【Scarlett ~スカーレット~】の感想

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【Scarlett ~スカーレット~】の感想

2017年2月14日 古城

6,094文字

 

 

日常の中にある非日常、その境界線を越えた時―。

Scarlett ~スカーレット~

パッケージ画像

公式ジャンルアドベンチャー
メーカーねこねこソフト
発売日2006年05月26日
通常価格8,800円(税抜)
パッケージ購入駿河屋・DMM.com・Getchu.com
ダウンロード価格3,519円(税抜)
ダウンロード購入DMM.com・DLsite.com・Getchu.com

  【ゲーム属性グラフ
ゲーム属性:シナリオゲー

シナリオ片岡とも、木緒なち
原画秋乃武彦、あんころもち
音楽I've、Elements Garden、Blasterhead、MANYO、Barbarian On The Groove、猫野こめっと、Dreaming Rabbit、Ebi、SENTIVE

おすすめ度:★★★★★


知名度:
ストーリー
テキスト
キャラクター
演出:7
システム:7
ゲーム性:7
CG:7
Hシーン:5
BGM10
主題歌


ポイント:ハードボイルド、感動、フルプライス、ディスクレス起動不可


満足度:85


 

 

 

作品の紹介

 

 

【あらすじ】

どこにでもいる学生だった主人公の「明人」。
なんとなく過ぎる毎日に、何かを変えたいと、学校を中退し目的もなく旅行に出る。

そして、沖縄を旅行中に偶然知り合った、謎の多い少女「しずか」。

その出会いをキッカケに、今まで憧れに過ぎなかった、非日常の世界へと
明人は足を踏み入れていく―。

 

 

当時の「ねこねこソフト」は解散宣言していたので、最後(だったはず)の作品です。

ワクワクして、熱くなって、ジーンときて、爽やかな読後感の素晴らしい作品です。

 

 

「最後だからやりたいようにやろう」という意気込みと、ユーザーへの感謝の気持ちがたくさんつまった一作。

あなたもいかがですか?

 

 

私が持っているのは初回版です。

所持証明

「ねこファンブック」というScarlett(解散)までの、ねこねこソフトの軌跡を辿ったファンブックがついています。

 

 

ページの最後には、今までお世話になったユーザーさんへの感謝の言葉がつづられた後、「…たまには思い出してくれると嬉しいです。」という一文で締められていて、グッとこみ上げてくるものがありました。

 

 

パッケージのタイプ

このようなタイプの箱は今では珍しいですね。

 

 

サウンドトラック

予約特典のサントラ! こちらも最高です!

 

 

 

どんな人向け?

 

 

・先が気になるような物語が見たい人

・複数の視点ですすむ物語が見たい人

・非日常の世界に憧れがある人

・ねこねこソフトのファン

・読後感の良い作品を探している人

 

ねこねこソフトのファンは「おまけ」もたくさん入っているので “買い” です。

そうでない人も、ワクワクしたり、ジーンとくるものを求めているならばオススメします。

 

アニメでいったら【BLACK LAGOON】は「派手な銃撃戦」が見どころの一つですが、この作品の場合は、うってかわって「地味な諜報戦」が見どころとなっています。

 

一見すると似たようなハードボイルドな世界観を連想されるかもしれませんが、地味ながらもワクワクさせられて、心暖まるような物語になっているのです。

 

 

 

ストーリーについて

 

 

日々の平凡な生活に嫌気がさし、「非日常」を求めていた主人公の明人

彼は、この物語における「日常」の象徴です。

 

 

そして、裏社会で暗躍する権力者「高級諜報家(スパイのようなもの)」である、もう1人の主人公の九郎

彼は、「非日常」を生きる人間です。

 

 

けっして交わることがないはずの「日常」と「非日常」が、交わりあい紡がれる物語。

そう……この物語は、複数の人間の視点で進んでいくのです。

 

 

この作品は、ストーリーが章仕立てになっていまして、全4章あります。

各章とも違ったおもしろさがあります。

 

 

そうして最後には、物語がキレイに収束していったのは、「見事」の一言。

 

 


・どうでもいい小話

たまに昔の感想サイトを見にいくんですが、一人称が「漏れ」だったりとか、一人称が「拙者」で「〇〇でござる」口調だったり、ちょっと前のオタクは濃い人が多かったな~と痛感します。笑

今でも濃い人はいますが、ライトなオタクやファッションオタクが増えていますからね。

そう考えると昔は、Scarlettの世界と同じくらい「一般人 (日常) 」と「オタク (非日常) 」の壁が、すごかったんですね。笑


 

 

 

・攻略

 

 

プレイ時間:本編10時間くらい、おまけ5時間くらい

 

 

1ヵ所BADENDの選択肢があるだけですので、攻略は難しくないです。

(章の終わりにタイトル画面に戻されたら「START」から新しいチャプターを選択してください)

 

 

CG回収を考えるならば、攻略サイトをご覧ください。

 

 

1周でCGを埋めたい、サクッとプレイしたいという人はこちら

文章の差分もチェックしたい人はこちら

 

 

※注意

【次のチャプターに進みますか?】の時に【はい】を選びましょう。

【いいえ】を選ぶとチャプター選択画面になるのですが、あらすじが見えてしまうので軽いネタバレになります。笑

 

 

残りのCGは「おまけモード」で見られます。

おまけモードは、ねこねこソフトの過去作をやっている方が楽しめます。

 

 

 

・パッチ

 

 

男性ボイス追加パッチ
(クリックでダウンロードページへ)

男性ボイス追加パッチを当てることを、ぜひともオススメしたいです。

むしろ、必須レベルです。

(ちゃんと、Hシーンの男性ボイスをオフに設定できますよ)

 

 

男性ボイス追加パッチは、以前の差分の修正内容も反映されてますので、これだけ当てればオッケーです。

 

 

 

テキストについて

 

 

1~3行で書かれています。

それほど難しい漢字や表現はなかったです。

 

 

よくScarlettの感想で、「映画を見ているよう」という表現をされますが、どうしてだと思いますか?

私は、「一人称視点」であるにも拘わらず「内面の描写が少なめ」だからだろうと考えます。

それは、複数のキャラクターの視点を、切りかえてすすむ物語なので、必要なことなのだと思います。

 

 

内面の描写が少なめなのに、その人物の感情が見てとれるような上手なテキストでした。

 

 

緻密な心情描写が好きな人や、切り変わる視点が苦手な人は、合わない恐れはありますが、丁寧で読みやすい文章であることは確かです。

 

 

 

キャラクターについて

 

 

この項目はネタバレがあります。

次の項目(演出について)へ飛ばす人はこちら

 

 

別当・和泉しずか・スカーレット CV:籐野らん

しずか

通称:しずか

九郎の妹。

職業:学生
性格:微ツンデレ(兄に対しては甘えた)
特技:ハイテク関係・語学
運転技術はかなりの乗り物をマスターしている
スペック:153cm 82/56/81
趣味:ガ○プラ

 

 

ゴットゥーザ様ボイスさいこーです。

最初はクールな雰囲気を出しているのですが、実際には甘えたがりの女の子。

 

 

そして、もう帰ってこられないかもしれないにも拘わらず、明人のいる無人島に駆けつけたのは格好良かったです。

しずか「私のほうが、ずっと好きだったんだから…」

「私のほうが好き」とか「俺のほうが好き」とか言い合うシチュが好き!

 

 

 

葉山 美月 CV:まきいづみ

美月

国籍:日本

九郎とは古くからの知り合い。

職業:公務員
性格:冷静・現実的
特技:情報収集・操作

 

 

まきいづみさんのハマり役。

自分の年齢を気にしていて、

美月「セーフ、ギリセーフ…」

と、しきりに自分を励ましている姿が可愛かったです。

 

 

ずーっと九郎のことを追っかけている一途さには脱帽でした。

美月「ねえ知ってた? わたし今年でもう32よ」

美月「ホント、誰かさん追いかけてたら、
   いつの間にかこんな歳になっちゃってさ」

美月「今更、良い人なんて現れそうにないしね~」

美月「ほら、わたしくらい付き合ってやらないとさ、
   あなた、泣いちゃうでしょ?」

九郎「ばか…泣かねえよ」

美月「あはは、ま、古い付き合いだからね、しょうがないわよ」

  そう言って明るく笑ってくれた。

  酒に弱く、唯一タメ口を叩く、
  元世間知らずのお嬢さんで、20分の1の候補外…

  それでいて…最も俺の傍にいる人間だった…

 

 

 

アメリア・ウィークス CV:夏野こおり

アメリア

国籍:スイス
職業:無職
性格:素直で優しい。微ぽんこつ。
特技:コンピュータ関連
スペック:159cm 88/58/87
趣味:投稿・掃除

 

 

今作はこの子が「ポンコツ枠」であるようですが、その実、めちゃくちゃ有能です。

この子なしでは、乗り越えられなかった困難な場面が多かったのではないでしょうか?

 

 

九郎に、「日本のことを知っているか?」と聞かれていましたね。

アメリア「えーと、確かアニメとハイテクの国ですよね」

……うん。その認識であってるよ。

 

 

 

大野明人

明人

主人公。

代わり映えのしない日常に退屈していて、ひたすら「非日常」というものに憧れを持っていた、中二病極まりない少年。

でも17歳で1人で旅しているのは凄いですよね。

 

 

「非日常」の世界へ踏み込んでからは、感覚が徐々にズレていきます。

しずか「明人もナマイキなこと言うようになったもんねぇ」

   …ナマイキだと言われてしまった。
   ごく当たり前のことを言っただけなんだけど。

こんなやり取りからも読み取れます。

そのズレていく感覚はなんだか面白かったです。

 

 

そんな明人くんですが、

島で、しずかと2人で過ごしてからは、臭いセリフを吐きまくりでした。笑

 

 

そして

九郎「…ベレッタか、しずか…どちらか選べ」

       ~中略~

明人「九郎さん…しずかです…もちろん」

躊躇なくそう言い切ったのが、とても格好良かったです。

 

 

 

別当・和泉九郎・スカーレット

九郎

主人公その2。

真の主人公と言っても過言ではないと思います。

FF12で言ったら、明人がヴァンだとしたら、九郎はヴァルフレア。

格好良くて、素晴らしい活躍ぶりでした。

 

 

作中の最後。

干渉することのない「日常」と「非日常」の人間として、袂を分かった「明人」と「九郎」。

そんな折、3年越しに再開するシーンは、作中屈指の名シーンでした。

 

 

九郎「おまえ…だれだ?」

(もしかして僕のこと忘れてるのかな?)と思い、

自分のことを必死に説明する明人。

しかし、

九郎「もう…気が済んだか?」

と一蹴されてしまいます。

 

 

別れ際、背中を向けた明人に、突然声をかける九郎。

九郎「…お前…ケーキ好きか?」

明人「え、ええっ…あ、はい…?」

九郎「じゃあ、記念にやるよ」

  そう言って僕にケーキの箱を手渡してくれる九郎さん。

明人「…あのう、これは…?」

九郎「まあ、一人じゃ食いきれないだろうから、

   家にでもお土産にしてくれよ」

九郎「それじゃあ……」

九郎「…元気でな……明人…」

 

 

 

レオン・ハイルマン

主人公その3。

レオンのエピソードは、

大切なものを失ってしまい、もう失わまいと躍起になって、今ある大切なものを疎かにしてしまう……というなんとも切ない話でした。

 

 

そうして最後には、疎かにしていたはずのものに救われる……

レオン

切なくも、美しいエピソードです。

 

 

 

ナセル

ナセル

CVは、みんな大好き阿良々木くん。

フリーの諜報員という立場上、主人公たちと敵対したり、時には協力したりと、なんとも面白い関係性でした。

 

 

 

別当・和泉八郎・スカーレット

八郎

CVは、みんな大好きアナゴさん。

若かりしころの話とか、もっと見てみたかったです。

 

 

 

演出について

 

 

チャプターごとにあらすじを見られるのですが、テンポが悪くなると感じる人もいるでしょうが、私は好きです。

 

 

 

システムについて

 

 

大きな不満はありません。

強いて言うなら、右クリックでウィンドウ消去したあと、また右クリックを押すとメニューが出てくるのが若干不満だったくらいです。

スキップは、速くて快適でした。

 

 

「辞書システム」

辞書システムに関する説明

作中に出てきた言葉の補足をするシステムです。

右にあるマークが光ったら辞書に新しい単語が追加されます。

 

 

辞書システムに関する説明2

その単語の「説明」や「薀蓄(うんちく)」を見ることができます。

 

 

辞書システムに関する説明3

中にはネタに走っている説明も。

 

 

全体的に、とても分かりやすい説明でした。

物語を読み進めたくなるシーンや、邪魔をされたくないシーンにはでてきません。

そういう気遣いが、とても上手でした。

 

 

 

ゲーム性はあるか

 

 

ノベル系アドベンチャーゲームです。

 

 

 

CG

 

 

サンプルCG

印象的なシーンでの、「アオリ」の構図が上手かったように思えます。

 

 

サンプルCG2

「嘘パース」によって、迫力が上手に出せていました。

 

 

車のCG

車の疾走感もけっこう好きです。

 

 

 

Hシーン

 

 

フェチ:どっちも

しずか1

しずか2

しずかはお尻がエロかったです。

 

 

アメリア1

アメリアは横乳がナイス!

 

 

美月1

プレイ内容は至ってノーマルな和姦セックスです。

 

 

Hシーンは全体的に短いです。

卑語なし。BGVなし。

 

 

ぶっちゃけ実用性はないのですが、HなCGが見られただけでもなんだか満足でした。

Hシーンは洋画のラブコメみたいに、物語に必要なちょっとしたスパイスになっていたんだと思います。

 

 

シーン数は

しずか、美月、アメリア、イリカ_1

 

 

 

BGM

 

 

ボサノバ調のリズムやベースパターンやコードが、格好良さ、渋さを醸し出しています。

なんともまあ、それが作品と絶妙にマッチしているんですよ。

 

 

複数の人に音楽制作を頼んでいるにも拘わらず、統一された世界観を表せているのがまた素晴らしいです。

 

 

カッコイイだけじゃなくピアノやアコースティックギターでの切ない曲も魅力的です。

 

 

好きな曲を挙げようと思ったのですが、たくさんありすぎて決められないです。

 

 

 

主題歌

 

 

・OP

Escarlata / 木蓮

スペイン語(?)の女性ボーカルとヴァイオリンを掛け合わせた曲。

BGMとの親和性もあり、作品の雰囲気を壊すことのない、良いチョイスだと思います。

 

 

・ED曲

loose / KOTOKO

いつものI'veとは一味違った雰囲気の曲です。

しっとりとしつつも、非常に爽やかな曲でした。

 

 

 

その他の要素

 

 

・CGギャラリー、音楽鑑賞があります。

 

 

・クリア後にSTARTに「おまけ」と「キャラクター紹介」が追加されてます。

おまけの内容ですが、本編後のちょっとしたエピソードです。

~わたしを海に連れてって 2006~

「わたしを海に連れてって」って……元ネタ分からん人多いやろ!

 

 

・毎度恒例ですが、おまけモードが非常に充実しています。

おまけモード・FINAL

サナララ関連が少し多めなので、事前にプレイしておくといいかもしれません。

 

 

「コメント」では、ねこねこソフトとの付き合いが深い声優さんたちが、思い思いのコメントをしているのですが、それがなんとも切なくて涙なしでは語れません

「スタッフルーム」では、スタッフの思いの丈が語られています。

 

 

「おまけモードFINAL」だけでもめちゃくちゃ容量があるので、ねこねこソフトのファンにはぜひともオススメしたいのです。

 

 

 

まとめ

 

 

比較的短くて、サクッとプレイできます。

熱中度が高く、心に残る作品だと思います。

気になった方はぜひともプレイしてみて下さい!

 

 

 

パッケージ版

 

駿河屋で「Scarlett」を検索。

 

DMM.com→Scarlett 初回版

Getchu.com→Scarlett~スカーレット~ 通常版

 

ダウンロード版

 

DMM.com→スカーレット【美少女ゲームアワード2006 BGM賞 受賞】

DLsite.com→Scarlett ~スカーレット~

Getchu.com→Scarlett~スカーレット~ 通常版

 

 

 

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