【神様のような君へ】の感想

5,366文字

明日へと続く、君との今。

神様のような君へ（CUBE）
ジャンル　――　ADV
発売日　　――　2020年03月27日
パッケージ版価格　　――　9,800円（税抜） ダウンロード版価格　――　9,680円（税込）
スタッフ 原画 カントク SD原画 胡麻乃りお 背景 わいっしゅ シナリオ むらさきゆきや／岩波零／三河ごーすと
あらすじ ハッキングが得意な青年――城前塊斗（しろまえかいと）。 塊斗は学生にもかかわらず、最高レベルのプロテクトを ハッキングで突破することで、 無数のAIを統括するC‐AI（セントラル・エーアイ）への命令権を得る。 人が生きるために必要なインフラストラクチャーの大半は、AIにより最適化されている現代。 どんなことでも可能になった塊斗は命令する。 「この俺、城前塊斗のことを大好き、という女の子と会わせてほしい！ 目がぱっちりかわいくて、優しく甘えさせてくれて、あと、巨乳で！」 ただし回答は……『該当者なし。検索結果は0件』 落胆する塊斗だったが、AIは深夜のロボット工場を起動し、 塊斗がオーダーしたとおりの容姿のロボットを製造する。 そして数日後、塊斗のイメージした通りの少女――ツクヨミが現れる。 ツクヨミは人間離れした身体能力を持ち、塊斗に絶大な好意を抱いている。 しかし、AIであるため、常識がない。 まだ塊斗の理想に届いてないと判断したツクヨミは、 ‘‘大好き’’を完璧に表現しようと決意する。 ――神様のような君。 理想の女の子（だけどロボット）と出会った塊斗には、 果たしてどんな未来が待っているのか？

評価

​

評価	おすすめ度
	★★★☆☆
	満足度

作品の紹介

人には誰しも「良い面」もあれば「悪い面」もある。

人の性格をかんたんに一言二言であらわすなんて、そうそうできるもんじゃありません。

そんな単純な話ではないのです。

エロゲだってそう。

単純に「〇〇ゲーだ」と言い表せないことだって、往々にしてあるのです。

今回紹介する【神様のような君へ】は、どのような作品かを言い表すのが難しい。

つまりは、

©CUBE（画像の転載は禁止です）

ってことです。

攻略情報など

攻略

選択肢が数ヵ所あるのですが、分岐に関係するものには、キャラクラーのアイコンが表示されています。関係のない選択肢はお好きにお選びください。

アイコンの表示されている選択肢をえらぶと、そのキャラの個別ルートに入れます。

とくに攻略サイトは必要ないでしょう。

ラナルートと霧香ルートに関しては、一番最後の選択肢にバッドエンド分岐が用意されています。

攻略順

推奨攻略順に関しては、なんとも言えません。みなさん好きなキャラのルートがバラバラだからです。

個人的には、ツクヨミルートを最後にするのが１番ハズレのない選び方だと思います。

システム

バックログ画面からのシーンジャンプ機能あり。

アイキャッチがおおいですが、右クリックで飛ばせます。

セーブ画面がフォルダー階層式になっているのが面白い。たくさんセーブする人にとっては、整理しやすくて便利ではないでしょうか。

「EXTRA」の「回想モード」にて、エッチシーンが基本CGごとにサムネイル化されているのがあまりにも素晴らしい。

こうすれば「あの構図のエッチシーンってどれだっけ？」とならずに済みます。

どんな人向け？

感想

概要

ハッキングが得意な主人公の「城前 塊斗しろまえ かいと」は、最高レベルのプロテクトをほこる【C-AI（ｾﾝﾄﾗﾙ・ｴｰｱｲ）】のハッキングに成功します。

C-AIは、無数のAIを統括しているので、AIが生活に密接に関わっているこの世界においては、「万能」と言ってもいいほどの力をもちます。

そのC-AIの力をもってして、自分の理想の女性を検索するのですが……

このような悲しき結果に……。

しかし後日、塊斗のもとにツクヨミと名乗る少女＜ロボット＞がやってくるのです。

どうやらC-AIは、マスターである塊斗の願いを叶えるために、彼が理想とした少女をつくりあげてしまったのです。

【神様のような君へ】は、このような近未来の世界を舞台に、ツクヨミをはじめとしたヒロインたちとの、紆余曲折のある恋愛ストーリーが楽しめる作品です。

キャラクターについて

ツクヨミ　CV：夏和小

塊斗のもとへとやってきたロボット。塊斗にたいする愛情が100％で、つねに塊斗のことを想って行動をしているので、めちゃくちゃ健気で可愛かったです。

ラナ・リデル＝ハート　CV：春野美波

『シャーロック・ホームズ』が好きなイギリス人。ホームズのコスプレをしているだけの変人ではなくて、実際に探偵の仕事をしていて、推理力は大したもの。

朝倉 霧香あさくら きりか　CV：明羽杏子

人目をはばかって行動している「ぼっち」系女子。

実は歌とダンスが得意で、極めて優れた才能をもっています。

黒鳳 玲音こくほう れいん　CV：実羽ゆうき

魁斗の通う学園の学生会長。優等生のように振る舞うが実は……。

ソフィア・リデル＝ハート　CV：奏雨

ラナのお姉ちゃん。ソフトウェア研究開発会社の社員。ラナもソフィアも幼少期から塊斗との面識があります。

神無月 愛彩梨かんなづき あいり　CV：小鳥居夕花

バーチャルアイドル「神無 愛莉かみな あいり」として活躍する少女。

好きなキャラ

１番は霧香ちゃんです。ルックスも好きですし、うろたえて真っ赤になっちゃうところも良い。デレてからの甘えてくる姿も可愛い。

そして次点でツクヨミ。彼女の無償の愛が美しい。

というか、みんな可愛い。

エッチシーンについて

卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクなし。

卑語はなかったものの、尺はしっかりととってありましたし、ありきたりな正常位ばかり……ということもなく、まんべんなく色んなエッチシーンが用意されていました。

３Ｐも豊富で、複数プレイが好きな人ならば満足できるでしょう。

また、カントクさんの描く、快楽に溶けるヒロインの表情がドチャクソエッチだったので、まじでドスケベ・ザ・エッチセックスでしたね。

精液量もおおくて申し分なし。

ハイライトシーン

黒鳳玲音の猛攻にたえられるやつおんのか？

私は、もう連敗しまくりでした。

可愛らしいキャラクターデザインで、こうも激しいチュパ音のフェラをやられて、勝てるはずがありません。

まさにドスケベ・ザ・エッチセックス。

長所や短所

絵や背景がキレイ

まずカントク絵が最高。キャラクターの可愛さが何倍にも昇華されています。

多彩な表情や、独特なポーズも印象にのこっていて良い。

そして、わいっしゅさんの描く背景もめちゃくちゃ美麗でした。

ハーレム展開あり

私は好きなのです。ハーレム展開。とくに霧香と愛彩梨がとりあう展開になる愛彩梨ルートの中盤までが最高のハーレム感でした。

それぞれ違った毛色の個別ルート

むらさきゆきやさん、三河ごーすとさん、岩波零さんの３名のラノベ作家が、各ルートをそれぞれ担当しているため、ルートによって違った特色があります。

ネタバレなしでいうと、一昔まえのキャラゲー・シナリオゲーのような展開になっておりまして、けっこう重めのシリアスシーンを乗り越えてヒロインとの幸せを掴む……というのが基本構成です。

それぞれのルートで、主人公お得意のハッキングの能力を活かして、ヒロインを手助けする展開も共通しています。

ネタバレ感想

ネタバレあり（クリックで展開）

 

■ツクヨミルート

ツクヨミを喜ばせるためにはどうすればいいのか、如何にすればサプライスになるのかと考えながら行動する塊斗くんが最高でした。

なによりもツクヨミが本当に可愛い。ツクヨミが嬉しそうに幸せそうにしているだけで、こちらまで幸せな気分になりました。

エピローグがなかったものの、エンディングの最後の絵の見せ方もうまいですし、キレイに終わらせていたと思います。

 

■玲音ルート

玲音がクソエロかったし、彼女がどう動くのか読めない部分もあり、面白いルートでした。短めながらも恋愛描写が良い。

最後はツクヨミと玲音との３Ｐをしてエンディングにはいったのですが、ツクヨミと玲音がケツをならべて、精液まみれになりながら、幸せそうなアクメ顔をさらしたままエンディング曲が流れだしたときには「センス抜群か？」と思わずつぶやいてしまいました。

 

■ラナルート

ラナは可愛いなぁと思っていたら、幼児退行してしまい、ルートの大半がその状態だったのは非常にもったいなかったです。

しかしこのような指を加える立ち絵なんかは、めったに見られるものじゃないですし、笑えました意外と好きでしたよ。

〆の部分がいささか性急ではあったのですが、キレイに終わっていましたし、私は好きなルートです。

バッドエンドに関しては、外出しぶっかけ派の私は、最初は気づきませんでした。笑

 

■ソフィアルート

幼児退行してしまったラナの介護疲れをきっかけに、塊斗とソフィアが関係をむすんでしまうルート。

アルコール中毒＆セックス中毒になる必要があったためか、ひたすらセックスしている印象があったので、ルートとしての面白みや恋愛描写のよさは少なかったですね。

 

■霧香ルート

私よりも先にクリアした人たちからの評判がいいようですし、霧香が１番のお気に入りヒロインだったためか、１番期待していたルートです。

実際に中盤までは、塊斗が男らしくストレートにアタックしたり、霧香がデレてクッソ可愛くなったり、ちょっとしたことでお互いドギマギしていて、抑えきれないほどの幸せに溢れた素晴らしい展開でした。

しかし、後半にはいると一転、度を超えたシリアス展開が待っていました。

今までの人生は（事故にあって以降）すべて監視されていて、それを不特定多数の人たちに見世物にされていた。さらには霧香のご両親や親戚は、悲劇を演出するために殺されていた……という衝撃の事実。

あまりの怒りに、西野カナなんか目じゃないぐらいに震えましたよ。

 

ネット社会となった現代ですが、Twitterなんかを見ていると、ちょっとでもおかしな発言をしていたら晒し上げたりパクツイをしたり、間違っていると思ったら「正義」という名の大義名分をかかげ、集団で攻撃する。

誹謗中傷や、悪意のある発言、差別、悪口、陰口、エトセトラエトセトラ……。

なんとなく、私が日頃から（意識していなかったにも関わらず）脳に負担がかかっていた、こうした「負」の感情の数々が、霧香ルートをプレイしていたら、のしかかってきたというか、意識せざるをえなくなり、異常にストレスがかかりました。

 

けっきょくこの展開が晴れたところで、マイナスがゼロに近づいただけで、脳にかかった負荷がそのまま残っていて、あまり楽しめませんでした。

しかも、他のキャラのルートをプレイしても「霧香は見世物にされたままなのか」と意識してしまい楽しめなくなる始末。まさか2020年にもなって、Kanon問題を意識させられるとは。

 

中盤までは好きでしたし、ライターさんのテキスト自体は好きです。プロットがあまりにも合わなかった。

霧香と塊斗の幸せな未来を予感させて終わったことは良かったです。

 

あと、最後の決断を選択肢にして迫ったのは上手いと思う。どっちがバッドかはすぐに分かったんですが、数秒間は迷いました。

 

■愛彩梨ルート

中盤までのハーレム感が最高でしたし、愛彩梨との関係が深まっていくエピソードも素晴らしい。好きなルートです。

ひたむきに頑張る愛彩梨の姿に胸をうたれました。

あと愛彩梨の笑顔の立ち絵、可愛すぎか？

 

まとめ

思っていた以上に尖っている作品で、どのルートを好きかが大きく分かれそうな印象。

でもでもカントク絵は堪能できましたし、キャラ萌えとエッチシーンに関しては十分に満足しています。

シリアスなシーンもどんと来いって人ならば買いましょう。