6,650文字
栄光を懸けた日々
| セレクトオブリージュ（まどそふと） | |
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| ジャンル ―― 反逆の成り上がり学園恋愛ADV | |
| 発売日 ―― 2024年07月26日 | |
| パッケージ版価格 ―― 9,800円（税込10,780円） ダウンロード版価格 ―― 8,000円（税込8,800円） | |
評価
| 評価 | おすすめ度 |
 | ★★☆☆☆ |
| 満足度 | |
 |
作品の紹介
今回は【セレクトオブリージュ】をご紹介します。公式略称は【セレオブ】です。
満足度（点数）を低めにしていますが、楽しめましたし、それなりに良質なキャラゲーだと思いました。購入して良かったです。
ヒロイン４人のルートうち、たった１つのルートだけが好みから大きく外れていたんですよ。そのため、満足度は低いけれども好きな作品という位置づけですね。
私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け？
- スラム街に住んでいる人
- 身分違いの恋に惹かれる人
- キャラクターデザインを気に入った人
- 逆玉の輿・サクセスストーリーを読みたい人
- エッチシーンにも手を抜いていないキャラゲーを求めている人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて20時間ほどです。最初のエッチシーンまでは４時間ぐらいかかりました。選択肢によっては７時間半ぐらいかかるでしょう。
攻略情報
分かりやすい選択肢なので自力攻略は容易です。推奨攻略順は特にありません。しかし、トウリルートを最後にまわすと余韻が悪くなると思います。私のプレイ順は『 トウリ → くくる → イヴ → 奏命 』でした。
システム
| 難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
| 簡単 | なし | あり |
| 備考 | ||
| － | ||
感想
どんなお話？
手 ―― それは、触る、摘む、握る、押す、持つなどなど、日常生活をおくるうえで、非常に重要な役割をはたしているパーツ。
プレイ開始そうそうに登場したこの手は、本作の主人公である 不波能 凪 のもの。
んぎゃーーーーーッ！！！
なんすか現実って。美味しいんすか現実って。やめてくださいよ、現実を突きつけるのは。見たくないんすよ現実なんて。
ということでセレクトオブリージュは、理想にむかって歩んでいた主人公が、現実をつきつけられて、手をつぶされ、夢をつぶされ、復讐にもえるダークファンタジーです。
嘘です。すみません。小粋なジョークです。ちょっとしたお茶目です。許してください。謝りますから。ごめんちゃい。
ここからは本当のお話なので安心してご覧になってくださいませ。主人公が住んでいるのは、日本のスラム街と称される珠賀良区です。
ある日、身なりの良い少女が「ワン・ズ・ギフト」の当選を伝えにきました。どういう事かというと、エリートのみが入学することのできる「桜元学園」へ、１年に１人だけランダムに選ばれた学生に入学できる権利が与えられるのです。このたびは主人公が当選したのでした。
ワン・ズ・ギフトの当選者は、学生会のメンバーに認められなければ、卒業の資格を得ることができません。
スラム街出身の主人公は、まわりの好奇の目にさらされながらも、夢を叶えるために、学園で成り上がっていくストーリーです。
学園で成り上がるために、主人公は、どういう行動を取るのでしょうか。
いや直球かよ！ 逆玉の輿かよ！ 段階を踏めや！
まさかの、いきなりエリートお嬢さまたちにプロポーズをかます主人公くんにビックリしました。いいよ。私は好きだよこういうの。
ということで本作は、主人公が逆玉の輿にのるために、お嬢さまの心を射止めようと奮闘する、学園モノのキャラ萌えゲーなのですよ。
セレオブの良し悪し
コンセプトに沿っていない
本作のコンセプトは以下の３つ。
- 身分違いの恋
- カタルシス
- 豊富なＨシーン
このうち、身分違いの恋は、奏命ルートではそれを感じることができました。豊富なＨシーンも嘘ではないでしょう。
しかし、カタルシスを感じる作りにはなっていませんでした。
共通ルートは、コンセプトに沿うものだったんですよ。主人公が困難な状況に陥るんですが、知恵や勇気をもって乗りこえる。そして、学生会のメンバーに徐々に認められていく。先の展開にワクワクするような、成り上がり系のサクセスストーリーになっていました。
個別ルートでは、そのような展開が鳴りを潜めてしまう。
本作の賛否がわかれているのは、やはり、共通ルートで示された方向性からズレてしまったからでしょう。キャラ萌えゲーを期待している人ならば楽しめるでしょうね。
魅力的な攻略不可ヒロイン
初見でキャラクターデザインにグッときたのは、双子の 北条花 と 北条空 の２人。
どちらも攻略ヒロインではありませんでした (´；ω；｀)
キャラ萌えゲーとしては良質
一色 奏命 CV：奏雨
奏命ルートでは、奏命に能力を認められた主人公が、彼女の婚約者にえらばれます。主人公は、形だけの夫婦にはなりたくないので、彼女の「心」まで射止められるように奮闘するお話です。身分や価値観のちがう２人の恋愛ストーリーで、もっとも「身分違いの恋」というコンセプトを感じられるルートでした。
蓼科 イヴ CV：秋野花
正式名称は、蓼科・Ｍ・イウヴァリー。彼女は、共通ルートの時点で主人公に好意を伝えてくれます。しかも、まだ自分の気持ちがあやふやな状態でも、それを言葉にして伝えてくれる。続けざまに、思わず会いに来てしまったと言ってくれる。この時点で、私のハートはグッと掴まれましたね。個別ルートに入ってからも、イヴの魅力が存分に発揮されていたと思います。
夜刀 くくる CV：相模恋
くくるは、オートマタの研究に精を出している女の子。彼女のルートでは、アンドロイドのＡＩを人間らしくするため、くくると主人公が自分たちの経験を通じて感情を学ばせようとします。オートマタの研究という目的を遂行しつつも、恋愛も発展していくという面白みを感じるルートでした。
トウリ CV：七種結花
トウリは、主人公と同じ孤児院で育った妹のような存在。彼女は、主人公を追っかけて裏口入学してきました。私は、妹系のヒロインを気に入ることが多く、彼女にも多大な期待を寄せていたんですよ。はい。期待はしていたんですけどね……。
トウリルートが合わなかった
以下、どういう部分が合わなかったのかを記載しております。
共通ルートの過去回想のシーンでは、選択肢次第でエッチシーンを見ることができるようになっていたのは素晴らしいと思いました。だって、ずっとずっとお兄ちゃん（主人公）のことを慕っていたんだなぁというのが伝わってきますから。
トウリルートに入ってからも、序盤はめちゃくちゃ楽しかったですね。トウリとイヴとで３人でデートをするシーンなんかは、ハーレム感があってニヤニヤできました。
それでは、ここでトウリルートの主役を紹介しましょうか。
コイツです。コイツのせいで全てが台無しになりました。
主人公のことを監禁して、暴行をくわえ、殺そうとしたことは、ストーリー上の盛り上がりとして、必要なことだったのでしょう。
自分のことを心配してくれていた友人のことをボコボコにして、金を巻き上げていたことも、ヘイトを溜める展開として必要だったのでしょうね。
しかし、トウリルートに入ってからのコイツの立ち回りがとにかく不快でした。
トウリルートに入ってからは、腑抜けた状態の龍司がチラホラと登場します。なんでコイツの辛気臭ぇツラを拝まなきゃならねぇんだよ、トウリルートなのに。
覇気をうしなった龍司は、珠賀良区の風俗に通いはじめます。
私はここで「ん？」と思いました。別に風俗に行くのはいいんですが、龍司は過去に、女を見下すような発言をしたり、珠賀良区の人間をゴミ扱いしていたんですよ。それなのに、いざ自分のメンタルが落ち込んだら、珠賀良区の女に縋るのが、男としてあまりにも情けないと思いました。しかも親の金ですよ。まだ学生ですから自分で稼いだ金ではないでしょう。あまりにもダサいです。
龍司は、風俗街の姉ちゃんたちから、格好いいとチヤホヤされています。これも気に食わなかった。だって、嫌いな人間がチヤホヤされていたらムカつくでしょう？ 俺様（主人公）以外の人間がチヤホヤされるとか許せねぇ。笑
その後に龍司は、珠賀良区の奥にある「セクター６」という危険地帯に踏みいり、主人公たちに助けられることになります。
ここからがさらに不快で、主人公たちが立ち上げたゲーム会社に、龍司がなぜか社長として迎え入れられ、周りの人間からは慕われている姿が描かれていました。
トウリの立ち回りも最悪でした。やたらと龍司を庇うし、やたらと龍司に優しい。
極めつきは、トウリが「お兄ちゃんが嫉妬してる……。龍司さん、このやりとり定期的にお願いします」と抜かしやがった。
男女逆にして考えてみてください。嫉妬しているカノジョにむかって、「お前が妬いている姿を見たいから、もっと他の女と仲良くするわ」みたいことを言っている男がいたら最低でしょう。冗談でもいけませんよこんなの。
そもそも恋人関係に必要なものって「特別感」だと思うんですよね。女の人はよく言うじゃないですか。「私にだけ優しくしてほしい」と。
男だって好きな女から特別扱いされたいんですよ。博愛主義みたいなものを強調されても、何も良いことはありません。
ということで、この発言により、お気に入りだったトウリにたいする感情が一気に冷めました。怒りをとおりこして虚無になりました。
ライターさんは、「過ちを犯した人間でも許される優しい世界」を描きたかったんでしょうか。その考え方はリスペクトしたいと思います。
しかし、キャラクターの印象を回復させたいがために、周りにヨイショさせまくるのは不快でしかありません。退学にならず、会長には庇われ、なにも失っていないどころか、美味しいところを持っていったのも気に食わなかったです。もっとトウリとの恋愛ストーリーを見たかったのに、こんなにもルックスも性格も不快な男が、出番を持っていったのがとにかく頭にきました。せめてストーリー展開が面白かったのならば許容できたのですが……。
私だったら、さらなる巨悪を登場させて、主人公はそれに立ち向かい、ヒロインは主人公のことを懸命に支える。主人公がピンチに陥ったときに、かつて敵対したいたはずの龍司に助けられる……みたいな展開にしたと思います。そうすれば、龍司の株が多少なりとも回復していたでしょうから。
他のルートは楽しめたんですが、トウリルートだけは致命的に合わなかった。本当に本当に不快で、クリアしてから２ヵ月半経っている今思い出してもムカムカがおさまりません。少しでもイライラがおさまってくれればと思いセレオブの記事を書いたといっても過言ではない。
大多数のユーザーの求めているものとのズレがなおれば、評価されるライターさんだと思いますけどね。テキストは平易で読みやすかったですし。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音あり（小）。アナルモザイクなし。
イヴのケツがエロくて最高でした。
まとめ
ココがイマイチ
- 共通ルートで示した方向性とは違う個別ルート
- 右クリックするとボイスが停止する
- トウリルートが不愉快だった
- 魅力的な攻略不可ヒロイン
ココがおすすめ
- イヴが可愛かった
- キャラクターデザインが良い
- 世界観や設定に見どころがある
- エッチシーンには力が入れられていた
- 奏命・イブ・くくるルートはキャラ萌えゲーとして良質
イラスト目当ての人や、ヒロインとのイチャイチャ目当ての人におすすめします。
ファンディスクが発売したら購入しようと思っているぐらいには好きな作品です。
＼ ＳＨＡＲＥ ／