【TO・RA・WA・SE 〜囚われの偽妃が夢みる初夜〜】のパッケージイラスト

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【TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~】の感想

2023年9月17日 古城

7,015文字

女になる。
それは不幸ではなく、本当の幸せ。

TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~だーくワン!
【TO・RA・WA・SE 〜囚われの偽妃が夢みる初夜〜】のパッケージイラストゲーム属性:シナリオゲー
ジャンル ―― TSして女の快楽に溺れるADV
発売日  ―― 2023年08月25日
パッケージ版価格  ―― 6,300円(税込6,930円)
ダウンロード版価格 ―― 6,300円(税込6,930円)
スタッフ
企画原案LIBERTYWORKS
シナリオ武藤真晴/朝凪軽
原画ベコ太郎
あらすじ

彼女にプロポーズをキメるため、東欧のとある古城を改装したホテルへやってきた主人公。
ところが、ホテルで眠りについた主人公は、夢の中で自分が女になっていることに気づく。
しかも、場所は同じホテルながら、古城がホテルとなる前――城として使われていた時代に。

そこで悪魔を名乗る双子から、徹底して女の快楽を刻み込まれてしまう。

夢から覚めた主人公は、あろうことか、自身の肉体が夢と同じ女性へと変化しつつあることを知る。
何とかしようと思うものの、眠りにつく度に夢の世界――中世の城で、女性としての快楽に溺れさせられる。
そうして目覚めれば、現実の肉体も女性化が進んでいく。

これでは、せっかくプロポーズを受けてもらえたのに、恋人との再会さえも叶わない。
そうやって焦る主人公は、更に女性の快楽で染められていき……。

果たして主人公は、夢から逃れられるのか。男に戻れるのか。
それとも……。

――公式サイトより引用

評価

評価おすすめ度
【TO・RA・WA・SE】の評価★★★★★
満足度
満足度85点

作品の紹介

大きな夢を叶えようとしている御仁がいました。

ライターの永元千尋さんです。

彼は、「TSモノの商業エロゲで企画・原案・シナリオを担当したい」という夢を叶えるために精力的に動いていました。

実現に漕ぎつけたかと思ったら、自律神経失調症になってしまい、途中で頓挫してしまったようです。

しかし、朝凪軽さんと武藤真晴さんが後を引き継ぎ、無事に完成まで漕ぎつけました。

ということで今回は【TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃あなたが夢みる初夜しあわせ】を紹介します。

抜きゲーに分類される作品ですが、TS=性転換というジャンルをストーリー性にも生かしている良作です。

【TO・RA・WA・SE】のパッケージ画像

私が所持しているのはパッケージ版です。

どんな人向け?

  • TSゲーが好きな人
  • ベコ太郎さんの原画が好きな人
  • 声優の一色ヒカルさんのファン
  • エッチシーンとストーリー性の調和を求めている人
  • 心情の変化が丁寧に描かれている作品を求めている人

攻略情報など

プレイ時間

私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて6時間ほどです。最初のエッチシーンまでは15分ぐらいかかりました。

 

攻略情報

ヒロインの雪にたいして誠実な選択肢を選んで入ることのできるエンディングを最後にまわすことを推奨します。

 

システム

難易度修正パッチバックログジャンプ
簡単なしあり
備考

感想

このホームページでは一部 NEXTON-NET の画像を使用しています。
素材の著作権はNEXTONに帰属します。これらの素材等を他へ転載する事を禁じます。

どんなお話?

本作の舞台は、東欧にある古城を改築したホテルです。

ちなみに私は「古城」というハンドルネームで執筆しているのですが、この記事内に登場する「古城」という単語は「古いお城」という意味です。

すみません。紛らわしてくすみません。

自分の名前をアピールしている痛い奴ではないので悪しからず。

――閑話休題――

東欧の古城を改修したホテル

主人公とヒロインは欧州人!

というワケではなく、旅行でこの地に訪れた日本人カップルです。

諏訪部 雪

諏訪部 雪 CV:乙倉由依

主人公の恋人の名前は雪。

髪型がインテークのヒロインは、エロゲでは久しぶりに目にしたのでテンションが上がりましたね。

――閑話休題――

この地にただ旅行をしに来たワケではなく、ほかの目的も隠されていました。

実は主人公は、ここで恋人である雪にプロポーズしようと決めていたのです。

雪にプロポーズするシーン

プロポーズの言葉をうけ、笑顔をうかべながらも涙をながす雪。

まるで祝福の鐘が聞こえるかのような、幸せそうな光景が広がっていました。

雪との初夜エッチ

プロポーズ成功後の初夜。幸福に満たされた2人。

2人を見ているだけでもこちらも幸せな気分になります。

だけど……あれ……なんか薄めのエッチシーンだな。

これは抜きゲーじゃなかったのかと、疑問が浮かびました。

しかし本作のジャンルを思い出してほしい。

本作はTS性転換ゲーです。

TSゲーにおけるノーマルなエッチは、NTRゲーにおけるノーマルなエッチと同じような扱いだということ。

つまり本筋のエッチシーンに入るための前座にすぎなかったのです。

このあと事態は急転。

雪のスマホに、会社から電話が掛かってきました。

スマートフォン

社内で大きなトラブルがあったことが伝えられます。

プロジェクトマネージャーである雪は、トラブルを解決するために、急きょ、帰国することに決めるのでした。

主人公は、内心では動揺しつつも、理解をしめして帰国することを受けいれます。

しかし主人公の心には、大きな傷が付くのでした。

何日もかけて綿密に今回の旅行を計画し、煩雑な手続きをこなし、お金をかけてホテルのスイートを押さえました。

なによりも雪との時間を大事にしたいと思っていた主人公にとっては、そこに込めた思いを踏み躙られたような気分になったのです。一生に一度しかない2人の大切な時間よりも、仕事を優先するのかと。

悲しみの感情を吐き出し、疲れきった主人公は、そのまま眠りにつきます。

寝ている人

………………

…………

……

「ここは、アナタ風に言うなら、17世紀に相当する世界。こちらでの季節は、ちょうど冬」

夢のなかで、ヤルバ&マザナという双子の悪魔と出会いました。

んで、なんやかんやあって女体化することに……。

ヤルバ「今、キミは生まれ変わろうとしてるだけだから」

主人公が女に変化!?

これは、本当に“俺”なのか?

すんません。途中から説明が面倒くさくなってきて、肝心な部分をすっ飛ばしました。

が、ここまでに説明してきた内容で、本作の良さを知る下地はできたと思います。

その後の内容およびポイントは以下の通りですね。

  1. 夢の中で、ヤルバとマザナに快楽を教え込まれて、徐々に女の喜びを知る主人公
  2. 夢の中での出来事とリンクするように、現実の体が女へと変化していく
  3. 心も体も女へと変化した果てに、主人公はどのような幸せを掴むのか
エミリア

夢の中の主人公

変化していくみあちゃん

現実世界の変化

主人公は女体化したのちに、エミリア=みあという名前を付けられます。

トラワセは、性転換の果てに見つける幸福という、エッチシーンに絡めたストーリー展開が素敵な作品でした。

エッチシーンについて

卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。

 

過程が丁寧な調教ゲーに似たエロさがある

みあのエッチシーン

序盤はヤルバとマザナに徐々に「女として味わう快楽」を教え込まれるという内容。

原画家のベコ太郎さんといえばお尻の描写のエロさが特徴的です。お尻がいい感じにエロいシーンがそれなりに用意されていて満足。

レジェンド声優の1人である一色ヒカルさんの名演も光っています。序盤の男らしさの残る口調&声色と、終盤の女らしさ全開になる喋り方の違いが半端ない。

みあは、最初はキツイ口調で反抗しまくるんですが、段々と快楽におぼれて媚びるようになります。

【みあ】
「おま◯こっ、おま◯こぉッ! 私のッッ――みあのおま◯こッ、イかせてッ、くださいぃいいいッッ!!」

序盤の頑な態度を考えると、ここまで媚びるように変化するだけでもエロいです。

 

見せ槍に興奮するみあ

選択肢にもよりますが、中盤からはデミトフが竿役になるシーンもそれなりにありました。

上の画像のシーンでは、内心では「男のちんこなんか絶対にしゃぶりたくねぇ」と思っているのに、あまりにも凶悪な「見せ槍」に「はぁはぁ」言いながらメス犬のように息を荒げているシーン。

デミトフがみあにたいして首キメセックス

凶悪なチンポに犯されて、何度も何度もイカされた挙げ句、野太い声で絶叫するサマはとんでもなくエロい。

序盤こそあまり喘がないようにしていたみあが、枷がハズレたかのように乱れまくり、チンポには敵わないと言わんばかりの嬌声をあげ、相手が喜ぶような媚びるセリフを言いまくります。

事後のトロケ顔のみあ

男のままだったら見せなかったであろうトロケ顔をうかべていますね。これもある意味幸福の形なのかもしれません。

この状態でチンポを口元に持っていったら、「しゅきぃ……」とか言いながらお掃除しますからね。

あまりのギャップにビックリします。

 

トラワセは、女体化していく過程と、それに伴う変化がかなり丁寧に描かれている作品です。

エッチシーン以外でも、女物の下着をつけてみるシーンや、生理がくるシーンなど、かなり細かい描写があります。

そして肝心のエッチシーンでは、「見た目」や「口調」や「表情」や「心境」が、少しずつ変様していくのが面白いです。

まるで、出来のいい陵辱ゲーや調教ゲーをプレイしている気分になりました。

ネタバレ感想

致命的なネタバレ(クリックで展開)

 

デミトフEND

デミトフ「俺のものになれ、ミア」

最初に辿りついたのがこのエンディングでした。

デミトフから「二度と俺の元から離れるな」とか「俺のものになれ」とか、欲しかった言葉をもらって泣いてしまうみあ。

恋人である雪からはそれを得られずに、ずっと心にぽっかりと穴があいていました。みあがどれだけ傷ついていたのか、あらためて感じさせられましたね。

やはりみあは、好きな人には自分を優先してほしかった。言葉と行動で示してほしかったんでしょう。

上辺だけかもしれないけれど、言葉と行動でそれを与えてくれるデミトフにほだされてしまう。

デミトフから「過去の女よりいい」という最低な発言を投げかけられても、それでも喜んでしまうみあ。

旗からみたら、あんなおっさんに騙されないでほしいと思うけれど、騙し続けてくれるのならば、それはそれでありなのかもしれないと少しだけ考えてしまいました。

 

娼婦END

みあ(……私、今、幸せなんだ……)

快楽を得ることと、多数の男から求められることに幸福を覚えてしまったエンディング。

こうしてみあの心情を追っていくと、ビッチになってしまった彼/彼女の決断も分からなくないという……。

セックスをするさなか、以下のように考えていたみあの気持ちを思うと切ないですね。

【みあ】
(……雪のことも、幸せにしてあげたかったな……)

もう感覚はズレてしまっているけれど、従来の優しさは変わらないままでした。

 

ヤルバ&マザナEND

ヤルバ&マザナ「「幸せになろうね、みあ……」」

みあは飛び降りて自殺してしまうのですが、最後に感じたのは恐怖などではなく、これで楽になれるという安堵感でした。

最後は、謎の宝石にむかって「幸せになろうね」と語りかけるヤルバとマザナ。

旗からみるとゾッとしますが、なにも知らずに擬似的な幸せを与えられつづけられるなら、それはそれで良いのでしょうか。

 

雪END

みあ「…………ゆ、き……」

デミトフに流されそうになったときに、窓からみえた降雪によって、恋人である雪のことを思い出して、なんとか正気に返る展開が好きでしたね。

名は体を表すではないですが、名前のもつ不思議な力を感じられました。

 

雪「私ね……バイなんだ」

女になってしまったことを明かしたみあにたいして、雪から衝撃的なカミングアウトがされます。

どうやら彼女はバイセクシャルなようです。

正確に言うと、求められる自分を演じて生きてきました。

はじめて素の自分として愛することができたのが主人公なんだとか。

主人公にたいする愛は本物だけど、あのときも「仕事を選ぶ自分」という求められる役割どおりの行動をしました。

こうして全てを打ち明けることができたのは、主人公が女になってしまったからに他なりません。

主人公のガワが「男」だろうと「女」だろうと、変わらずに愛しているというのも、「性転換」という特殊な状況を生かしていると思いました。

TSしたからこそ、お互いのすべてをさらけ出し、お互いのすべてを愛することができたのです。

 

みあ「俺、今……本当に、幸せだよ」

〆方も完璧でした。

女になってしまったみあは、もう子供はできないと諦めていました。しかし、プロポーズした初夜のセックスにより妊娠していたことが判明。

最後には、親子3人で寄りそう素敵なイベントCGを見せられて、私の涙腺も崩壊しました。

良かったよ。本当に良かった。

他のルートでは、快楽に狂ったような、過剰な幸せを感じさせる終わらせ方でした。しかし私はこうして、じんわりと温かいものが広がっていくような、ほんのり優しく色づいた幸福の形が好きです。

 

不満点

絶賛一辺倒でしたが、一応不満点も述べておきます。

最高の結末をむかえた雪ENDですが、エンディングムービーが他のルートと同じでした。

デミトフとセックスしているイラストとかいらんねん。

この結末ぐらいデミトフのことは忘れさせてくれや。笑

予算的な問題ならばせめて、真っ黒な背景にスタッフロールを流しておいて欲しかったです。

あとは、魔女裁判を乗り越えて、男に戻る展開も見てみたかったですね。そんな展開を入れたら、TSゲーの否定になってしまうのかもしれませんが。

 

まとめ

ココがイマイチ

  • 魔女裁判とは?
  • 値段のわりにボリュームは不足気味
  • エンディングムービーがどのルートでも同じもの

 

 

ココがおすすめ

  • みあの表情が素晴らしい
  • 一色ヒカルさんの演技が光っている
  • 女としての快楽をおぼえる描写が丁寧に描かれている
  • とあるルートの展開には、思わず目が潤んでしまった
  • TSというジャンルをストーリー展開に生かしていて見事

 

 

TSというジャンルの良さが、エロさとストーリー性の両方に上手いこと作用している傑作です。

ジャンルの特殊性からか、まだそこまでプレイしている人は見当たりません。

今のうちにプレイして、隠れた良作を知っているんだと、友人知人にマウントを取りましょう。

そう……それこそがあなたの得ることができる幸福の形なのです(錯乱)。

パッケージ版

ダウンロード版

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