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もう一度、キミと会えたなら
月の彼方で逢いましょう(tone work's) | |
ゲーム属性グラフ | |
ジャンル ―― 恋愛アドベンチャー | |
発売日 ―― 2019年06月28日 | |
パッケージ版価格 ―― 9,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 8,100円(税抜) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★★☆ | |
満足度 | |
作品の紹介
「わたし、後悔、後悔、後悔中~、あなたの後悔なんですか?」とかいう初めてみたときにガチで悪い意味で鳥肌のたった後悔ラップなるものがあるのですが、誰しも後悔していることの1つや2つはあるはずです。
もしあなたが後悔していることをやり直せるとしたらどうしますか?
今回紹介する「月の彼方で逢いましょう」は、今までの「tone work's」の作品同様、「スクール編」と「アフター編」の二部構成となっております。しかしメーカー過去作とは違いSFちっくな要素が入っていて、方向性を変えてきています。
公式サイトのストーリーの欄に「もし、未来と過去をスマホで繋げたら、あなたはどんな後悔をやり直す?」と書かれているとおり、本作のテーマは「運命の選択」なのです。そのテーマに則っているのが「灯華・うぐいす・雨音」の3人のルートで、のこりの4人のヒロインはテーマとは関係のないルートになっております。
つまりはシナリオゲーのようなルートもあれば、キャラゲーのようなイチャラブ展開もあり、さらにはメインの3人のルートのテーマ「運命の選択」にたいする答えがそれぞれ違っていて、それがまた賛否をわけているので、非常に好みの分かれそうな作品だといえます。
ですが、間違いなく絵や音楽のクオリティが高く、(他社の作品とくらべると)ボリュームがおおめで満足感はたかいと思うので、そういった意味ではおすすめできる作品ですね。
私が所持しているのはパッケージ版です。
攻略情報など
プレイ時間
全ルートをクリアするまでのプレイ時間は、ボイスをほとんど聞いて46時間ほどでした。最初のエッチシーンまでは8時間ぐらいです。
攻略
自力攻略はそこまで難しくはありません。学生時代に小説にどのように向き合うかが、とくに重要な選択肢となっております。
攻略サイトはこちら。
推奨攻略順
私のプレイ順は『 きらり → 霧子 → 栞菜 → 灯華 → うぐいす → 聖衣良 → 雨音 』でした。
基本的にはお好きな順番で大丈夫ですが、メインのキャラは『 灯華 → うぐいす → 雨音 』の順番のほうがストーリーを理解しやすいでしょう。
Hシーン
卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能あり。
参考
テキストを太字にしたり縁取ったり影をつけたりする場合は、コンフィグ画面の「フォント変更」というところから行えます。
パッチ
なし。
どんな人向け?
- シナリオゲーもキャラゲーも好きな人
- SFちっくな要素がオーケーな人
- ボリュームのある作品を求めている人
- 原画・声優・音楽が好みに合った人
感想
私のプレイ順に各ルートの感想を書いていきます。クリアしたのが3~4ヵ月まえなので、記憶が曖昧な部分があります。記載ミスなどがありましたらご報告ください。
なおこの項目では、致命的なネタバレはしていないですが、本編の内容に触れています。
きらりルート
男性経験が豊富で「同じ男と二度寝ない」ことを信条としている、いわゆるビッチなお姉さん。
このルートは、主人公が編集者として人気作家のきらりと関わっていくのですが、仕事柄「世間」とのつながりが描かれていて、学園もののエロゲーにはないような「世界観の横の広がり」を感じました。
また、きらりがわがままかつ自由奔放な性格であるがゆえに、小説家としての強い個性をもっていることや、主人公が振り回される展開へつながっていたので、設定倒れにならなかったのも好印象。
ビッチな性質に関しても、エッチシーンの実用性が高めになっていたことと、主人公が「同じ男とは二度寝ない」の信条を打ち破ったことに活かされていてよかったです。
霧子ルート
主人公と同じ出版社につとめる敏腕編集長。35歳というエロゲヒロインとしては年齢が高めの設定。
彼女は結婚適齢期をすぎているため、母の勧めもあって「婚活」パーティに参加することになります。
同時期に出版社にて主人公が「婚活」をテーマにした企画をうちだして、それが霧子との深いつながりになっていく展開は面白かったです。
栞菜ルート
プロの少女漫画家。
彼女のルートでは主人公が臨時で「漫画部」に配属されることになり、栞菜先生の担当編集になります。
干物女のようなどこかダラけた私生活と、女子校育ちであるがゆえの男性にたいする免疫のなさ、マンガに自分の理想とする世界をえがいていきたいけれども、なかなかそれが読者の反応に結びつかないもどかしさに四苦八苦する様子、そんなところが彼女の可愛らしさにつながっていたと思います。
灯華ルート
気まぐれで、突拍子のない行動をおこすことのある主人公の同級生。
うぐいすルート
文藝部の先輩で、凛とした佇まいの少女。
評価が割れているうぐいすルートですが、私はプレイ直後は否定的でしたが、今となっては肯定的な立場にいます。その理由は以下に書いておきます。
聖衣良ルート
主人公の遠い親戚にあたる女の子。
メインヒロインかと思いきや、テーマ的にもボリューム的にもサブヒロインみたいな扱いでした^^;
ですが、スクール編では12歳、アフター編では女学生になっているという、いちばん二部構成の恩恵を受けていたヒロインです。
正直ストーリーの起伏はあまりありませんでしたが、聖衣良というヒロインは見た目的にも声優的にもはじめから注目していたこともあり、その可愛さを存分に堪能できたルートだったので、まぁまぁ満足です。
普段の抜きゲーの感想のときみたいに「ロリ状態でのセックスシーンをくれ!」とか語っても仕方ないので、これ以上は口を慎みます。
雨音ルート
厨二病を患っている、天才ハッカー。
徐々に心を開いてくれて、だんだんと距離を縮めていく描写がサイコーでした。
付き合ってからは「ダーリン」呼びになるのも最高にアドい。はじめて聞いたときには「だだだだだダーリン???」と思わず動揺してしまいましたよ私は。
まとめ
ココがイマイチ
- イチャラブゲー的な展開とシナリオゲー的な展開のどちらもあるため、どちらかが好きだという人には合わない可能性がある。有り体にいうとどっちつかず。
- 同メーカー過去作とは毛色が違うため、同じようなものを求めていると肩透かしになる。
- 運命の選択にたいする答えに納得のいかない人もいそう。
ココがおすすめ
- 欠点で「どっちつかず」と書いたが、逆に言うと誰かしらのルートは好みに合致すると思う。
- テーマに心惹かれた人には刺さるはず。
- グラフィックがきれいで印象的な一枚絵が多い。
- 二部構成による壮大な展開がいい。
- 音楽がいい。
- 泣ける
新しい試みをするのは非常に怖いことだと思いますが、ウケれば万々歳ですね。
あなたも「tone work's」の挑戦的なこの作品、プレイを試みてはいかがでしょうか?
月ヶ洞 きらり
CV:手塚りょうこ