図であり、青春とはかけ離れた立場にいることを示すため。
主人公は、誰とも言葉を交わすことなく、ひとり寂しく帰宅しました。
帰り道に彼は、木陰で寝ていた野良天使を見つけることに。
彼女は名乗ります――「きらりんハッピー天使ちゃん!」と。続けて主張します――「幸せハッピーで溢れる世の中にしたいの!」と。胡散くさい自称・天使ちゃんは、そのまま主人公のあとをついてきて、家に居着くことになるのでした。
ぼ、ぼぼぼ、撲殺天使!? ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~? 懐かしいな。20 年前ぐらいに見たよあのアニメ。よく見てみたらキャラクターデザインも『撲殺天使ドクロちゃん』に似ているぜ……。
―― 閑話休題 ――
こちらは残業続きで精神も体力も摩耗している社会人 ―― 通称:社畜と呼ばれる義理のお姉さま寧子さん。序盤の主人公は、天使ちゃんからチクチクと痛いところを突かれ続けるので、彼を全肯定してくれる癒やし要員としての役割をもったキャラクターですね。
天使ちゃんは、主人公に充実した青春を送ってもらうためのミッションを与えます。
天使ミッションその1 ―― まずは友達を作ること!
天使ミッションその2 ―― 初対面の女の子と話すこと!
なかなか勇気を出せない主人公は、天使ちゃんにケツをひっぱたかれながらも、小さな一歩を踏み出すことにするのでした。
図書室で読書をしていた物静かそうな女の子に話しかけたら、横からワンコが飛び出してきて「ガルルゥ」と威嚇されましたが、上々の成果を上げたと言えるでしょう。
どうにか「女の子と話すこと」は成功。しかし、もう1つの課題である「友達を作ること」はハードルが高い。
そこで主人公は、MMORPG にてフレンドを募集するという搦め手を使うことに。
この男、ソロプレイでレベルカンストまでやり込んでいる鉄人なのである。
無事にゲーム友達を作ることに成功しました。ちなみに左の女の子はヒロインですが、右の女の子はヒロインではありません。こんなにも可愛いのに。
このアバターを使っている人物を知って絶望していただきたい。私のように。
―― 閑話休題 ――
時間を持て余していた主人公は、コンビニでアルバイトをはじめます。
こちらは、主人公にとっての先輩アルバイターのすみれさん。ヤンキーのような風貌&口調ですが、性格は優しい女の子だと思います。
コンビニで働いていたら、モデルとして活動している有名人がやってきました。
この子は主人公のクラスメイトです。
主人公は周りと一切関わりを持っていなかった。そして、彼女は周りに一切興味がなかった。クラスメイトでありながら、お互いがお互いのことを知らないというオモシレー状況でしたね。
主人公は、コンビニのレジのところに置き忘れていった彼女のスマホを届けてあげます。
彼女は(ほぼ)初対面であるにもかかわらず、部屋にあげてくれるんですよ。
ちなみに体験版では、机のうえにビール缶が置いてあって、芸能人のくせに未成年飲酒をしている意識の低い女になっていました。さすがに製品版では修正されていたようですね。いや良かったですよ。1番のお気に入りヒロインなのに呑んだくれ属性だったら嫌でしたから。
―― 閑話休題 ――
ここまで説明をして、ゲームの方向性を理解していただけたでしょうか。少しずつ周りの人間と交流をもち、恋愛や友情を育んでいくストーリーです。
徐々に徐々に陰キャを脱して青春男になっていく恋愛コメディ。
あなたも最高のアオハルを味わってみませんか?
ヒロイン紹介
天使ちゃん CV:奏雨
本作を象徴するヒロイン。
主人公をサポートする特殊なポジションなのですが、天使ちゃんというよりも、怨嗟の言葉をまきちらす堕天ちゃん。他のヒロインは青春という荒波の渦中にいるものの、彼女だけは外から眺めている立場です。つまり、プレイヤーとシンクロしやすい立ち位置なんですよ。ここが本作の1番の特徴でしょう。はたして天使ちゃんは、これからの人生をヌルヌルとした社会の潤滑油ちゃんとして生きていくのか。それとも、彼女も青春と呼ばれる概念に手を伸ばすことになるのか。乞うご期待。
藍沢紫 CV:逢真井もこ
天然と計算のマリアージュ。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
うなさかさんが原画を担当されているので注目していたヒロインなのですが、想像の 100 倍ぐらい私にぶっ刺さりました。
彼女は、主人公と知り合ってからというもの、やたらと話しかけてくるようになり、毎回のように飲みかけのお茶をくれます。
彼女は最初、主人公がなぜドギマギしているのか理解していませんでしたが、次第にそれが「間接キス」になっているからだと気づき、納得します。そして、上の画像のように、からかうような小悪魔じみたセリフを口にするのです。
とにかく彼女はマイペースで、無意識にこちらを振り回してくるうえ、意識的にもこちらを振り回してくる。
顔が良くてスタイルも良くて、ふわふわとした雰囲気の彼女だからこそ許されるている性格。むしろ、可愛さを何倍にも膨れ上げている性格だと思うのですよ。
だって、そうじゃないですか。可愛い女の子になら振り回されたいですよね。相手の土俵に乗せられて、ペースを乱されて、ひたすらドギマギしていたい。
思い通りにならないからこそ、予想外だからこそ、心が動かされると思うのです。
心
か
他のヒロインと会話をしていたら割り込んできたり、共通ルートの段階で向けてくれる謎の極大感情。これだよ。これなんだよなぁ。
声優の逢真井もこさんによる、ゆるふわなボイスも素晴らしくマッチしていて、独特な言語センスが光る女の子でした。特に「寝落ちモチモチ」がめちゃくちゃ好きです。おそらく「寝落ちしちゃうまで電話すること」を表しているのだと思いますが。
もう少し紫のことを語りたいのでネタバレありで。
犬屋恋丸 CV:相模恋
可愛いの種類がおかしい。ワンコ系ヒロイン。
出会ったときこそ主人公に「ガルルゥ」と言いながら牙を向いてきたわけですが、懐くと可愛らしいです。女性にたいして「懐く」という表現を使ったのは、もしかしたらこれが初めてかもしれません。
犬そのものですね。99 %ぐらいワンコです。「子犬系ヒロイン」ではなくて「ヒロイン系ワンコ」ですよ。
美少女から「飼い主になってください!!!」と言われる特異な体験をしたい人におすすめのルートですぜ。
めちゃくちゃ可愛かったです。可愛かったですが、はたしてこの感覚は、異性に抱くものなのか小動物に抱くものなのかは不明。
風雅姫乃 CV:そらまめ。
ぼっちで陰キャの先輩。
お嬢様学校に通っています。小柄な体型ですが年上です。
涙目になりながら「ムキイイイイイ!」と悔しがるのがめちゃくちゃ可愛い。声優のそらまめ。さんのボイスがあってこそのキャラだと思いました。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。
ピー音が煩いのが気になりましたが、それ以外には大きな不満はありません。
私はフェラスキーとして常に主張していたのが「口元にモザイクをかけてはいけない」というもの。今までのアサプロ作品では、そこが不満だったのですよ。
今作では改善されていましたよ、素晴らしい。ブラボー。
こんなにも美しい藍沢紫の顔をハッキリと見ることができる。ただそれだけでエロいということです。
1番エロいと思ったお尻はこちら。お尻の描写が素晴らしいうえに、表情が生き生きしていて可愛らしい。そして、コンドームを活かしたをシチュエーションがあるのは、アサプロの独自色になっているように思いましたね。上の画像のばあい、最初はコンドームをつかうのですが、結局は生中出ししてしまうというシチュエーションでした。コンドームをめぐる攻防がエロさにつながっているんですよ。
また、サブヒロインの活かし方も上手いと思いました。見つかりそう&見つかってしまうシチュエーションが描かれていましたね。露骨に3Pフラグをたてていたので、これはファンディスクに期待しても宜しいのでしょうか。
その他
口癖継承システム
アサプロで八日なのかさんがライターを務めている作品は、過去作の言語をどんどんと継承していく謎の風習があって大好きですね。「ぷくぅ~」や「ほなまた」や「〇〇すれ」など、懐かしの決め台詞が登場するとテンションが上がります。
ついに「ぷくれる」という単語の明確な定義が示されて嬉しかったです。笑
脇役のエピソードも素晴らしい
特に男友達の章吾のエピソードが好きでした。
ノスタルジックなパロディネタ
「エンディングまで泣くんじゃない」という『MOTHER』のキャッチコピー。
「明日やろうはバカ野郎」という『プロポーズ大作戦』の決め台詞。
「誰か助けてください!」という『世界の中心で、愛をさけぶ』の有名シーン。
そして髪を切るシーンは『野ブタをプロデュース』を彷彿とさせました。
なぜか今回は、パロディネタにつかわれた作品が古めだったような気がします。
かつて熱中したゲームやドラマを思い出し、作者の意図とはズレた部分で青春にたいする欲求が刺激されました。笑
まとめ
ココがイマイチ
- ピー音が煩い
- 魅力的な攻略不可ヒロイン
ココがおすすめ
- オタクの心を抉る天使ルート
- 終始コミカルで楽しかった
- こだわりを感じるHシーン
- 恋丸という新機軸ヒロイン
- 藍沢紫がぶっ刺さった
- 主題歌が良い
以前、バニーガールヒロインを紹介する記事を書いたのですが、あえて紹介しないようにしたヒロインがいます。
藍沢紫です。ウサギの鳴き声ってなんだろうかと悩んだすえに、「ぴょこ?」と言い出すセンスがたまらなく好きでした。
「青春」という言葉になにか思うところのあるオタクくんには、ぜひともプレイしていただきたい一作ですね。
あなたも青春モンスターと化して、悶え狂いましょう。
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