【猫忍えくすはーとSPIN!2】のメインビジュアル

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【猫忍えくすはーとSPIN!2】の感想

古城

5,710文字

猫忍、ぜーんいん大集合!

猫忍えくすはーとSPIN!2Whirlpool
【猫忍えくすはーとSPIN!2】のパッケージイラストゲーム属性:シナリオゲー
ジャンル ―― ADV
発売日  ―― 2025年11月28日
パッケージ版価格  ―― 6,800円(税込7,480円)
ダウンロード版価格 ―― 6,800円(税込7,480円)
スタッフ
シナリオ近江谷宥
原画鷹乃ゆき
SD原画シロ9じら
OP主題歌 ―― 閃空にゃんだふぉー(Vo. solfa feat. 夢乃ゆき)
ED主題歌 ―― えくすはーと(Vo. 薬師るり)
あらすじ

本編主人公・雑賀菊丸が祖父の死をきっかけに、己の宿命を知ってなんやかんやあったほぼ直後。
具体的に何があったかというと……。

(1)この国には『亜人』と呼ばれる人と異なるルーツの者達が人知れず存在していて
(2)そうした『裏』と人の社会を繋いできた存在が、主人公の生まれである雑賀の家で
(3)実は雑賀当主・孫市の隠し子だった主人公は、主不在の中、跡目争いに巻き込まれてしまって
(4)猫忍・藤花の愛ある指導の元、なんとか血の覚醒に成功
(5)襲ってきた長年の腐れ縁(チンピラ)を撃退し、なんとか一時の平穏を得た

みたいなことがあったわけだが、内容からも読み取れるように状況は何も片付いていなかった。

最強の猫忍・藤花と、元暗殺者のチカを仲間に加えて、
雑賀の立て直しに取り組むんだかどうなんだという感じの菊丸の前に現れたのは、な、なんと!
たぬきに狐に実の姉に……。
果ては、どこか遠い空の下で過去にあれこれやってた風魔の猫忍達?
さらにさらに……といった具合に混沌の一途をたどる、現代の猫忍活劇最終章。

出し惜しみなしの可愛さで、あなたににゃんにゃんしちゃいます。

――公式サイトより引用

評価

評価おすすめ度
【猫忍えくすはーとSPIN!2】の評価★★★★★
満足度
満足度84点

作品の紹介

今回は【猫忍えくすはーとSPIN!2】をご紹介。公式略称は【猫忍スピン2】です。

過去作
『猫忍シリーズ』の紹介&感想__脅威の中毒性がある!!?

続きを見る

シリーズ過去作のキャラクターが大集合。猫忍シリーズに思い入れがあればあるほど楽しめる作品です。過去作では「ヒロインの可愛さ」を前面に押し出していましたが、今作では「集大成」と呼ぶにふさわしいストーリー展開を見せてくれました。

ナナコ「未見の人は、先に本編をやるのがお勧めですよー」

先にシリーズ過去作をプレイしていただきたい。

【猫忍えくすはーとSPIN!2】のパッケージ画像

私が所持しているのはパッケージ版です。

攻略情報など

プレイ時間

私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて 12 時間ほどです。最初のエッチシーンまで 30 分ぐらいかかりました。

 

攻略情報

誰のエピソードを見るのか選ぶだけなので攻略サイトは必要ないでしょう。セーブ&ロードでエピソードを回収してください。

 

 Hシーン

卑語あり。音消し修正あり。アナルモザイクなし。

 

システム

難易度修正パッチバックログジャンプ
簡単なしあり
備考

感想

※以下、ネタバレあり。

書きたいことを思いつくままに書いているので、内容が飛び飛びです。

猫忍の洗礼

猫忍スピン2のCONFIG画面

ゲームを開始する前にコンフィグ画面を弄ったのですが、「 その他(女)」のテストボイスでいきなりブチかましてくれた某キャラ。

ゆら「このコーナーは『猫忍』の歴史において、ずーっと拙者が仕切ってきたのだが?」

ゆらは「これまでのあらすじ」にも登場して、心待ちにしていた“絡み”を見せてくれたので、しょっぱなから満足感が半端なかったですね。

結衣「コココココッ」

本作の序盤のストーリーは、トップがいなくなって崩壊した「雑賀家」の跡目争いです。狐の亜人「甲賀狐衆」も絡んできます。彼女たちは「コココココッ」と笑うのですよ。

王騎将軍「ココココ」

私の脳裏には、天下の大将軍さまが浮かびましたわ。

 

沢山のキャラが登場するワチャワチャ感

雑賀たぬき衆「ぽんぽこぽん! あ、ぽぽんがぽんっ♪」

本作は、大量のキャラクターが登場するワチャワチャ感がとにかく楽しい。

キャラの数を活かした最たるエピソードが「にんにんオリンピック」でしょう。

あらゆる亜人が集結して競い合うとか、ワクワクしない訳がありません。新旧主人公&ヒロインが対決する展開は、どのような結末を迎えるのか気になり胸が滾りました。

 

過去作よりもパロディ多め!?

羚羊「貧弱! 貧弱貧弱ぅぅぅーーーーー!!」

「ジョジョ」や「ガンダム」など定番どころのパロディネタがブチ込まれていましたね。

 

魅力的な攻略不可ヒロイン

蛇の亜人である猫坂永夜ちゃん。声優の逢真井もこさんが担当するキャラのなかでも1番の変わり種。もこさんのボイスで、これほどまでヌメッとした喋り方をするキャラは初めてかもしれません。

永夜「褒められちゃうかもね。……フヒ、フヒヒヒヒヒ」

勝手に陰湿な性格だと思っていたのですが、

ただただ褒められたい欲求から任務にあたる忠臣。

片目隠れ属性といい、初見の印象よりもだいぶ可愛いキャラクターで驚きました。

 

サトちゃん「だが、勘違いするなよ。ワシははるきちゃん推しだからな!」

あくまでも脇役ですが里見様ことサトちゃんも良いキャラをしています。彼女は幼少期にお世話になった春希くんの助けになりたいからと、身寄りのない亜人たちを「里見八忍」として育て上げ、春希のもとに送り届けていると思うと健気すぎて可愛いですよね。

 

Hシーンで引き出すヒロインの魅力

本作のHシーンは、ヒロインの魅力を引き出す作りになっていて感心しました。

チューを求めるチカ

それが1番顕著だったのはチカ。彼女は、憎たらしいほどに生意気なメスガキヒロイン。しかし、上の画像を見て頂きたい。主人公が離れていかないようにシッポでギュッと捕まえています。おまけにキスをおねだりしている。密かに“デレ”が垣間見えるのがマジで可愛いんですよ。

チカ「……好き、好きっ」

後半のHシーンでは、気持ちが昂ぶりすぎたのか、今まで口にしたことのなかった「好き」という言葉をこぼす。彼女がここまで本心を見せてくれるようになったのかと思うと感無量でした。

 

チカの成長

チカ「雑賀彩羽は? お前のご主人様はよぉぉ! キクお兄ちゃん以上の未来をチカに見せてくれんのかよ」

本作においてグッときた要素の1つは「チカの成長」にあります。前作のチカは、主人公のことを殺しにきた敵対者で、仲間になってからも家に居候しているだけのグータラ娘でした。しかし今作では、主人公の理想に共感して、彼のために全力で戦うチカちゃんを見ることができて、それだけで目が潤みましたね。

 

甲賀伊緒

発売前から注目していた新規ヒロインは甲賀伊緒ちゃん。

彼女の特徴は、妄想癖のある限界オタクであること。

主人公のことが大好きなストーカー系ヒロインです。主人公のことをマンセーしていて、全肯定してくれるのが何よりの魅力でしょうか。

伊緒「…………(ハアハアハアハアハアハアハア)」

やべー顔をしてヨダレを垂らしながらハアハアしているのも可愛かったですね。笑

 

アイリス

アイリス「いつか、この手で八つ裂きにしてやろうと思ってた」

顔が良すぎじゃありませんか?

プレイする前は、勝手に私の苦手なタイプのクソ生意気なキャラだと思っていたんですが、想像した 100 倍ぐらいは可愛くてビックリしましたね。願わくは、もっと彼女とのイチャラブシーンを堪能したかった。シリーズ最終作を謳っていますが、今までのように外伝である「LOVE+PLUS」を発売してくださっても宜しいですのよ。お願いしますわ。

 

猫要素

藤花「にゃーん♪」

「猫忍シリーズ」と呼ばれる作品群ですが、猫以外の亜人が増えた今となっては、猫要素があまりにも少ない。

しかし、藤花が主人公の前でだけ「にゃーん♪」と鳴いて猫として甘えてくれたのは可愛かったです。このような形で猫要素を活かしてくるのは上手いと思いましたね。

 

様々な対立の構図で紡がれる人間ドラマ

タヌキとキツネの主人公を賭けた諍い。

主人公に“自分の気持ち”を理解してもらいたい母と、主人公の気持ちに寄りそう妹。

主人公の戦いに加勢しようとする母と、主人公の戦いに邪魔が入らないようにする娘。

亜人の未来を守るために現実的な方法を提案する母と、亜人の未来を守るために理想的な方法を掲げる息子。

一族の闇を清算しようとする彩羽ちゃんと、目的を叶えるために清濁併せ呑む菊丸くん。

菊丸にたいして喧嘩腰のゆらちゃんと、菊丸をディスられてブチギレる伊緒ちゃん。

亜人だけの世界を作りたいアイリスと、亜人と人間が共存する世界を作りたい菊丸。

亜人を率いるリーダーを決めるための頂上決戦。

信念のぶつかりあい、敵対や和解などの人間ドラマ、師匠や先祖を乗りこえる展開、そして成長するキャラクター。これらの要素がギュギュッと詰め込まれた良作でした。

 

存在感のある本家キャラ

ゆら「はい論破。今日から貴様はカス丸だぞ? わきまえて、これからの人生を謙虚に生きていけよ」

猫忍スピン2】の1番の魅力は、やはり前シリーズのキャラクターと、今シリーズのキャラクターが絡むところ。

ゆら「討ち取ってこい、お前に託す……言葉にせずともハルキ殿はそういう目をしていらっしゃった」

猫忍スピン2】をプレイするまでは、猫忍シリーズといえば本家のほうが好きでした。特に、風魔ゆらの優れたキャラクター性は群を抜いていると思います。一言で表すなら“おもしれー女”。

春希くんに対する忠義の厚い忍者かと思いきや、それっぽい理屈を付けて好き勝手に行動するところが面白い。基本的には春希や身内以外のキャラクターには喧嘩腰で絡んでいき、バチバチとした争いを見せてくれるところも、猫忍シリーズを盛り上げる一因だったかと。それでいて、春希に対してはただただ可愛いところを見せているので、憎めないんですよ。

風魔ゆらの渾身の一撃

以前に書いた猫忍シリーズの記事では、私なりにゆらの戦闘力を論じました。

まさか、彼女の強さは私の認識を超えていたとは……。

体術を極めたマイト・ガイだと思っていたら、ワンパンチで全てを破壊するサイタマだってござる。恐れ入ったでござるな。ニンッ。

 

〆方が最高すぎる

前シリーズの主人公である春希のチームと、今シリーズの主人公である菊丸のチームの「頂上決戦」により物語が〆られます。

マヤ「ぴょんっ」

マヤちゃんの今まで見せたことのないぐらいに気合の入った「ぴょんっ」の一言で泣きそうになりました。笑

サトちゃん「双方、よいな? それでは……天下分け目の大一番」

サトちゃんの合図により戦闘開始。

猫忍えくすはーと「完」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

ここで終わりですか!? 最終決戦を見せないのはズルすぎませんか。いやズルすぎるでしょこの終わり方。リアルに口に出して「ズルいズルいズルい」と連呼していました。前シリーズが好きだった人も、今シリーズが好きだった人も、どちらも先の展開を予測しながらワクワクしたと思うんですよ。この終わらせ方はマジでズルいっすわ。

このズバッと突き放される感覚。大好きだったシリーズが急に終わってしまう寂寥感。これは切ない。あまりにも切ない。最後の一撃は切ない。本当に憎たらしい終わり方だったと思いますね(褒め言葉)。

 

頂上決戦の勝敗予想

巻菱 菊丸

巻菱菊丸
最強の防御力をもつ。指揮能力、作戦立案能力も高い。

藤花

藤花
コウモリの能力は失ったものの、あらゆる亜人の秘技をあつかえる最強格。

巻菱 ナナコ

巻菱ナナコ
さまざまな発明品により、戦場をかき乱す。

猫江 チカ

猫江チカ
体感時間を狂わせる忍具を有効に活かせれば戦力になる。

甲賀伊緒

甲賀伊緒
全てを焼き払う強力な炎術使い。

風魔ゆら
あらゆる存在を一撃で葬るほどの圧倒的なパワーをもつ。脳筋タイプなのが玉に瑕。

風魔 ゆら

風魔たま
若くして圧倒的な忍力をもち、高等忍術をあつかう天才児。

風魔 たま

猫飼律
各能力をレーダーチャートで表したら、それぞれの項目がマックスに近い万能性。

猫飼 律

猫塚シノ
里見八忍のなかでも最強格の凄腕剣士である。

猫塚 シノ

猫山マヤ
キュートな「にゃんにゃんダンス」で戦場をかき回す。

猫山 マヤ

菊丸チームのほうが、チームワークに優れていてバランスが良いですね。菊丸の作戦立案能力の高さを考えるとやや優勢か。

ただ、風魔ゆらには戦況を1発で変える破壊力がある。脳筋タイプなので全く活躍せずに終わる可能性もあるパルプンテ。純粋な戦闘能力だけで言ったら春希チームのほうが総合力は高いでしょう。

ストーリー展開としては、春希チームが勝ったほうが面白いですよね。菊丸が雑賀を率いて、春希が亜人たちの代表者となる。2人が並び立つほうが収まりが良いですから。

まとめ

沢山のキャラクターが登場するワチャワチャ感と、人間ドラマ・成長ストーリーとしての魅力も兼ね備えた楽しい作品でした。

Whirlpool 様へ ――「外伝を発売してください」―― 古城より。

パッケージ版

ダウンロード版

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