エロゲ界隈は、荒れ果てた大地である。
BETAと呼ばれる人類共通の敵が差しせまっているにもかかわらず、人間同士で争いあっているマブラヴのような世界観。それこそがエロゲ界隈です。
今日も今日とて、なにやら議論が起きていたらしい。
という主張にたいして様々な意見が寄せられていました。
この手の議論はいつも、各々が考える「言葉の定義」が違うから意見が分かれるのでしょう。まずは「国語力」とは何かを考えなければなりません。
国語力とは
「国語力」とは「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」「国語の知識」「教養・価値観・感性等」で構成される、日本語を運用する総合的な力を意味します。
――『Benesse』より引用
国語力とは、表現力、読む力、想像力、俯瞰力、探究力の5つが融合した力である。
――『日本国語力育成会』より引用
それぞれの定義に微妙な違いはあるものの、概ね共通しているのが、日本語の読み書きをするときに必要となる力が「国語力」というもの。
読書効果について
つぎに、読書の効果について考えてみましょう。
活字を読むことのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
- ストレスが解消される
- 脳が活性化する
- 想像力が磨かれる
- ボキャブラリーが増える
- 文章力が上がる
- 読解力が高まる
- 知識・教養が向上する
- 視野が広がる
――『STUDY HACKER』より引用
- 会話力や文章力の向上
- ボキャブラリーが増える
- 教養や知識が身につく
- 想像力が豊かになる
- アイデアが得られる
- 色々な話題を話せる
- ストレス解消
――『Gakken』より引用
私の調べた範囲では、「国語力」とよばれる能力が高まる効果があるといえます。
エロゲーマーの意見
それでは、エロゲをプレイすると国語力が上がるのかどうかについて、エロゲーマーたちはどのように主張しているのでしょうか。
ザーッと意見に目を通したところ、国語力が上がると答えた人は、実際に自分の国語力の向上を感じている人。
一方で、国語力が上がらないと答えた人は、自分の国語力の向上を感じていない人。あるいは、周囲のエロゲーマーの国語力の向上を感じていない人でした。
かつて、中国出身のイラストレーターのさよりさんは、「日本語はエロゲで覚えた」と豪語されていました。エロゲで国語力が向上した一例といえるでしょう。
さよりさんが原画のコメディチックなハーレム系ヌキゲー
ポンコツアクマっ娘エロコメディADV
エロゲの文章について
こういう議論において、エロゲの文章の良し悪しを語る人がいますよね。
やたらと小説を高尚なものとして持ちあげ、エロゲやライトノベルの文章を馬鹿にする人をチラホラ見かけます。
稚拙な文章のエロゲが存在するのも確かでしょう。しかし、形式やジャンルのちがいに価値を見出すのはおかしいと思うんですよね。
文学作品の価値は「形式やジャンル」で決まるものではなく、「読者に与える影響やメッセージ」「キャラクターの深み」「ストーリーの構造」などで評価されるべきです。ライトノベルやノベルゲームも多くの読者に感動や洞察を与えることがあり、それらは、高尚な(笑)小説と同様に文化的価値を持っています。
文学の定義は時代とともに変わってきました。過去には、推理小説やSFも「高尚でない」とされていましたが、今では文学の一部として広く認められています。ライトノベルやノベルゲームも同様に、創造的な表現の形として評価されるべきです。
いずれはエロゲが神格化され、100年後ぐらいには、エロゲを経典とした謎の軍団と、地球連合軍との戦争がおきる可能性も0ではないでしょう。
あなたは、小説、ライトノベル、ノベルゲームの文章のちがいを言葉で表現できるでしょうか。単に、形式やジャンルにとらわれているだけではないでしょうか。
ノベルゲームのライターをしていた桜庭一樹さんや、エロゲ雑誌のライターをしていた馳星周さんが、有名な文学賞である直木賞を受賞して話題になりました。
どの媒体で活躍している人であっても、そこに貴賤はないと思います。
たしかに酷い文章のエロゲも見かけますが、一括りにして語るのはおかしいでしょう。
エロゲでしか見られないクソキモ文章が面白い作品
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私見
ここまでに挙げた材料をもとに、私の結論を発表させていただきます。
エロゲをプレイすると国語力が上がるのかどうかは、
人によります。
考えてもみてくださいよ。スポーツをするときに、メキメキと上達していく人もいれば、あんまり上達が見られない人もいる。
同じ時間、同じ内容の授業をうけても、身につく人と身につかない人がいる。
元芸人の島田紳助は、野球の練習を例にあげて以下のように主張していました。
なにも考えずに100回「素振り」した人と、1回1回、仮想相手の投げる球をイメージして「素振り」した人だと、同じ回数の「素振り」をしたとしても練習の効果がまるでちがう。小さいことの積み重ねが、やがて大きな差となってあらわれると。
エロゲでもそうですよね。自分の知らない漢字や単語がでてきたら、しっかり調べて覚えるようにすれば語彙力がふえます。
テキストを読んで、情景をイメージすることで、想像力を養うこともできます。
感想をブログなどでアウトプットすれば、自分の考えを言語化する力や、文章力、発信力が上がっていくでしょう。
つまり、国語力が上がるかどうかは人それぞれです。
国語力が上がったと感じる人もいれば、上がったとは感じない人もいます。ですから、無闇矢鱈に相手の意見を否定するのは違うと思うんですよね。だって、どちらの意見も正しいのですから。
少なくとも、まったく活字を読まない人よりかは、国語力が上がると思いますけどね。
まあ、そんなことはどうでもいいから、今すぐブログを開設しようぜ!
ブログの執筆をつづければ国語力が上がるはずだし。笑