8,510文字
世界は、もう一度だけ恋をする。
オトメ世界の歩き方(Orthros) | |
ジャンル ―― ディストピア世界女装潜入ADV | |
発売日 ―― 2024年10月25日 | |
パッケージ版価格 ―― 8,800円(税込9,680円) ダウンロード版価格 ―― 8,800円(税込9,680円) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★★★ | |
満足度 | |
作品の紹介
今回は【オトメ世界の歩き方】をご紹介します。公式略称は【オトメき】です。
以下、私がプレイ前に「購入報告記事」に記載した文章です。
知りてぇよ、知りてぇんだよ、教えてくれよ、オトメ世界の歩き方をよぉ。オトメ世界を歩きたすぎて、頭がおかしくなりそうだぜ。すぐ歩きたい。はやく歩きたい。今すぐ連れてってくれオトメ世界に。いったいどうやって歩くんだよ、オトメ世界は。
こんな狂ったテンションでプレイしはじめた私でも満足のいく作品でした。
どんな人向け?
- 女装主人公モノの作品が好きな人
- mignonさんのイラストが目当ての人
- SFモノ&ミリタリー要素が好きな人
- 先の展開が読みづらいストーリーに惹かれる人
- ディストピア世界でどう生き抜くのかという設定に惹かれる人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて 17 時間ほどです。最初のエッチシーンまでは5時間ぐらいかかりました。
攻略情報
選択肢はありません。攻略サイトを検索しないようにしましょう。
攻略サイトを見るとネタバレを食らうでしょうから。
システム
難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
簡単 | なし | あり |
備考 | ||
- |
感想
以下、コンテンツ利用ガイドラインに則って、スクリーンショットを掲載します。著作権は「Orthros」に帰属します。
どんなお話?
発売前から公式サイトで情報を調べていたものの、プレイするまではどんな作品なのか分かっていなかったんですよね。
プレイを始めた途端、なんだか殺伐とした雰囲気が漂っていました。
作中のモブキャラと同様に、思わず「……嘘だろ」とつぶやいてしまいましたね。
このシーンは主人公の過去回想です。本作に登場する男性は、戦地におくりこまれ、命を消耗していたのです。
こちらが現在の主人公の姿です。名前はユイ。可愛いですよね。しかし、付いているんですよ、チンコが。彼は「X染色体」と「Y染色体」をあわせもつ存在 ―― 通称「男性」です。もっとフランクに表現するならば「男」。もっと動物的に表現するならば「雄」。あなたの目にどう映ろうとも、正真正銘の男なのですよ。
現在、電車内に居るようですが、向かいに座っているのは義妹のヤエカです。
ユイとヤエカの目的地は『アカシア女子学園』という軍事訓練校。
ユイは、女装をして、この学園に入学することになりました。
オトメきは、かなり奇抜な設定のエロゲなんですよ。SF作品によくあるAI『マザー』によって管理された世界ですが、『男女隔離法』が施行され、キモオスは戦地におくりこまれ、女性優位の社会となっています。主人公は、女性のみの軍事訓練校に性別を隠して潜入することになるストーリー。
過激派フェミニスト思想というセンシティブな題材を扱っている作品ですね。
ご理解いただいていると思いますが、本作が謳うフェミニズムとは、従来の男女平等を示すものではなく、女性尊重主義のことでしょう。
そのような世界ですから、正体がバレたらさあ大変。問答無用で死刑になります。主人公のユイは、男性であることを隠して生き延びることができるのか。
ドキドキ☆ワクワクの学園生活がはじまるのです☆彡
登場キャラクター
片桐ユイ CV:歩サラ
本作の主人公。顔は可愛いけれど意外にも脳筋タイプ。
戦闘が硬直状態におちいったとき、命の危険をかえりみず、敵地に突撃しはじめます。
作中でユイは「突撃マニアの狂戦士」と呼ばれていて笑いました。
姫乃アカリ CV:松岡侑里
本作のヒロイン。
主人公と出会った瞬間、転んで顔面のうえに跨るというトラブリューな出会いをするエキセントリックなヒロインちゃん。パンツがおしっこ臭くてゴメンナサイと謝ってきて、思わず「マジかよ」と頭を抱えてしまいました。
若干ポンコツ気味ですが、明るくて優しくて良い子です。
守屋ミク CV:逢真井もこ
主人公たちと同室の先輩。
クーデレ系お姉さん。本作における私のお気に入りキャラクター。
藤堂リン CV:蒼乃むすび
主人公たちの小隊をうけもつ分隊長。
男勝りで勝ち気な性格にみえるが、意外にも可愛い一面があるのでヒロイン化を求む。
片桐ヤエカ CV:小波すず
主人公の義妹。
お調子者でナマイキな性格。鬼軍曹のリン先輩を相手にしても臆せずガンガン煽る程度にはファンキーな少女です。こっぴどく叱られてゴメンナサイと謝っている姿には愛しさすら覚えますね。ヒロイン化を求む。
オトメきの特徴
どういう方向に進んでいるのか分からないのが面白い
シンギュラリティに到達し、環境保護AI『ガイア』が、人類に牙をむいたことを発端に、人類VSロボットという構図となったのが本作です。
人類の知能を超越した存在に対抗するために、人類側もまたAIに頼っています。
人類とロボットとの戦いがくりひろげられるバトル作品だと思うじゃないですか。
しかし、思っていたのと違う方向に話は進みます。
主人公は『茶道部』に入部するのですが、この茶道部は、オタクの集まりだったのです。
過激派フェミニズム思想のもちぬしが集まった『浄化委員』という団体が登場するのですが、彼女たちは、男性が登場するマンガなどのオタクコンテンツを取り締まっています。
なぜか、茶道部の部室の畳の下には武器類が隠されている。
主人公たちは、オタクコンテンツを守る『表現の自由戦士』として、浄化委員と戦うのです。命をかけて。
このように、想像がつかない方向に話がゴロンゴロンと転がっていくので、ワクワクできるストーリー展開でした。
ぶっとんだ世界観設定がもつ豪快さ
主人公は、正体がバレないように風呂に入る時間をズラしてもらわなければなりません。
どういう方法を取ったのか分かりますか?
『ヒンニュー教』という、他人に肌を見せてはいけない宗教に入っていることを伝え、着替えやお風呂のときに1人になれるよう配慮してもらったのです。
狂った世界観と、力技でなんとかしようとする豪快さにより、「妖怪:ご都合主義ガー」の台頭を抑えることに成功しております。
また、このような作品ですから、オタクのなかでも相手にするのが1番面倒くさいイカれた種族「SFオタク」と「ミリタリーオタク」の出現を防ぐことにも成功しております。
つよい。つよすぎるぜ。
女装主人公作品としての面白さ
一般的な女装主人公モノの作品とくらべて、男バレするリスクがべらぼうに高い。
しかも、男性と女性のあいだには大きな確執があります。こんな世界だからこそ男女の恋愛ストーリーが映えるんですよ。
異性愛者の私は、本作をプレイしたことにより、やっぱり男性と女性が惹かれあう王道の恋愛ストーリーっていいよねと再確認できました。
わりと万人受けする作風である
これだけピーキーな世界観ですから、好き嫌いが分かれるでしょう。私も、日々SNSなどで目にする男女の論争には辟易していました。性差があるのですから、お互いの欠点を論ったところで仕方ないでしょうに。
ですので、本作も戦々恐々としながらプレイしてみたのですが、思ったよりも中立的な視点で描かれていました。過激派フェミニズムの思想にも一定の理解を示しつつ、間違っている部分は間違っていると指摘されています。
世界観設定から想像するほどには、思想の偏った作品ではありません。
評価が分かれる要素はある
以下、少しだけネタバレになるかもしれませんので悪しからず。
実は物語の最初のほうで、作品の根幹を担うテーマが示されているんですよ。本作は「生まれてきた意味」を見つける作品です。
つまり「敵対しているガイアのロボットを殲滅して人類大勝利!」みたいなクライマックスではないのです。ですので「無難なストーリー」と評する人もいるのでしょう。
あなたは、兵士の戦う理由をご存知でしょうか?
さまざまな機関の調査結果として、「国やイデオロギーのために戦っている」という回答よりも、「仲間を守るために戦っている」という回答が多かったことが報告されています。
この心理は「戦友愛」や「小グループの絆」という概念で説明されることも多く、兵士たちは戦場でのストレスや恐怖のなかで、お互いの安全や生存に大きな依存感を持つようになるんだとか。
想像のつかない「国」という概念よりも、隣にいる大事な「戦友」を守りたいと思うのは当たり前のことかもしれませんね。
何が言いたいのかというと、世界観設定のわりにはこじんまりとした部分がフィーチャーされた本作ですが、私は、それは当然の帰結だと思っています。つまり、本作のストーリーを評価しているのです。
ミク先輩のスパッツがエロい
ミク先輩のスパッツの立ち絵をみた瞬間「エッッッッ」と口走っていました。
スパッツを強調したお尻アングルのエッチシーンを用意して欲しかったのに……どぼじで……(´;ω;`)
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音なし。アナルモザイクなし。
Hシーン回想6枠。基本CG15枚。
シーン数は少ないものの、1シーンにつき2~3枚の基本CGが使われているので、満足感はそれなりにありました。
ネタバレになるので詳しくは語りませんが、1番最後のエッチシーンが性癖にドンピシャすぎて、生まれたての子鹿のように足がガクガクになりました。ヒロインのお尻がエロかったですし、シチュエーションが神でしたからね。
ありがとう。ありがとう。あのシーンを用意してくれてありがとう。
ネタバレ感想
ストーリーの根幹を担う重大なネタバレが含まれます。プレイ後にご覧になっていただければ幸いです。
私が本作のどういう部分を評価しているのかを記載しました。もしかしたら、大多数の人とは評価しているポイントがズレているかもしれません。
まとめ
ココがイマイチ
- エッチシーンが少ない
- 魅力的な攻略不可ヒロイン
ココがおすすめ
- 狂った世界観
- ハーレム感がある
- グラフィックが美しい
- 主人公もヒロインも可愛い
- 予想のつかないストーリー展開
あれやこれやと本作を好きな理由を語りましたが、ぶっちゃけイラストだけを目当てにしてもお釣りがきます。笑
世界観設定に惹かれた人や、キャラクターデザインに惹かれた人は、ぜひともプレイしてみてくださいませ。
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