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たとえそれが過ちだとしても
ラブesエム(Noesis) | |
ゲーム属性グラフ | |
ジャンル ―― ソフトSM | |
発売日 ―― 2013年08月30日 | |
パッケージ版価格 ―― 3,000円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 2,800円(税抜) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★☆☆ | |
満足度 | |
作品の紹介
つねづね疑問に思うことがある。
「私ってMなんだよねー」という女の人についてだ。
「じゃあお前、今からその服ひん剥いて、縄でしばって放置したろかい!」とか思うんですが、まぁ私も分別がある大人なので、「へーそうなんだ」と返します。
けっきょっく世の中に蔓延る「自称M」のうちの大半が「ソフトM」であって、彼氏にちょっとした言葉責めだったりイジワルをされたい程度の覚悟しかなく、やつらは“ホンモノ”ではないのです。
私はというと「S」を自称してはいるのですが、まだまだ全然“ホンモノ”には及んでいないでしょう。
そういう私みたいな自称S性癖を少しでも“ホンモノ”にさせようと試行錯誤しているのが今回紹介する「ラブesエム」です。
まぁなんかすっげーテキトーな導入となりましたが、つまりはソフトSMゲーでして、S嗜好をお持ちの方向けの作品となっております。
私が所持しているのはダウンロード版です。
攻略情報など
プレイ時間
全ルートをクリアするまでのプレイ時間は、ボイスをほとんど聞いて6時間ちょっとでした。最初のエッチシーンまでは30分~1時間です。
攻略
ロープライスの作品にしては選択肢がおおめですが、自力攻略は簡単です。
推奨攻略順
推奨プレイ順はとくにないので、お好きな順番でどうそ。
Hシーン
卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクあり。
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。
パッチ
なし。
どんな人向け?
- Sな人
- ソフトSM嗜好のある人
- 珈琲貴族さんの絵が好きな人
- 楽曲に惚れ込んだ人
感想
主要キャラクターを紹介
主人公の1つ年下の幼なじみで、彼女。活発で明るい性格。
主人公の姉。学園で生徒会長をやっている優等生。
水城 由人
主人公。杏仁豆腐をレンチンするレベルのポンコツだが、なぜモテるのか……。中盤にでてきた立ち絵をみて納得。
……イケメンやんけ!
彼は、相手を嗜虐するのが好きなわけでなくて、そうした行為を「受け入れてもらいたい」「許されたい」……それがSMを好む理由です。なので信頼関係をむすんだうえでSMプレイに興じたいという、ある種の美学をもっていたことに関しては良かったです。
ストーリー展開とエッチシーンの傾向
ストーリーに関しては、彼女もちの主人公が自分の性癖である「SM趣味」をひた隠しにしていたのですが、真面目に生きてきて鬱屈した感情をかかえていた姉とともに「プレイメイト」としてそういう関係を結ぶようになるという、インモラルな雰囲気のただよう三角関係ゲーでした。
©Noesis
なにがエロいって珈琲貴族さんの絵もバツグンにエロくてやばいのですが、普段は立場がうえであるはずの「姉」が、学園では真面目でみんなに慕われている「生徒会長」が、こうして主人公と関係を結ぶようになって、「敬語」でしかも「ご主人さま」呼びで、主人公の嗜虐嗜好をうけいれてくれることです。
普段とのギャップが半端なくて、SM趣味をもっていない方でもたぶんそれなりのエロさは感じるはず。
プレイ内容は「ソフトSM」の範疇におさまるもので、ハードなシーンもないですし、信頼関係をむすんでお互いに納得したうえでプレイに及んでいるので、この手のジャンルに手をだしてみたい人にもおすすめできます。
©Noesis
もちろん姉だけでなく、途中からは彼女の「あやか」ともSMプレイをするようになります。とくにこの首輪をつけて校内をお散歩させるシーンなんて、最高すぎて「まじサイコー」って言葉しか出てこなかったですね。
プレイ内容は、ボンテージを着させたり、縄で縛ったり、ギャグボールを咥えさせたうえでの正常位や騎乗位など、比較的軽めのプレイがおおいです。
野外露出をさせたりローターを仕込んだりなど、ちょっとした羞恥プレイもあります。
特殊なところでいうと、風呂の中(水中)でイラマチオしたり、浣腸をしたうえでのセックスだったり、電極をつけてのセックスだったり、蝋燭をたらしたり、ムチ打ちしたり、剃毛プレイをしたりですね。
気になったところ
気になったところといえば、まずはテキスト。話し言葉が丁寧すぎるのです。
もう少し「ら抜き言葉」だったり「い抜き言葉」だったり、会話として自然なものにしたほうが違和感なく読めたと思います。
あとはストーリー展開。前述したとおり、導入や中盤はよかったですし、なかなか実用性も高いと思ったのですが、後半の展開はなんだか微妙に。
当然といえば当然なのですが、彼女がいながら姉と関係をむすんだせいで、それを元にしたトラブルが起きるのです。その展開が少々面倒くさかったといいますか、印象が悪くなってしまいました。
曲がカッコいい
Mask / aya Sueki
シャレた楽曲とムービーがとっても魅力的な作品。歌唱曲だけでなくBGMも折倉俊則さんが制作されていて、雰囲気がいいものが多いです。
残された謎
物語の序盤、中盤、終盤にちょろっと登場する、なんだか曰く付きのおっさん。
©Noesis
この存在感のつよすぎる風貌に、「こ、これはまさかっ、寝取られバッドエンド展開があるのかっ!?」と警戒しまくっていたのですが、まったくなんのこともなしに、なんの活躍もすることもなしに終わりました。
お前はいったい誰だったんだ!?
まとめ
ココがイマイチ
- 卑語なし
- システム面や演出は普通
- 後半に面倒くさい展開になる
- 主人公にあまり魅力を感じない
- ハードなSMを求めている人には合わない
ココがおすすめ
- 珈琲貴族さんの絵が最高
- SMにたいする美学があった
- プレイ中は、敬語でご主人さま呼びになるギャップがすごい
- 少なくとも中盤くらいまでは良かった
- SM入門者にもおすすめ
- 曲がカッコいい
プレイする価値はある作品だと思いますが、完璧だとは言えなかったですね。
珈琲貴族さんの絵が好きな人、ソフトS嗜好がある人、楽曲に惚れた人におすすめしておきます。
鶴谷 あやか
CV:夏野虹花