行こう行こうと思ってなかなか見に行けなかった【君の名は。】を、やっと見ることが出来ました。
公開から日にちが経っていることもあり、座席がけっこう空いていたので快適に見ることが出来ましたよ!
普段アニメはたくさん見ているけれど、アニメ映画は久しぶりに見た人間の一番の注目ポイントとしては
やっぱり迫力満点の「音」と、圧倒的な「映像」の美しさにありました。
もちろんストーリーの評判の良さも聞いていたので、そこも楽しみにして行きました。
そうして見た結果……
「最高品質の美しい映像と迫力のある音」を存分に堪能できましたよ!
演出において、今や新海誠監督の上に立つ人はいないのではないだろうか、と思ったほどです。
「minori」でOPを作っていた時代から知っている人などは感無量でしょうね。
ちなみに私が新海誠を知った作品は「はるのあしおと」です。
それではストーリーについて触れていきます。
ネタバレがありますので注意。
あらすじとしては
まず、田舎町で暮らしている女子高生の「三葉」と、東京で暮らしている男子高校生の「瀧」の中身が入れ替わってしまいます。
その後、お互いが入れ替わりに気付いて、携帯のダイアリー機能やノートを使ってやり取りをしていくうちに2人は惹かれあっていきます。
ある時ピタリと入れ替わり現象が起きなくなります。
もう一度三葉と会いたい瀧。
彼は入れ替わりの時の記憶(風景)を頼りに三葉に会いに行ってみます。
そこで三葉が住んでいたはずの町がなくなっていることを知ります。
そしてーー
んー、あらすじを書くのって難しい。
こんな感じでしょうか。
まず新海監督に謝らなくてはならないことがあります。
新海監督はハッピーエンドよりもビターエンドを好むイメージがあったので、どうせ最後は「すれ違って」ほろ苦い感じで終わるんだろうなと思っていました。スイマセン。笑
終盤なんども「意味ありげにすれ違っている描写」があって「アレ? もしかしてハッピーエンド?」とそこでやっと勘づきました。笑
(でも、冒頭でニケツしているテッシーとサヤカを見て「こいつら将来くっつくんだろうな」と思った私のカンは当たっていました!)
ではでは、気を取り直してストーリーについて。
とにかくこの作品は、「この先どうなるのだろう」と思うような続きが気になる展開が続き、飽きることなく最後まで見続ける事ができました。
この作品で真っ先にすごいと思ったポイントは
・三葉と瀧の言動や仕草で、今どちらがどちらの中にいるのかが明確で分かりやすかった。混乱せずに見れた。
・二人の性格だけでなく、全く違った生活をしている二人の対比が面白かった。
・「入れ替わり」と、「時間軸の交差」、「現実の改変」という3つの要素を織り交ぜられていた。
・「記憶がなくなっても、誰かを探しているという思いが残っている」という展開はとてもキレイだった。
ということです。
なんていうかコレ、設定勝ちでしょ!? 笑
もうこの設定だけでも凄く面白いと感じます。
そして三葉がとてもとても可愛かったです!
三葉を可愛いと思った一番の要因は、多分「一般的なラブストーリーとの見せ方の違い」だと思います。
どういうことかと言うと
他の作品だと普通は、お互いに知り合って接しているうちに惹かれあう描写がされていくものだと思います。
この作品に関して言うと
お互いに惹かれ合っている描写があるものの、実際に会うのは御神体がある山上です。
お互い近くにいることを感じ取れるのに、見ることが出来ない。
そんななか、片割れ時(黄昏時 )に、ついに互いの姿を認識出来るようになります。
ここまででは三葉の「友達や家族と接する姿」しか見ていなかったので、ここで初めて好きになった相手と対面する様子が見れます。
そこでのたどたどしい会話や顔を赤らめる様子、それがなによりも三葉を可愛いと思ったポイントでした。
次に疑問に思ったポイントをあげたいのですが、その前に一点。
他の人の感想を見ていると
「携帯やテレビで日付を確認できるはずなのに、時間のズレにすぐに気づかないのはオカシイ」といった意見があるようです。
確かに私も最初はそのように思いましたが、すぐに次のように考えました。
「普段私達が夢を見るときって、どんな時間軸にいようと、どんな場所にいようと、周りに誰がいようと、どんな行動を取ろうと疑問に思わなくないですか?」ということです。
つまりは2016年という西暦を見ても、疑問に思えなかったのかもしれません。
作中でも入れ替わり現象のことを「夢を見る」と表現されていたと記憶しています。
それだけでなく記憶が曖昧になっていく描写もあったはずです。
そう、まさに夢のように……
ですので最初は「ん?」と思いましたがすぐに納得できました。
それでは引っかかった点を何点か。
・瀧君と三葉ちゃんがお互いに惹かれ合っていく描写が希薄に感じた。
お互いにやり取りを仕出してからの展開が急で「あれ? いつの間に惚れたの?」と思いました。
RADWIMPSの曲と共に進んでいく、凄くテンポの良いシーンでしたので、楽しく見れたのですが、どうしても描写が少ないように感じました。
・瀧君が、御神体がある場所で口噛み酒を飲んで三年前に飛んだ後のシーンの時間軸が分かりづらかった。
隕石が落ちた後の町を瀧君(中身が三葉)が見ている描写があったりして、少し混乱したのを覚えています。
・隕石が目で確認出来る状態から避難させて間に合うの?
これが一番引っかかった部分で、最初は三葉の友人の早耶香が、学校から放送をして避難を誘導するのですが、町の職員に見つかり訂正の放送を流されます。その放送を聞いて町民も「家で待機しているのが一番安全だ」と発言する描写があったと思います。
あの後、目で隕石が確認出来るくらいになってから町長である父親を説得しに掛かっていますが、今から避難しても間に合わないんじゃ……と思っていました。
まああのシーンは、やっとこさ瀧君と会うことができ、気持ちが通じ合い、迷いがなくなった三葉が真っ直ぐに父親にぶつかっていくという凄く良いシーンなんですけどね!
と、まあ何点か気になった部分はあったのですが、全体的に見るととても面白いしジーンときた良い作品でした。
とくに、お互いを忘れまいと手に名前を書こうとした後のシーン。
記憶が薄れていく三葉が手のひらを見るとそこには「すきだ」と書かれていました。
瀧君の伝えたかった思いが溢れているシーンです。
「記憶がなくなっても、誰かを探しているという思い」が鍵となる物語で、自分の名前よりも「好きだという思い」を伝えた名シーンだと思います。
「これじゃあ、名前、分かんないよ……」と言った三葉は、凄く辛そうでいて幸せそうな表情をしていたのが記憶に残っています。
「なんで名前を書かなかったんだよ」という意見は私にとっては、まったく価値観の合わない意見なのです。
入れ替わり能力で町を救う話をご都合主義のように感じる人もいるようですが、私はあまりそうは思いませんでした。
そもそも
以前もティアマト彗星の破片が落ちたことがあるらしいので、三葉の一族は代々あの土地の人々を守るための能力が与えられていたんじゃないかと考えています。
ま、とにかく総評すると気になる点はあるけども、とっても楽しかったということです。
いやー久しぶりのアニメ映画だったけど、見て良かったですよ!