大人気バスケットボール漫画『SLAM DUNK』を映画化した作品『THE FIRST SLAM DUNK』見に行きました。
本作は、上映前に批判にさらされていたんですよ。
たしかにアニメ版の声優ではなく、新規キャストを起用するなら、予め告知したほうが良かったですよね。
こういう批判ならまだしも、クソどうでもいいネガティブキャンペーンをしている人もいました。
しかし、見に行った感想としては以下のとおり。
- 文句なく面白かった!
- 思ったよりも新規声優に違和感がなかった!
- リアルなバスケの試合を見ているような臨場感がある!
さて、この映画をみる前提条件なんですが、「 SLAM DUNK を読んだことがある人じゃないと楽しめない 」ということが挙げられると思います。
なぜなら、キャラ紹介は一切なくて、原作でも1番の盛り上がりをみせる試合にフォーカスしているからです。
もう1点注意が必要なのは、「 原作の内容にオリジナルストーリーが追加されている 」ということ。
原作の忠実な再現を求めている人は回れ右。原作とはまた違った魅力の作品を求めている人におすすめです。
以下、少しだけ内容について語ります。
見に行くつもりがあるなら、スルーしたほうがいいかもしれません。
映画では、まさかの宮城リョータが主人公のようなポジションになっていました。
私はリョーちんが作中で1番好きだったんですよ。だから嬉しい誤算でしたね。笑
SLAM DUNK といえば、天才の物語だと思っています。
というのも、主人公の桜木花道は、バスケ歴4ヵ月で全国区の選手に成長しています。
身長は190cm近くあり、フィジカルに恵まれている。
間違いなく天才的な才能をもつ主人公だと思います。
それに対してリョーちんは、身長が168cmと小柄。
そして映画では、才能にあふれる兄と比較されたり、なかなか上手く活躍できずに苦しんでいる描写がありました。
もちろん「神奈川県内でも5指に入るガード」と称されるぐらいには実力のある選手です。が、天才かと問われると、そうじゃないんだと思います。
そんなリョーちんを主人公にしたことで、どのような印象を抱いたかというと、
- 努力を重ねて這い上がっていくサクセスストーリー
- 選手を見守る家族の視点
- 天才との比較
が描かれていたと思うのです。
原作を読んでいるときは、選手とともに戦っているような気分にさせられました。
が、映画をみていると、選手を見守っている家族・友人のような気分になるのです。
桜木花道が主役じゃなくなったことにより、
彼のハチャメチャな動きを、より客観的にみることができて面白かった。
ちょっと視点が変わるだけで、ここまで印象が変わるのかと思いました。
天才と凡人の対比でいうと、沢北栄治の存在は重要です。
沢北は、山王工業高校のエースをつとめる「高校No.1プレイヤー」と言われる選手。
何度も辛い経験をして、挫折をあじわってきたリョーちんは、最後まで諦めることなく山王と戦い勝利をつかんだ。
それに対して沢北は、はじめて敗北の悔しさを知るのです。
映画の最後にはリョーちんと沢北が、アメリカにて敵チーム同士として試合をするところでエンディングに入りました。
天才ではないリョーちんが、天才である沢北と同じ舞台に立っているんですよ? 激アツすぎませんか!!?
以上のことから、映画版の SLAM DUNK が原作とは違った視点で描かれていたことは明白です。
マンガやアニメの SLAM DUNK から、もう何年も経っています。
歳を重ねることで、新たな見方ができるようになった作者が、新たな見方ができるようになった読者へおくったプレゼントのような作品だと思いました。
それでは改めて、本映画にたいする感想をまとめます。
- 声優の変更に違和感はあまりない
- 試合開始の演出からしてカッコよかった
- リアルなバスケの試合を見ている感覚になる
- 画面端に映っている選手も細やかに動いていて楽しい
- 原作とは違った視点の物語になっている
- 欲しかったシーンやセリフが入っていた
- リョーちんの境遇に胸をしめつけられた
ストーリー内容についてばかり話しましたが、3Dだからこその「リアルな時間間隔」と「細やかな動き」により、映像作品としても面白いものに仕上がっていました。
まだ見ていない人には、ぜひともおすすめしたいです。
もちろん原作から省かれているシーンがありますが、そんなもんは家に帰ってからマンガを読み返せばいいのです。
余談ですが、映画を見に行くと「ビジュアルカード」が貰えます。
裏側のQRコードを読みとってアプリをひらき、表のイラストをカメラにおさめると、キャラが動きはじめます。ぜひとも試してみてください。