作品ごとのリアリティラインと、好き嫌いは別の話だということ

©吉岡平/角川書店・タイラープロジェクト

PRを含みます 管理人の見解

作品ごとのリアリティラインと、好き嫌いは別の話だということ

古城

皆様ごきげんよう。古城です。

前回の記事では、特定のシチュエーションを受け入れられるかどうかの話をしました。

その記事に限らず、何か主張をすると例外を持ち出されることがあります。「作品によります」とか「人によります」とか。分かっていますよ。私だってそこまでバカじゃありません。とある主張が全てのパターンに当てはまる訳ではないのは当然のことでしょう。

もしも私が釘宮理恵ボイスのヒロインなら「うるさい、うるさい、うるさい」と一蹴しているところですが、もう少し冷静に文章化してみましょうか。

寛容なエロゲーマーになってきた気がする……

続きを見る

たとえば私は、「据え膳食わないフニャチン野郎」が嫌いだと主張しました。しかし、これにも4つの方向性があると思うんですよ。

リアリティライン

創作作品にはリアリティラインが設定されています。その作品が現実的かどうか。どこまで不可思議な現象が起きて良いのか。リアリティラインがブレている作品は、設定に納得できず、ご都合主義に感じてしまうことでしょう。

作品によっては非現実的な設定が用意されていることもあります。たとえば「結婚した相手以外と性行為を行ってはいけない」という決まりがあったとしたら、据え膳食わないフニャチン野郎こそが正しい世界だと言えますね。

他の要素との兼ね合い

据え膳食わないフニャチン野郎だとしても、他の要素が魅力的ならば好きなキャラクターになる可能性もあります。友人だろうが恋人だろうが、嫌いな部分があっても、それを上回る好きな部分があるからこそ関係が続いているのでしょう。当たり前のことですよ。

納得感の有無

主人公が一貫して「誠実」な人間として描かれていて、ストーリー展開的にヒロインに手を出すのが憚られる状況だったとしたら、据え膳食わずとも受け入れられると思います。

好き嫌い

どのような設定だろうが、納得できようが、好き嫌いの感情はそれとは別ということ。

作品ごとのリアリティラインと、好き嫌いの話は別だよね。たとえば、いくら納得できる描写がされているようと、どうしてもバッドエンドを受けいられない人だっているわけだし

つまり、好き嫌いの話をしているだけなのに、例外の話を持ち出されると困ってしまうのです。あなたにも「好きな異性のタイプ」があると思いますが、実際に交際や結婚をする相手は、条件に当てはまっていないことも往々にしてある。だったら「好きになった人が好き」という答えが最適解になりますよね。みんながみんな、そんなありきたりな発言をするのはツマラナイってことですわ。

作品の楽しみ方を見極めよう

私が先ほど挙げた4つの項目を意識することで、レビューを書くとき、他人に作品を紹介するとき、自分自身が作品を楽しもうとするときにも役立つはず。

1993年に放送されたアニメ『無責任艦長タイラー』を例に挙げましょうか。

無責任艦長タイラー

このアニメのジャンルは“スペースオペラ”。科学性に重きをおいたハードSFではありません。本作では『地球』と『神聖ラアルゴン帝国』が戦争状態にあるものの、ほとんど戦闘が起こりません。それもそのはず。本作はどうやら「不戦」をテーマにしているらしいのですよ。

無責任な発言や行動をくりかえす主人公“ジャスティ・ウエキ・タイラー”の底知れなさやスケールの大きさに、段々と心を奪われていく。そこが魅力的な作品だと思いました。

■リアリティライン
 →トントン拍子に成功するサクセスストーリーであり、科学的なリアリティを重視したSF作品ではない。

■他の要素との兼ね合い
 →主人公の無責任な発言にはイライラするが、次第に彼の「図太さ」や「器の大きさ」に惹かれる。

■納得感の有無
 →主人公が無責任な発言をくりかえすことについては、一貫した人物像として描かれている。

■好き嫌い
 →好き

戦争のドンパチや、ハードSFが好きな人には合わないものの、主人公の人間性を描いている作品だと理解して観れば楽しめるかもしれません。

 

【ディメンション凸ラバーズ!!】のパッケージイラスト

エロゲの話題も挙げましょうか。今年ブームが起こった【ディメンション凸ラバース!!】では、ストーリーの整合性以上に、ノリや勢いやキャラクターの魅力が押し出されていたように思います。このように、その作品がどのような人に向けて作られているのか、自分の好みに合致しているのか、そういうところを見極めることで、楽しめる作品が増えるのではないでしょうか。

-管理人の見解