5,499文字
繰り返して、繰り返して、繰り返して。
その因果は少女を救うか、それとも――
| 何度目かのはじめまして(Purple software) | |
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| ジャンル ―― 繰り返す運命の中で君を見つけるADV | |
| 発売日 ―― 2025年09月26日 | |
| パッケージ版価格 ―― 5,800円(税込6,380円) ダウンロード版価格 ―― 5,800円(税込6,380円) | |
評価
| 評価 | おすすめ度 |
![]() | ★★★★★ |
| 満足度 | |
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作品の紹介
今回は【何度目かのはじめまして】をご紹介します。
何度目かのはじめまして……というタイトルを見て何を思い浮かべるでしょうか。
私は、声優の石田彰さんのエピソードを思い出します。新人声優が挨拶に来たときに、石田彰さんが「覚えられないから挨拶に来なくていいよ」と言ったエピソードです。新人声優にとっては、石田彰さんとの再会は“何度目かのはじめまして”なんでしょうね。

……あれ、どうしてこんな話をしているんだっけ?
何度目かのはじめましては、飽きることなくサクサク読み進めることのできる、非常に楽しい作品でした。

私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け?
- アラサーのエロゲーマー
- 美麗なイラストに惹かれた人
- ループ&タイムリープ作品が好きな人
- 声優の柳ひとみさんのボイスを堪能したい人
- ヒロインの「年上」である一面と「年下」である一面が見たい人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて9時間ほどです。最初のエッチシーンまで1時間半ぐらいかかりました。
攻略情報
いくつか選択肢はありますが自力攻略は容易です。
システム
| 難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
| 普通 | あり | あり |
| 備考 | ||
| - | ||
感想
どんなお話?
画像を見てほしい。主人公とは思えない物言いである。
本作の主人公=喜納夢斗は、アラサーの会社員で、伸び切ったゴムのように弾力のない毎日を過ごしています。覇気のない表情、濁った目、社会にたいする呪詛の言葉……。
きらきら輝く学生の主人公も大好きですが、社会人の主人公こそ共感できますね。
それではストーリー展開の説明に戻りましょうか。主人公の母親が、実家から要らないものをダンボール詰めにして送ってきます。そのなかに入っていた腕輪をつけると、不思議な生物があらわれました。

全宇宙のあらゆる情報を観測する概念のことを「ラプラス」と言いますが、ラプラスに情報をとどけるための個体こそがこの猫ちゃん ―― ラプラと名乗る存在なのでした。

ラプラと取り引きすることなり、主人公の血液と情報をあたえることに。
その代わりに、主人公が人生で1番幸せだった時間を追体験させてくれるそうです。具体的にいうと 13 年まえにタイムリープさせてくれるとのこと。期間は1週間です。
………………
…………
……

タイムリープしてみたら、記憶にない女の子に話しかけられました。
彼女は本作のヒロイン=蝶舞翠です。歴史文学研究部の部長をやっていて、古語ラテン語で書かれた「黒魔術」に関する書籍の翻訳作業にハマっています。
そして、どうやら主人公は彼女と仲が良かったらしい。記憶にないけれど。
本作は、記憶の謎を解くために、とある目的を叶えるために、学生時代の1週間をループする作品です。
本作の特徴
タイムリープする楽しさがある

懐かしかったあの頃の話題、現在と過去の違い、大人と子供の感性の違いなどなど、タイムリープしたときの感覚が、テキスト描写により伝わってきました。

展開によっては主人公は、13 年後からタイムリープしてきたことを打ち明けます。大人びているように感じた翠先輩が、30 歳のおっさんからしたら子供っぽく見えるという感覚の逆転現象がめちゃくちゃ面白かった。
私は、本作のライターであるさかき傘さんの過去作の感想で「属性転換が上手い」と絶賛しました。属性転換とは私が作った造語で、「あるときを境にヒロインの見え方が変わる」ことを指します。たとえば、意地悪なおばさんが兄と接しているときには「妹」としての顔をのぞかせる ―― これまでの印象とは大きく異なる姿を見せてくれたときに生じる脳の混乱を、属性転換という言葉をもちいて称賛したのです。
本作では、翠先輩の「先輩としての顔」と「年下としての顔」のどちらも味わえるのが最高ですぜ。
そして、声優の柳ひとみさんのお声が可愛らしい。
ノベルゲームとしての面白さが追求されている

テキストウィンドウは、まるでノートの罫線のように区切られている。各種メニューは、ノートに付箋を貼っているようなデザインである。バックログ画面をひらいたときに「ビラッ」とノートをめくるような音が鳴る。デザインの統一感が心地よい作品でした。
選択肢を選ぶ楽しさもあり、意外な選択が攻略の糸口になっている点も面白かったですね。エンディングでは印象的なバッドエンドも用意されており、ノベルゲームならではの魅力を感じました。
また、ヒロインの住む団地では、夕方になるとチャイムが鳴るのですが、スピーカーが壊れていて不気味な音がすると語られていました。その後、実際にチャイムが流れるシーンがあるのですが……
想像した 10 倍ぐらい怖い音でゾワッとしましたよ。笑
イラストが素晴らしい
原画家である克先生のイラストがあまりにも素晴らしい。

めちゃくちゃ雰囲気が良いと思いませんか?
最高のイラストが来るたびに「あああああ!」と思わずデカい声をあげてしまいました。

1番凄いと思ったのは、上の画像のイラストです。主人公とヒロインのツーショット写真なのですが、ストーリー上でのこの写真の使い方がバツグンに上手かった。この写真が登場するたびに愛着が増していくのが凄いです。

しかも、この写真を予約特典として付属してくれたのが嬉しかったですね。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音あり。アナルモザイクなし。

イラストはエロい。しかし、画像のようにストーリー上必要なサービスシーンが1シーンとしてカウントされていることもしばしば。そのうえ卑語がない。あってもピー音が付いているため実用性はそこまでありません。

ヒロインは、爆乳のうえに陥没乳首であり私の好みからは大きく外れていました。しかし表情は可愛いですし、ムチムチの肉感はエロいんですよ。

さかき傘さんのエロゲといえば「アナル」と「3P」は付き物なのですが、どちらも変化球的にブッ込まれていて笑いました。どちらのシチュエーションも大好きなので嬉しかったですね。しかも、変化球的なHシーンがストーリー上必要なものであるというのが凄いところ。詳しくはネタバレ感想にて語ります。
克さんのフェチ的なこだわりが素晴らしく、フェラしたあとにヒロインの口元に陰毛が付いているイラストがドチャクソエロかったですね。
ネタバレ感想
他の人が着目していないであろう部分について語ります。
まとめ
ココがイマイチ
- Hシーンの実用性が足りない
- ピー音あり
ココがおすすめ
- ループものとしてもタイムリープものとしても面白い
- 柳ひとみさんのボイスに癒やされる
- 続きの気になるストーリー展開
- テキストに引き込まれる
- 統一感のあるUI
- イラストが綺麗
1秒たりとも飽きることのなかった良作。
イラストが綺麗であり、グイグイと引き込まれるテキストが素晴らしい。ミドルプライス作品で、短いながらも綺麗にまとまっており、ギュギュッと“良さ”の詰まっているエロゲでしたよ。
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