【旭光のマリアージュ(旭マリ)】のキービジュアル

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【旭光のマリアージュ】の感想

2024年9月21日 古城

6,955文字

その花嫁は誰よりもおしく、誰よりも憎いだった

旭光のマリアージュensemble
【旭光のマリアージュ】のパッケージイラストゲーム属性:シナリオゲー
ジャンル ―― ダークファンタジーADV
発売日  ―― 2024年08月30日
パッケージ版価格  ―― 9,800円(税込10,780円)
ダウンロード版価格 ―― 9,800円(税込10,780円)
スタッフ
シナリオ浅黄アキ
原画なのたろ/佑真/柊林檎
サブ原画湊みなも ・ タハラ白樹
主題歌 ―― Guilty bride(Vo. Duca)
あらすじ

―――その国には、妖精がいた。

近代化する大陸における異端、『宗教国家ミディール』。
かの国には『妖精』という名の神秘が棲み、人々が『魔術』を行使する。
中でも10年前に降臨した『妖精の花嫁(ブライド)』たちは、
絶大な力で他国の侵攻から人々を救い、英雄として崇められていた。

エインセル大修道院。
そこは妖精を信仰する聖教会の本拠地であり、
ミディール唯一の魔術士を養成する学院でもある。

主人公、スレンは名だたる学生たちの中で力を示し、
最も優れた『妖精の花嫁』の伴侶となる資格を得る。

花嫁であるリアは聖女のように美しく、清廉な正義を宿す妖精だった。
その伴侶となることは、誰もが憧れる輝かしい英雄への道。
スレンもまた、大切なものを守るために英雄を志す一人。

しかし、彼には自分でも気づけていない秘めたる目的があった。
スレンが歩むのは、神秘の国を滅ぼすにまで至るだろう、血塗られた道。
その真実を、今はまだ誰も知る由はなかった―――

――公式サイトより引用

評価

評価おすすめ度
【旭光のマリアージュ】の評価★★★★★
満足度
満足度83点

作品の紹介

今回は【旭光のマリアージュ】を紹介します。公式略称は【旭マリ】です。

ensemble から発売された異色のダークファンタジー。

当サイトでは、「購入検討記事」や「購入報告記事」を書いていて、発売前 or プレイ前の作品にどうのような印象を抱いていてるのかを記しています。

旭光のマリアージュが発売するまえの周囲の反応は、スタッフ陣が信用できないだとか、様子見をするだとか、不安だから予約をしないと言う人が多かったんですよね。

その発言にムカついた私は以下のように宣言しました。

古城
古城
もしも本作が駄作だったら腹を切ります

ただのエロゲのプレイに命をかけるとかマジでアホだと思いますよ。

そうだよアホだよ

https://store.line.me/stickershop/product/13957286/ja

結果、旭光のマリアージュは面白い作品でした。評判も上々です。Xでトレンド入りするぐらいに盛り上がっていました。さすが私。見る目があるなぁ。腹を切らずに済んで助かったわ。

ネタバレなしで語るのは難しいんですが、『Fate/stay night』っぽい設定をベースに、『FF10』っぽいドラマチックな展開を盛り込んだような作品でした。

【旭光のマリアージュ】のパッケージ画像

私が所持しているのはパッケージ版です。

どんな人向け?

  • ダークファンタジーが好きな人
  • バトル描写のある作品が好きな人
  • キャラクターデザインにグッときた人
  • ヘヴィなストーリー展開を求めている人
  • ヒロインから「おとーさん」と呼ばれることに興奮する変態紳士

攻略情報など

プレイ時間

私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて19時間ほどです。最初のエッチシーンまでは5時間半ぐらいかかりました。

 

攻略情報

攻略順は固定されています。エンディングを迎えるごとにルートが追加されるので、《リアと二人でここを守り抜く》という選択肢の場所でセーブしておきましょう。

 

システム

難易度修正パッチバックログジャンプ
簡単ありあり
備考
※初回オンライン認証あり

感想

どんなお話?

返り血を浴びた少女「…………」

許さない

いきなり壮絶な展開 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

ゲームをスタートすると回想場面からはじまります。詳しい事情は伏せられているものの、本作の主人公は、過去に凄惨な経験をしたようですね。

………………

…………

……

魔術士の養成機関である《エインセル魔術学院》が、ここに併設されているからだ。

舞台は「魔術士」の育成機関 ――《エインセル魔術学院》に移ります。

アンリエッタ(……ようやくなのね)

ルシエラ「この者、アンリエッタ・ローゼスを担い手とすることに、意義のある者がいれば今ここで名乗り出よ」

どうやら、この学院で最も優秀な魔術士は、《妖精の花嫁ブライド》と契約をして、《担い手》になる権利を得られるようです。

強大な力をもつ妖精の伴侶にえらばれることで、国をまもる英雄になれる。それは、魔術士にとって何よりも大きな栄誉なのです。

今回は、アンリエッタ・ローゼスという少女が担い手に選ばれました。

軽薄な声の青年「――ちょっと待った!」

スレン「――万夫不当、冠前絶後の《大魔術士》だ」

契約をするかしないかのタイミングで、割って入った男がいました。

彼こそが本作の主人公であるスレン・アイリーク

担い手の選出に異議を唱えるなど異例の事態です。しかし、実力さえあれば良いという方針のため、スレンにチャンスが与えられます。

アンリエッタと戦って勝利をすれば、スレンが担い手になれるとのこと。

アンリエッタ「――――《炎帝の頌歌》!!」

アンリエッタの炎の魔法をかいくぐり、主人公が勝利をおさめました。

指輪

スレン「――最期まで、共に在ろう」

スレンは、最も優れた戦果をほこっている妖精 ――《旭光の花嫁》の二つ名をもつリアの伴侶となることに。

リア「そっか。スレンはみんなの家を……家族を守るために戦うんだ」

スレンはリアの力を借りて、目的を果たすために邁進します。2人は歩調をあわせ、英雄への道を歩みはじめるのでした。

さて、ここで本作のキャッチコピーを確認してみましょうか。

その花嫁は誰よりもおしく、
誰よりも憎いだった

何だと!?

旭光のマリアージュは、ただただ目的にむかって突き進んでいく王道ファンタジーではありません。血塗られた道を歩むことになるダークファンタジーです。

キャラクター紹介

スレン・アイリーク CV:深川緑

スレン「――――お前を、殺す」

/ デデン! \

 

リア CV:鶴屋春人

リア「ちゃんと反省できてえらい」

光の魔法をあやつる妖精です。本作が発売する前から主張していたのですが、主人公の相棒ポジションの声優に鶴屋春人さんを起用するのはズルい。

 

クロエ・ルーアン CV:小波すず

クロエ「……あのあのっ、わたし、何かしでかしましたでしょうか……?」

人見知りが激しく、ビクビクおどおどしている少女。一説によると、彼女のせいで、多くの変態紳士がロリコンへと身をやつしたという。

まだ〆切にはなっていませんが、今のところ人気投票では1位ですから。

 

アルフィーネ・ミディール CV:月野きいろ

フィーネ「あん、酷い」

本作の舞台である《宗教国家ミディール》の王女さま。

……なんですが、主人公に嫌味の1つもで言われたら「あん、酷い♪」と嬉しそうに言うドMっぷりが最高でしたね。

ジト目のアリィ

彼女のルートでは、大人びた外見とは相反するような子供っぽい一面が見られます。可愛らしさ抜群で、私のハートはズキュンと撃ち抜かれました。

アルフィーネ・ミディール4位

それにしてもさぁ……今のところ人気投票で4位とかどういうことだよ。

藤原竜也
と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!

エッチシーンについて

卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。

 

フィーネってドMっぽくて最高だよな~。だけど、どうせエッチシーンにはその特性は活かされないんだろうね、この手の作品では。

フィーネとのエッチシーン

う…うそだろ…………!?

最初のエッチシーンから、スパンキングと言葉責め。お尻を叩かれたフィーネによる「ありがとうございます」という感謝の言葉。極めつきはアナルセックス。

ありえんぐらい性癖にぶっささってビックリしました。2回目以降のエッチシーンはノーマルシチュなんですが、お尻を強調する構図がエロくて最高でしたね。

ウィルプラス系列特有のクソ煩いピー音があるので、あまり期待していなかったのですが、思ったよりもフィーネのエッチシーンを楽しめたので好印象でした。

旭光のマリアージュの特徴

練られている作品

旭マリの1番の特徴は、ストーリー展開をしっかりと練っている作品だということ。

それなりにバトル描写も多いんですが、なんの前触れもなく、新たな力に覚醒して勝利をおさめる展開はありません。

クリリンのことか――――――――っ!!!!!

たとえば、主人公のスレンは、光の能力をあやつるリアと契約しているのですが、リアの力の一部を、自分でも扱えるようになります。

暗闇のなかで明かりを灯すシーンが用意されていました。その後、戦闘がはじまり主人公がピンチに陥ったとき、光線を発して窮地を脱するのですが、事前に契約相手の能力をつかえることが示されていたので、すんなり受け入れることができたんですよ。

このように、しっかりとした下地のうえに、納得感のある描写で構成されているので、「超展開」「説明不足」「ご都合主義」などの批判が起きにくいのだろうと思いました。

 

感動系

魔術をつかうためには、自分の命を魔力としてべなければなりません。

アンパンマン「僕の顔をお食べ」

命を削って魔術を行使しているわけですよ。主人公たちには、そこまでして果たしたい目的があります。想いと想いのぶつかりあいには、やはり滾るものがある。そこに、辛い過去&重い過去というスパイスをふりかけてあげれば、そりゃあ熱いストーリーや切ないストーリーが出来上がるってもんです。

 

アンチ王道ストーリー

ネタバレあり(クリックで展開)

 

本作は、変化球をくわえたアンチ王道ストーリー、カウンターナラティブと言える作りをしています。

1つ例を出しましょうか。

一般的には、「復讐をしても虚しいだけ」という価値観が謳われることがおおく、主人公が説教をかまして悪役をぶっ飛ばす展開をよくみかけます。

そげぶ1

そげぶ2

旭光のマリアージュの場合はどうでしょうか。

主人公と敵対したキャラのなかでも特に印象に残ったオンベルト・バランタインさんを例に出します。

オンベルト「復讐とは、子供の癇癪めいた行いです」

オンベルトは、復讐を成そうとする主人公にたいして、いかに復讐が愚かな行いであるのかを淡々と語ります。語るというよりも学院の講義のように理路整然と説明します。彼は言いました ――「人は理性にもとづいて行動するべきだ。合理的な判断のもとで報復をするのは構わないが、感情にまかせて復讐をするべきではない」と。

スレン「黙れ―――!!」

しかしスレンは聞き入れません。復讐が間違った行為だと分かっていても成さなければならないんだと主張します。復讐することでしか守れないものがある、救われない人がいる、報われない人がいると、相容れない姿勢をみせるのです。

死闘のすえにスレンが勝利するのですが、オンベルトは最期に「すばらしい」の一言。

オンベルト「すば、らしい―――」

それは、スレンたちの力に感服したのか、意志のつよさに敬意を示したのか、もしくは、殺されたことにより救いを感じたのかは分かりません。最期まで飄々とした態度をつらぬいたオンベルトに目を奪われました。

別のルートで判明するのですが、オンベルトは、自分の行いにより子供たちを不幸に陥れたことを悔いていたのです。

オンベルト「……それは、血と涙にまみれた道でしょう。子供が歩んでいいような道ではありません」

彼は、研鑽のすえに大魔術師となり《遡及魔法時を巻き戻す魔法》を取得するまでに至りました。すべてをやり直すために。

しかし主人公たちは、どんなに苦しかった過去でも辛かった過去でも、それを否定する謂れがないと、オンベルトの能力を拒絶します。

ただただ理性的に善き人であろうとしたオンベルトと、感情的に守らなければならないものを守り抜いた主人公たちの対比が美しかったです。

 

本作は、復讐を肯定している作品ではありません。

アンリエッタ「あ…………」

復讐はまた新たな復讐を呼ぶという、ある意味、正しさを訴えかける展開を入れてきたのは見ものでしたね。

 

 

ルートごとに異なる方向性

重大なネタバレあり(クリックで展開)

 

ルミアリアルート

スレン「オレが最後に―――お前を殺す」

リアルートで1番印象的だったのは、「最期まで一緒にいよう」と「お前を殺す」という2つの約束の意味合いが大きく変化したシーンですね。復讐のための「殺す」が、救いのための「殺す」に変化するのです。

 

ルシエラ「お前も……涙を、流せるのだな……」

敵対していたはずのキャラクターたちに垣間見えたドラマ性も素敵でした。

 

メル「おとーさんって、呼んでもいい……?」

サブキャラクターが主人公たちの助けになったり、過去が明かされて印象が変わったり、関係性が変化したりと、

すべての展開がエモい。

これでもかと胸をうつシーンの連打をあびせられ、無事にノックアウトさせられたルートでしたね。

 

リア「いっしょだよ―――――」

復讐劇として綺麗に〆られていて素晴らしかったです。

 

クローシェルート

クローシェ「わたしのこと……きっと、褒めてくれるよね」

作中で最もヘヴィな過去をもつクローシェのルート。ただただ重く苦しい展開がつづくのですが、そのぶん、ラストの晴れやかさや感動はひとしおでした。

クローシェがアラドのために独りで歩きつづけた 10 年もの長い年月が、オンベルトの《時間障壁》をのりこえるという展開が素晴らしかったですね。辛かったはずの過去ですら肯定するという綺麗な物語でした。

このルートでのオンベルトは死ぬ間際に「……こんなに……立派に……なって………」と、暗闇のなかで彷徨いつづけたクローシェを肯定する言葉を残して息絶えたのが印象的でした。

 

アリィルート

フィーネ「―――共に、往きましょう」

あらゆる伏線や謎を回収するルート。私としてはフィーネが可愛くて満足感は高かったのですが、ストーリー展開の起伏は少し弱めだったでしょうか。

――――今日も、前へと歩き出すのだ。

エピローグに登場する少女の正体をボカしていたのはズルいやり口だと思いました(好き)。

復讐のお話でありながら、前向きなお話でもあり、実は明るい作品なのではないかと思っています。

 

その他

下の画像は、《妖精の輪》と呼ばれる場所です。

妖精の輪

私は『ELDEN RING Shadow of the Erdtree』に登場する「指遺跡」を思い浮かべました。笑

エルデンリングDLCの指遺跡

まとめ

ココがイマイチ

  • 後半のルートには多少の中弛みがある
  • 卑語にピー音あり

 

 

ココがおすすめ

  • BGM がいい
  • ヘヴィなストーリー
  • 違和感のない戦闘描写
  • すべてのヒロインが可愛い
  • サブキャラクターも魅力的
  • よく練られたストーリー展開

 

 

旭マリを予約買いした人はボクと握手。まだ購入していない人は、興味があるならば是非ともプレイしてみてください。

ボクと握手!

全年齢版はリアルートのみの収録となります。しかし、全編にわたり実況配信しても OK ですから、実況者ならば全年齢版でも良いでしょう。

それ以外の方は、断然 18 禁版をおすすめします。

ネット認証のある作品なので中古を購入するのはリスキーです。新品を購入するか、DL 版を購入するかの2択でしょう。

DL 版は、2025 年 1 月 14 日までは、主題歌のフルバージョンが付属します。

パッケージ版

ダウンロード版

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