3,722字
夏――
またこの地に戻ってきた
なないろリンカネーション(シルキーズプラスWASABI) | |
ジャンル ―― 涙あり笑いありのホームコメディADV | |
発売日 ―― 2014年09月26日 | |
パッケージ版価格 ―― 8,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 7,537円(税込) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★★★ | |
満足度 | |
作品の紹介
私は「霊」が苦手です。
いくら鍛え抜いた鋼のボディをもつ私とて、霊にはかなわない。
若かりしころ車で友人と心霊スポットにいったのですが、廃墟をめぐってから車に戻ってきたら、停めておいた車を警察がとり囲んでいたんですよ。
怪しいものを所持していないか徹底的に調べられました。
だから霊が苦手なんです。(関係ないじゃん)
今回紹介する【なないろリンカネーション】は、私の霊嫌いを克服するきっかけとなった思い出深い作品です。
涙あり笑いありのホームコメディADV。
いろんな人にプレイしていただきたい良作です。
私が所持しているのはダウンロード版です。
攻略情報など
プレイ時間
私の全ルートクリアまでのプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて15時間ぐらいでした。最初のエッチシーンまでは50分です。
攻略
選択肢はそれなりにあるのですが、自力攻略はそんなに難しくないかと。
琴莉と遊園地で遊ぶエピソードがあるのですが、そこで出てくる選択肢は自分の意志で選んでほしいという気持ちはあります。
攻略順
お好きな順番で大丈夫なんですが、琴莉の重要なエピソードが共通ルート部分に入っておりますので、ストーリーの流れを重視するならば琴莉ルートを最初にクリアすることを勧めます。なかには琴莉ルートを最後にまわしたほうが余韻が良いとの声もあります。
私のプレイ順は『 琴莉エンド1 → 梓 → 伊予 → 由美 → 琴莉エンド2 』でした。
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。
どんな人向け?
- テンポよく読めるコンパクトにまとまった作品を求めている人
- 切ないお話が好きな人
- 死生観をあつかった作品が好きな人
- すめちゃん先生の原画が目当ての人
- 個性的なキャラクターによる楽しい掛け合いを求めている人
感想
どんなお話?
主人公の家は先祖代々、町にさまよう霊魂を、できるかぎり霊の望むかたちで成仏させる「お役目」を担っていました。
そのお役目を継いだ主人公は、鬼や座敷わらしといった人ならざるものの力を借りながらも霊をおくる仕事に奔走することになるのです。
本作【なないろリンカネーション】の見どころは大きく2つありまして、それは「家族」と「死生観」です。
主人公である真は、鬼や座敷わらし、はじめてのお役目で出会った少女などなど、血の繋がりのない面々とともに霊をおくる仕事をします。そんな彼女らと過ごす楽しいひととき、ホームコメディとしての側面が1つの大きな魅力でしょう。
そしてもう1つ、死生観について。
霊の望むかたちで成仏させるためには、対話をすることが必要になります。
彼ら彼女らは、どのような無念をもって亡くなったのか。その無念を晴らすことができるのかどうか。死と現実との折り合いをつけるにはどうすればいいか。
また、霊と接していくうちに情も移っていくでしょうから、お役目をまっとうすることが辛くなることもあるのです。
これ以上ウダウダ説明しても仕方ないでしょうから、短くまとめますと、
楽しげなホームコメディとしての側面がありつつ、どこか切ないエピソードが織り交ぜられた、ホラーテイストな作品です。
キャラクターについて
滝川 琴莉 CV:秋野花
主人公の真が、はじめてのお役目のときに出会った女学生。
なないろリンカネーションは、琴莉のエピソードにかける比重がつよいため、他のヒロイン目当てだと割りを食うかもしれません。
でも琴莉を嫌う人はいないんじゃないかってぐらいには良い子です。可愛い。
土方 由美 CV:星咲イリア
主人公の大学の同期。
口元にホクロがあってめちゃくちゃエッチ。笑
見た目はいちばん好みです。
伏見 梓 CV:かわしまりの
新米刑事。
主人公たちのお役目を協力する立場にあります。
伊予 CV:真宮ゆず
主人公の家に住まう座敷わらし。なんとなく座敷わらしといえば「黒髪パッツン」のイメージだが、まさかの金髪。大半はジャージ姿でおデコを出しているんですが、そんな姿も可愛い。
主人公のことは普段は「真」と呼んでいるけれど、たまに「まこちゃん」と呼ぶのが好きすぎる。
加賀見 真
本作の主人公。
鬼の力をかりながら、霊魂を救う「お役目」をまっとうします。
エッチシーンについて
卑語少しあり。ピー音なし。アナルモザイクあり。
けっこうコンスタントにエッチシーンをはさんでいて、飽きづらい作りになっていました。
エッチシーンでまず目を引くのがやはりビジュアル的なエロさ。
そして鬼は主人の精液をほしがるという設定もあり、「ザ・エロゲー」なところも良し。
桔梗のフェラチオとか、アイリスがイキまくるシーンとか、由美と猿のようにヤリまくったりだとか、実用的なシーンもいくつかありました。
唇をしっかりと色っぽく描けているので、フェラシーンが映えます。素晴らしい。
一部のエッチシーンの最中にギャグを挟んでいるところは好き嫌いが分かれそう。私は不覚にも笑ってしまいましたが。
特徴
- 個性豊かなキャラクターの掛け合いが楽しい
- 人によって好きな結末が異なるかも
- 切ないエピソードや心に残る結末
- ハーレムちっくな作風
- 読みやすい文体ですが、ときおり黒いものが滲みでている
- ホラーテイストな一面や、ある意味ショッキングなシーンもあり
まとめ
ココがイマイチ
- 設定上仕方ないが、メインヒロイン以外を目当てにしてはいけない
- 共通ルートのスキップが面倒くさい
- もっといろんなお役目を果たすところを見たかった
ココがおすすめ
- めちゃくちゃ切ないシーンがある
- 掛け合いが楽しい
- グラフィックがきれい
- キャラクターが個性的
- ワッと驚くようなストーリー展開
公式ジャンルである「涙あり笑いありのホームコメディADV」が、この作品の魅力を表していると思います。
もし気になる方がいらっしゃったら、体験版だけでもプレイしましょう。
パッケージ版
ダウンロード版