【キラ☆キラ】の感想

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【キラ☆キラ】の感想

古城

6606文字

 

 

キラ☆キラ
公式ジャンル青春恋愛ロックンロールADV
メーカーOVERDRIVE
発売日2007年11月22日
通常価格8,800円(税抜)
ダウンロード価格3,055円税込
鬱/青春/バンド/フルプライス/廉価版あり

高鳴るリズム 響けば キラキラ 光る

あらすじ/主要スタッフ(クリックで展開)

【あらすじ】

前島鹿之助はミッション系の学校 『欧美学園』 に通う学生だ。

部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずにアルバイトに
ばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。

そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子 『椎野きらり』 と
出会い思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、
鹿之助の物語が始まるのであった。

バンドのメンバーは、鹿之助、きらり、幼馴染の 『石動千絵』、
それから病弱な資産家令嬢の 『樫原紗理奈』。

バンド名は第二文芸部
昨日楽器を始めましたファッキン!

彼らは、存在感のほとんどない、もう廃部も決定してしまった
『第二文芸部』 の部員たちである。
最後の晴れ舞台、文化祭で目立つために立ち上がったのだ。

無謀かと思えた挑戦だが、エキセントリックな特訓を繰り返し、
平和だった欧美学園にロックの騒乱を引き起こしつつも
文化祭ライブを成功させてしまう。

これでもう満足。バンドは解散。
普通の学園生活に戻るはず…だった。

今って時間は取り戻せない。だから僕等は旅に出るんだ

だけれども、最後にライブハウスで行った演奏の模様が
インターネットで配信されると、彼らの元に地方の
ライブハウスから出演の依頼が舞い込んでしまう。

どうしよう? もう受験だよ? 家族も反対してるよ?

知ったことか!

そして四人は今にも壊れそうなオンボロワゴンに
楽器と夢とそれぞれの期待を積み込んで
学園生活最後の冒険として長い旅に出発してしまうのであった。

「まずは名古屋だ!」

【主要スタッフ】

企画・プロデュース竹内”bamboo”博
ディレクション楢崎陽
シナリオ瀬戸口廉也
原画片倉真二
SD原画藤丸
音楽milktub/第二文芸部
ゲーム属性

評価

ストーリー
テキスト
キャラクター
演出
システム:6
ゲーム性:5
CG:7
Hシーン:5
BGM
主題歌


おすすめ度:★★★★★


満足度 84 点


 

 

 

作品の紹介

 

 

なぜオタクはメガネなのか。

なぜ世の中のメガネたちはピュアなのか。

なぜ世の中のメガネたちはアニメやゲームにはしるのか。

 

 

青春とはなんぞや。

パンクって何? ロックって何?

そんな数々の疑問が湧いてきたあなたにおすすめするのは、キラキラとした青春のきらめきを描いた作品である「キラ☆キラ」。

 

 

ロックンロールを題材とした作品でして、バンドを結成して活躍することにより知名度や人気をあつめるというサクセスストーリーから、さまざまなトラブルや挫折の経験まで、明るく楽しい部分から、暗く苦しい部分までをリアルに描いた良作です。

 

 

この作品をプレイすれば、青春とは何か。パンクやロックとはどういうものか。その答えが分かるかもしれません。

ちなみに、なぜオタクがメガネなのかの答えは分かりませんし、アニメやゲームや漫画のせいだとかそんな回答はどうでもいいのです。忘れてください。関係ない話でした。

頭をロックンロールモードに切り替えて、この続きをお読み下さい。

 

 

所持購入動機プレイ前期待値

私が所持しているのはパッケージ版です。

ライターを目当てにしていたのと、バンドをやっていたことがあるので興味が強かったです。

当時普通にパッケージで買ったのですが、(自分でも覚えていないですが)なぜか廉価版の方も買っていました。

プレイ前期待値:80

プレイ後満足度:84

 

 

 

どんな人向け?

 

 

  • パンクロッカー
  • バンドにかける熱い青春を感じ取りたい人
  • ズシッと重く心にのしかかるシリアスシーンを求めている人
  • 心情描写の細やかな作品を求めている人
  • 繊細な人間

 

 

 

ストーリーについて

 

 

主人公 前島 鹿之助まえじま しかのすけ は、彼女に振られて失意の日々をすごす。部活には顔をださず、受験勉強をするわけではなしに、ただアルバイトに精を出す毎日をおくっていた。

そんななか出会った少女 椎野 きらりしいの きらり と、 STAR GENERATIONスター ジェネレーション というバンドのライブにいき感銘をうける。

 

 

Chapter1

そこで廃部寸前の「第二文芸部」の文化祭の出し物として、ライブを行うことに決め、エキセントリックな練習をこなし、いざ本番を迎える。

 

 

Chapter2

ライブは無事成功におわり、第二文芸部バンドは解散するかと思われたが、最後におこなったライブハウスでの演奏が、インターネット配信により人気をあつめ、全国ツアーをする運びとなった。

夢と楽器をつめこんだボロボロのワゴン車で、各地を巡りつつ、ときにはライブで成功をおさめ、またあるときには手痛い失敗をしながらも青春の日々を送ります。

 

 

Chapter3

Chapter3以降は、全国ツアー中に仲良くなった特定のヒロインとの個別エピソードとなるわけですが、それぞれのヒロインや主人公がかかえる問題に直面する、シリアスな展開となります。

 

 

Chapter2までの、楽しく苦しく時にはハチャメチャな青春の日々。そしてChapter3以降の、胸をうつ重く詳密な心理描写と、どこまでも現実的なストーリー展開。

その2つの魅力をもつ作品だと言えます。

 

 

 

攻略情報

 

 

プレイ時間

私のクリアするまでのプレイ時間は、ボイスをほとんど聞いて30時間ほどでした。最初のエッチシーンまでは(選択肢にもよりますが)10時間ぐらいです。

 

 

攻略

自力攻略はそんなに難しくありません。攻略が楽しいタイプの作品ではないので、攻略サイトを見てのプレイでも大丈夫でしょう。

一番効率のいい攻略サイトはこちら

フラグデータも書かれている攻略サイトはこちら

 

 

攻略順

私のプレイ順は『 千絵 → 紗理奈 → きらり 』でした。

お好きな順番で大丈夫ですが、きらりエンドは後にまわした方がいいかもしれません。

 

 

体験版

体験版はこちら/DMM GAMES

 

 

 

キャラクターについて

 

 

椎野 きらりしいの きらり

ボーカル担当。

明るく前向きで、自分のことよりも他人のことを優先できる心優しい少女。

 

 

樫原 紗理奈かしわら さりな

ギター担当。

資産家のお嬢さま。病弱で学校を休みがち。穏やかな性格なのですが、これと決めたら譲らない一面も。

 

 

石動 千絵いするぎ ちえ

ドラム担当。

鹿之介とは幼なじみの関係で、家庭の事情により留年をしているために同学年でありながら年上のお姉さん。

 

 

前島 鹿之助まえじま しかのすけ

ベース担当。主人公。

バンド活動中は、やむを得ない事情により女装をして「前島 鹿子」として活動することに。

 

 

お気に入りヒロイン


紗理奈!

 

 

 

感想&見解

 

 

ネタバレ(クリックで展開)

 

 

Favorite


©OVERDRIVE

1.パンクロッカーは何事にも従ってはいけないアナーキーの精神

2.パンクロッカーは自分の行動に保険をかけてはいけないノーフューチャーの精神

この2つを体現するために言葉に「ファック」「シット」「クソ」を織り交ぜて会話をするという件は面白かったです。

 

 


©OVERDRIVE

文化祭前夜にこっそりとセックスをしていた吉田くんと林さんをギャグに昇華したシーンも笑いましたね。

それにしても吉田くんは初エッチだったはずなのですが、林さんをイカせるにまで至ったのは凄いですね。吉田くん、エロゲの主人公になる才能あるよ。

 

 

 

Least favorite

逆に苦手なシーンといえば、きらりがギターの怨念にとりつかれて、目のハイライトが消えた状態で登場したシーン。

急なホラーチックな展開にゾッとしました。あれは心臓に悪い。

 

 

 

恩田 正雪おんだ まさゆき

ストーカーまがいの恩田くんが、鹿之介との愛を掴むためにまさかの性転換をするというぶっ飛んだルート。

でもすべてのルートのなかでも恩田ルートこそが、永遠の愛安定した生活の望める、ある意味ハッピーエンドともいえる展開なのかもしれないですね。

 

 

 

樫原 正次かしわら まさつぐ


©OVERDRIVE

きらりルートも当然好きなのですが、それと同等以上に個人的に刺さったのは、頑固だった正次さんがついに弱さをみせてしまうシーン。正直、正次さんの波乱万丈な人生に共感しまくっていた私はここで堪えきれずに泣きました。

強いと思っていた人がふと弱さをみせるのは、けっこうショッキングなものですよね。

 

 

正次さんは、幼少期に親兄弟が亡くなっており、皆が亡くなる前の楽しかった日々「その時に抱いていたキラキラした気持ち」を取り戻したくて息子には自分の考えを押しつけていました。

そのような行動が結果としては、息子とスレ違いになったまま永遠のお別れをすることに繋がってしまいます。

そのことを理解していても、認めるわけにはいかなかった……。

 

 

しかし鹿之介紗理奈の2人(当時の息子たちの状況とかぶる2人)が、何度も自分たちの関係を認めてくれと懇願してくるうちに、ついに折れてしまった。そして認めることとなる。

自分の人生は失敗だったと。

 

 

抜け殻のようになってしまった憐れな老人ですが、すべてを認めて空っぽになってしまえば後は上向いていくだけなのかもしれない。

鹿之助は今後もここに遊びに来ていいかと聞き、これからゆっくりと正次さんと向き合っていくことを決め、正次さんもそれを受け入れる。そんな少し前向きな進展を見せて物語の幕が閉じました。

 

 

 

きらりルート2

トゥルーエンドに位置するきらり生存ルート。

きらりのお父さんは自傷してしまい、鹿之助は助けるべきか見捨てるべきか迷っていたために、結果としては救助がおくれて見殺しにしてしまう。

けっきょく鹿之助はこのときすぐさま助けを呼んで父親が助かったとしても、きらり達にまた迷惑がかかり不幸な目にあうことで、「あのとき俺が、きらりの父親を助けてたから……」と自責することになっていたんだと思う。それほど「優しい」人間だったのです。鹿之介という男は。

 

 

「鹿クン、世の中には、悲しくて寂しいことがいっぱいあるね」

きらりはそんな救われないものを抱えている人たちに気持ちを届けるために歌手デビューすることを決め、鹿之介のそばで彼をずっと支え続けることに決めます。わだかまりを抱えつつもハッピーエンドの体をなしているルートでした。

 

 

 

きらりルート1

このルートこそがこの作品の真骨頂だとすら思える、重くシリアスな展開を描いたルートです。

物語の序盤のほうで、「ロックは熱いハート」だとか「パンクロックはスパークだ」とか説かれていたわけですが、つまるところキラ☆キラは、前島鹿之助が好きな女をみつけて、もしくはやりたいことを見つけてロックンローラーとなるお話だと思います。

 

 

何でも器用にこなせる性質なせいか、何事も続かなかった鹿之介は、やっとこさ続けることができたテニスで挫折してしまう。

当時付き合っていた彼女からは「心がない」と振られてしまう。

そんな空っぽな彼が、大事なものを見つけたりすることによりロックンローラーないしはパンクロッカーとなっていくお話なのだと思うのです。

 

 

このきらりルート1では、大切な人(きらり)を見つけるも、それを残酷な形で失ってしまいます。

何年も失意のなかを抜け殻のようにただ生きていて、「恋人の死」という事実を避けるかのようにバンド活動をしているのですが、過労や生活習慣の乱れにより倒れてしまいます。

 

 

倒れてからは療養しなければいけなくて「暇な時間ができた」ことにより、彼は「きらりの死」と向き合うことになるのです。

倒れるまえの時期にバンドのボーカルであるアキにメジャーデビューのお話がきていて、きらりと被るところのあったアキが自分と袂を分かつかもしれないという状況に陥ったこともその一因でしょう。

 

 

そしてきらりの幻影に導かれて当時の状況と向き合うことで、彼は涙を流すのです。

このときに本当に「彼女の死」という現実を受け止めることができたのでしょう。


©OVERDRIVE

 

 

そして彼の人生はこれからも続いていくわけですが、この後に行われるライブのシーンにて「この物語」の最後の曲の前口上としてこう言います。

命をかけて演奏します。

この、くそったれな世界に、精一杯の愛をこめて。

これは彼が過去に囚われていた状況から脱して、今この瞬間に全てをかける(=スパークする)というパンクロッカーになったことの表現なのでしょう。

毎回「命をかけて演奏します」と言っていた、今を生きていたきらりとどこか被るような、そんな鹿之介くんの姿が見られて大満足でしたよ。

地の文章で、一人称が「僕」だったのも、このパンクロッカーとなった鹿之介くんが振り返ってキラ☆キラの物語を語っていた証左なのかもしれませんね。

 

 

 

印象に残ったセリフ

殿谷「みんなが毎日、こんなに平和で楽しかったら、ロックなんか世の中に必要ないんだろうね。世界中のロックンローラーは、みんなの明るい笑い声と共に滅亡するんだ」

古城
古城
つまりはこんなクソッタレな世界にはロックが必要だということですね

 

 

村上「もちろんだ! 俺だって性欲だけじゃなく、愛も大事だと思ってる。むしろ今まではそれを大事にしすぎていたくらいだ。しかし、大事にしすぎていると、何も出来なくなってしまうじゃないか」

古城
古城
オタクはこの発言をしっかり受け止めた方がいいのかもしれない。愛を大事にしすぎて行動のできていないピュアなオタクが多い気がします

 

 

八木原「あのなあ、鹿之介クン。もしバンドを続けるなら、いろんな誘惑があると思うが、簡単に応じちゃだめだぞ。応じたって、心を譲り渡しちゃだめだ。最大にして唯一の恋人はロックだと思え。他のものは目の前を通り過ぎて行くけれど、ロックはいつだって同じ場所にいてくれるんだ。こんなに良いヤツはちょっといないだろ?」

古城
古城
きらりルート1は、ロックが恋人的なルートでもありましたねw

 

 

半田「人生は有限だ。人間は毎日、取り戻せないものを喪失しながら生きてる。時間は、せいぜい後悔しないように使うことだね」

古城
古城
よく聞く言葉だが、本当に大事だと思う

 

 

村上「ま、後悔しないようにいろいろ考えるんだな。そして悩み苦しめ。幸福になるための苦しみを放棄したら、人間は豚だ」

古城
古城
か、かっけー……

 

 

 

 

 

 

Hシーン

 

 

胸尻比率
着衣脱衣比率
中出し外出し
卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクあり。

 

 

エッチシーン評価

尺が短めです。射精時のSEや視覚的演出もないです。

地の文章がおおくて、エッチシーンにてIQがさがっているはずの脳みそにはよろしくない作りになっています。

実用性という面を度外視すれば、非常に雰囲気の良いイチャラブの延長線上のエッチシーンとして楽しめると思います。

 

 

エッチシーン数

クリックで展開

 

シーン数は全部で7シーン

きらり_2

千絵_2

紗理奈_2

智_1

 

 

 

 

主題歌

 

 

主題歌

キラ☆キラ / 第二文芸部

 

 

挿入歌

O.H.B.I ~校歌絶叫~ / 第二文芸部

 

 

挿入歌

t r a v e l e r s / 第二文芸部

 

 

挿入歌

Too Fast To Live Too Young To Die / STAR GENERATION

 

 

ロックンロールが題材の作品なだけあって、やはり印象に残る曲が多いですね。

そのなかでも一番好きな曲は「君の元へ」です。キラ☆キラの楽曲のなかでは珍しくバラード調の出だしで、私好みのメロディラインでした。

 

 


©OVERDRIVE

音楽鑑賞モードが、各バンドのジャケットを選択して、曲を選択するというオシャレな仕様でした。

 

 

 

まとめ

 

 

この作品を青春バンドゲーとして紹介もできますが、シリアスなシーンも特徴的なのです。

たとえば悪役として「物語の都合上配置されたキャラクター」というのはおらず、それぞれがそれぞれの人生を生きているようなリアリティがあります。必ずしもその人物の行いが旗から見て「正しい」とは限らないとしてもです。

人間は誰しも間違いを犯すからこそ「ままならない」……そんな人生の不条理を描いたお話でもあります。

 

 

熱く爽やかな青春物語を求めている人、心にズッシリとのしかかってくるようなシリアスなシーンを求めている人、その双方におすすめします。

 

 

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※ファンディスクとのセット版もお求めやすい価格で出ています!

 

 

 

パッケージ版

 

 

ダウンロード版

 

DMM GAMES DLsite.com Gyutto.com DiGiket.com Getchu.com

 

 

 

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