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わっ、私のエロ同人誌の中に挿っちゃうんですか?
先輩が私の妄想にドージンする?! ~ボディータッチにご用心~(しるき~ずこねくと) | |
ジャンル ―― 後輩女子の妄想に挿っちゃうADV | |
発売日 ―― 2024年09月27日 | |
パッケージ版価格 ―― 3,800円(税込4,180円) ダウンロード版価格 ―― 3,600円(税込3,960円) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★★☆ | |
満足度 | |
作品の紹介
今回は【先輩が私の妄想にドージンする?! ~ボディータッチにご用心~】をご紹介します。公式略称は【ドージン】です。
本作のメインヒロインの小桃さんのことを、担当ライターは以下のように評しました。
多分、小桃さんがみんなに受け入れられる限界地点。
限界地点と言われるほどに「尖った個性」をもつヒロインが魅力的でした。
シナリオライターのファッキン先生にしては珍しく「実用性重視」を謳った作品です。しかし私としては、後輩ヒロインである小桃さんの「萌え」が詰まった作品だと思いましたね。
どんな人向け?
- キスの最中に牛タンのことを考える人
- エロ同人誌に真剣に向き合っている変態紳士
- コメディちっくな実用性重視作品を求めている人
- すめらぎ琥珀さん&イチリさんのイラストのファン
- ヒロインの緻密な心理描写が描かれている作品を求めている人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて3時間半ほどです。最初のエッチシーンまでは1時間ぐらいかかりました。
攻略情報
選択肢はありますが、どの順番で選んでも大丈夫な一本道の作品です。攻略サイトは必要ないでしょう。
システム
難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
簡単 | あり | あり |
備考 | ||
- |
感想
どんなお話?
【ドージンする】のプレイを開始してそうそう、おしっこトークを繰り広げやがった女の子が本作のヒロイン ―― 小桃 みやび ちゃん。
壁や天井を覆いかくすようにポスターが貼られまくっているこの部屋は、2二元エロが大好きな主人公 ―― 梅居 薫 が住んでいます。
小桃さんは、主人公の部屋に遊びにきて、トイレを借りたときに、目の前に等身大のドスケベ☆ポスターが貼ってあり、落ち着いておしっこができないと騒ぎだし、冒頭のおしっこトークに繋がったわけですよ。さすがに脈絡もなくおしっこトークをはじめるほどのクレイジーな女ではありません。
さて、彼女は、なぜ主人公の部屋に遊びにやってきたのでしょうか?
それは、2次元エロが大好きな主人公ならば、自分が描いたエロ同人誌にアドバイスをくれるだろうと思ったから。
主人公は、小桃さんの要望をうけいれて、彼女の描いた同人誌を読むことにします。
主人公は、あまりにも真剣に同人誌に向き合ったため、同人誌の世界に入り込んでしまいました。作中ではこの現象を ドージン(=同人IN)と呼称しております。
同人誌の世界のヒロイン ―― 名波 楓 ちゃんとエロいことをして、より実用的な同人誌の完成のために奮闘するストーリーです。
本作の特徴
実際に作中作を読むことができる
本作では実際に、小桃さんの描いた作中作『ボディータッチにご用心』を読むことができます。画面をクリックすることで、次のコマの文章と音声が再生されます。
現実世界と同人誌世界を楽しむことができる
「現実世界」と「同人誌世界」のキャラクターデザインは、それぞれ別の原画家さんが担当しています。設定からすると、まったく別のテイストのほうが良いでしょうから、これは上手いやり方だと思いましたね。一粒で二度おいしい作品です。
パロディが多め
有名なアニメやマンガなどを元にしたパロディが多いです。
迫力が凄い。まるで、怒ってる演技をしている月○きいろみたいだ。
クソデケェ声を出して笑ったのはこのテキストでした。ライターのファッキン先生が、エロゲの音声収録に立ち会ったときに、月野きいろさんの怒っている演技を聞いて、以下のように思ったんでしょうね。
困惑するファッキン先生を想像して、思わず笑ってしまいました。
ちなみに、きいちゃんはネタにされて喜んでいましたぜ。
ファッキンワールド全開
渡辺ファッキン僚一先生がライティングを担当する作品のなかでも、
過去1と言っていいほど、ライターのクセの強さが出ています。
初セックスのとき、秩父市の光景を思いかえすヒロインとか、禁忌も禁忌、人によっては極大地雷原でしょうね。
ファッキン先生の作品をプレイしたことのない人は、まずは体験版をプレイしてみたほうがいいかもしれません。
小桃さんの心理描写が巧み
まずね、すめちゃん先生のイラストがあまりにも素晴らしいんですよ。さらに、星宮リリィさんのお声がドチャクソ可愛らしい。
そんな最強の素材を揃えて生まれた小桃みやびちゃんですから、葛藤する様子が可愛くないわけがない。
上に載せた3枚の画像をみてもらえれば、なんとなく雰囲気はつかめるかもしれません。彼女は、自分の気持ちを必死に否定したり、照れたり、また否定したり、肯定的に受け入れようとしたり、ただひたすらに葛藤する様子が、とにかく緻密に描かれているんです。
そのうえ、表情がコロコロと百面相のように変化して、心の声にまでボイスが付いているんですよ。
つまり、絵・声・文章の3つの要素が上手いこと合わさり、彼女の魅力が高まっているということ。どれだけの破壊力をもつか知りたい人は、今すぐプレイしましょう。
面白いがゆえにもっとプレイしたくなる
ファッキンワールドに付いていけなかった人以外には、概ね好評な作品だと思います。
しかし、ロープライス作品ゆえの物足りなさはありましたね。小桃みやびちゃんのエピソードをもっともっと見せてほしかった……。
せめて最後に、完成した新しい同人誌でも公開してくれたのなら、満足感が上がって、評価もグングンと高まっていったでしょう。値段をもう少し上げてでも、ボリュームを増やしてほしかったです。
「俺たたエンド(俺達の戦いはこれからだエンド)」ならぬ「私たち創作活動はこれからだエンド」みたいな感じでしたから、ぜひとも続編の発売を期待したいところ。
意見の相違
本作の主人公は、陵辱シーンは「女の子の気持ちになってマゾヒズムな感情で読むもの」だと主張しておりました。
私から言わせてもらうと、その主張はありえない。
陵辱ってのは「可哀想」を楽しみ、嗜虐心を満たすためのジャンルですからね。唯一、ライターの主張に首を捻った瞬間でした。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音なし。アナルモザイクなし。
キスはセックス!
先ほど、心理描写が細かいと申し上げましたが、キスシーンも例外ではありません。ヒロインがどのように感じて、どのように興奮を高めたのかが具に書かれているわけですから、もはやキスシーンにすら興奮をおぼえます。キス=セックスと言っても過言ではない。
おっぱいを揉むシーンも同様です。このシーンでもヒロインの心理が細かく描写されているので、エッチシーンのはずなのに「エロい」というよりも「可愛い」という感情が強く芽生えました。
打って変わって、名波さんとのエッチシーンは特殊なものが多い。どういうエロ同人誌を描けばいいのか探っていくお話なので、展開されるエッチシーンの方向性がバラバラです。名波さんが攻める、受ける、スク水エッチをする、陵辱される、おねショタエッチをする……といった具合に。
名波さんは、お尻の形がよくてエロかったですね。
まとめ
ココがイマイチ
- 俺たたエンド
- サブモニターでフルスクリーン起動させてほしい
- 値段を上げてでもボリュームを増やしてほしかった
ココがおすすめ
- テキストのノリがいい
- 声優さんのお声が可愛い
- 心理描写が緻密でグッとくる
- キャラクターデザインが素晴らしい
- 現実世界と同人世界の両方をたのしめる
なんでしょうね。美味しいけれども量の少ないお菓子ってあるじゃないですか。「うがーっ、もっと食べたいんじゃ!」となるような高級志向なやつ。まさにアレです。
私は本作を、個性的な良作だと評価をしております。この作品でしか味わえないような独特なものがありますからね。ぶっ飛んだテキスト、キャラクターデザイン、緻密なヒロインの心理描写などの要素に惹かれた人は、買いましょう。買おう。買え。買って。買ってください。お願いします。
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