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その想いは、愛か呪いか。
DeepOne-領界侵犯-(Nameless) | |
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ジャンル ―― 新本格バトルビジュアルノベル | |
発売日 ―― 2025年07月25日 | |
パッケージ版価格 ―― 15,000円(税込16,500円) ダウンロード版価格 ―― 9,000円(税込9,900円) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
![]() | ★★★★★ |
満足度 | |
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作品の紹介
今回は【DeepOne-領界侵犯-】をご紹介します。
前作で炎上騒ぎがあったため、警戒していた人も多いと思うんですよ。そんななか、私は発売前から良作だと予想していました。もしも駄作だった場合、エロゲブロガーとしての信用を落とすリスクを負って。
結果として、評判のいい作品であり、気合を入れて作られた力作でしたね。
―― これは、私の勝ちということで宜しいか?

私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け?
- 能力バトルが好きな人
- グラフィックに惹かれた人
- 演出が洗練された作品を求めている人
- 献身的に支えてくれるヒロインが好きな人
- 主人公側だけでなく敵側も魅力的な作品を求めている人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて 27 時間ほどです。最初のエッチシーンまで1時間半ぐらいかかりました。
攻略情報
最終章にエンディング分岐の選択肢があります。攻略サイトは必要ないでしょう。
システム
難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
簡単 | なし | あり |
備考 | ||
- |
感想
どんな作品?
この世の果てのような世界で、倒れている主人公と涙をながすヒロイン。
本作のメインヒロイン=佑姫カスミの顔があまりにも美しく、切なげなピアノ曲が流れていて、開幕から惹き込まれることになりました。
場面が変わり、時系列が現在に戻ります。どうやら「堕とし仔」と呼ばれる異形の存在と戦闘しているらしい。
主人公=斎野尚哉が率いるチーム「Deprate」が、バケモノを退治するために奮闘します。ここが本作の魅力でしょうかね。1対1の戦闘もありつつ、チーム戦も描かれている。緊迫したバトルを楽しめる燃えゲーです。
本作には日常パートも用意されています。緊迫した戦闘と穏やかな日常、交互に味わうことが何よりも楽しい。
これはアレですね、高温で体をイジメ抜いたあと、外気浴で気持ちよくなる行為 ―― 通称「サウナ」と同じシステムが採用されていますね。
本作のシナリオライターは、戦闘シーンを堀ノ内遊女さん、日常シーンを東雲和也さんが担当するという分業制。お互いの得意分野が活かされているように思いました。
日常シーンにおいて魅力が光っていたキャラは、やはり佑姫カスミでしょうか。イギリスからやってきた彼女は、アプローチの仕方が積極的。ことあるごとに好きだとストレートに言ってくれるため、たじたじになってしまうことに。

日常シーンで携わることになるキャラクターの相関図を作りました。参考にしてくださいませ。
本作は「主人公陣営 VS 堕とし仔」の構図だけには留まりません。「防疫修道会」と呼ばれる異形の存在を殲滅する機関も登場します。
防疫修道会にとって、異形の存在である堕とし仔は敵である。それと同時に、異形の力をとりこんで戦っている尚哉たちも敵なのです。

図解したとおり、3つの勢力がそれぞれ対立しているようなイメージでしょう。
ここまでで4つの項目に分けて紹介してきました。このような構成にしたのは、本作の魅力を分かりやすくするため。本作の魅力は以下の4つに集約されると思うんですよ。
- 戦闘するたびに消耗していく尚哉に、女性陣がどう想いを寄せていくのか
- 異能の力をつかった白熱のバトル
- 穏やかで賑やかな日常シーン
- 様々な思惑のぶつかりあい
敵対する立場の人間のエピソードも描かれていて、それがまた上手いこと作用している。手に汗握りハラハラする展開と、胸が暖かくなる感動のシーンのどちらも味わうことができますぜ。
関連作について
Deep One -ディープワン-
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【Deep One -ディープワン-】の感想
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シリーズ作品ですが「並行世界」のお話です。
舞台やキャラクターは共通するものの、ストーリーの直接の繋がりはありません。本作からのプレイでも大丈夫でしょう。
しかし、専門用語がそれなりにありますし、キャラクター性の理解なども踏まえると、1作目からプレイしたほうが分かりやすいかと。思い入れを深めたほうが、より楽しめるという利点もありますし。
私としては、前作にも登場したラブリーにゃんこマンの歌でテンションが上がりました。
DeepOne 虚無と夢幻のフラグメント R(とのフラ)
ディープワンのスピンオフ作品です。基本無料プレイできるブラウザゲームですね。ストーリー上の繋がりはありませんが、共通している設定はあります。
ストーリーの良さとキャラクターの魅力によって人気があり、サービス開始から5年続いているんですよ。興味がある人はぜひお試しプレイを。
領界侵犯の特徴
演出がいい
ディープワンシリーズは、演出のたかさは折り紙付き。本作ではより進化した演出を見ることができます。ただ、近接戦に関しては前作の演出のほうが好きでした。動きの連続性があり、頭のなかで動作を想像することが出来たので。
戦闘前に、街や住民に被害がでないように結界を張るのですが、パーッと画面が色付いていく描写が好きでしたね。
音楽がいい
クオリティのたかい BGM が 63 曲用意されています。
ギャラリーでは、曲にサムネイルが用意されているのが素晴らしいと思いました。曲数がおおいと、曲名だけでは把握しづらくなりますから。
テキストが平易で読みやすい
前作にくらべると、テキストが平易ですらすらと読むことができます。ただ、誤字脱字がありましたし、音声ミス・声優の読み間違いが気になりましたね。
設定とリンクしたシステム
本作には「チュートリアル」が用意されています。私たちのような歴の長いエロゲーマーは、何気なしに設定をいじっているかもしれません。しかし、初心者エロゲーマーはそうとも限らない。私は、このような試みを歓迎しております。
本作には「メモリーリンク」というシステムがあるのですが、これが本当に素晴らしいと思いました。このシステムによるメリットは以下のとおり。
- フローチャート機能として活用でき、好きなシーンに飛ぶことができる
- 本筋から外れたエピソードが用意されていて、好きなときに閲覧できる
- 本編とは関係のない攻めたエッチシーンを用意することができる
しかも、チュートリアルもメモリーリンクも、作中の設定と絡めて用意されているのが凄いんですよ。ネタバレになるので説明はしません。悪しからず。
前作にひきつづき「TIPS」も用意されています。作中の専門用語の解説がされているのです。上の画像のテキストのどこをクリックすればいいのか分かりますか?
目を凝らしてみると「魔素」という単語の色が違うのが分かります。正直、もう少し視認性のいい色に変えて欲しかったかな。
システム面に関して苦言を呈するとしたら、デュアルモニターでプレイしたとき画面外をクリックすると最小化されてしまうのは不便でした。
エッチシーンについて
卑語あり。音消し修正あり。アナルモザイクなし。
小柄な女性がチンコを咥えてほっぺたを膨らませている描写がめっちゃ好き。今作では、卑語が追加されていて実用性が高まっております。
お気に入りのシーンは、カスミがメイド服を着てお尻をむけている構図。そして、サブキャラであるロザリアとフルララネルとのHシーン。ロザリアは禁忌感があり、フルララネルは寝取り感があり、めちゃくちゃ性癖に刺さりました。ハーレムHまで用意されているので言う事なし。非常に素晴らしかったかと。
エッチシーンは、メモリーリンクシステムにより、サイドエピソードとして扱われていることは前述したとおり。しかし、重要なエッチシーンはきちんと本編にくみこまれています。全年齢版を見据えたものでなく、エロゲとして作られていることも好印象でしたね。
ネタバレありの感想
既プレイ者向け。ネタバレがあるのでご注意を。
まとめ
ココがイマイチ
- サブモニターをクリックしたとき最小化する
- 誤字脱字や音声ミスがある
- 固定メニューバーがほしい
ココがおすすめ
- 設定とシステムがリンクしている
- Hシーンにも力が入れられている
- 魅力的な登場キャラクター
- 手に汗握るバトルシーン
- 感動的なシーンがある
- 演出が洗練されている
- グラフィックが美しい
- 主人公が格好いい
- 音楽がいい
本作の主人公=斎野尚哉は、自分の意思をまっすぐに貫く格好いい姿を見せてくれました。実に素晴らしいと思います。私自身も前作をプレイしたとき、炎上が起きようともディープワンを擁護しつづけました。自分の意思を貫いて。
もしかして私って斎野尚哉だったのかも。
あなたも【DeepOne-領界侵犯-】をプレイして斎野尚哉になりましょう。
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