4,700文字
「――――この中に、死にたいのに生きている人がいるのなら、教えなさい」
| やりなおしクランクイン(CloverGAME) | |
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| ジャンル ―― 恋愛アドベンチャー | |
| 発売日 ―― 2025年10月31日 | |
| パッケージ版価格 ―― ダウンロード版価格 ―― 3,500円(税込3,850円) | |
評価
| 評価 | おすすめ度 |
![]() | ★★★★☆ |
| 満足度 | |
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作品の紹介
今回は【やりなおしクランクイン】をご紹介します。公式略称は【やりクラ】です。
やりクラってアレですよね。タバコを吸ったとき目眩やふらつきを感じる症状ですよね。

出典:Nicotex
それはヤニクラや!!!
すみません、すみません、失礼いたしました。やりクラは、タバコとは無縁の爽やかな青春ストーリーです。ノースモーキング。ノーモア映画泥棒。ノーモアクライ。イェーイ。

私が購入したのはダウンロード版です。
どんな人向け?
- 青春時代に戻りたい人
- 映画撮影に興味がある人
- うみこ先生のイラストのファン
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて6時間ほどです。最初のエッチシーンまで4時間ぐらいかかりました。
攻略情報
一本道です。
システム
| 難易度 | 修正パッチ | バックログジャンプ |
| 簡単 | なし | あり |
| 備考 | ||
| - | ||
感想
どんなお話?

主人公の猫屋敷叶良は、引きこもりの天才小説家。1冊の小説をたった7日で書き上げるほどの速筆にくわえ、手掛けた小説は数え切れないぐらいドラマ化・アニメ化・映画化しているヒットメーカー。
叶良は、幼少期から30歳を超えた現在に至るまで引きこもっているエリートコミュ障。

ゲームを開始して数クリックで主人公がぶっ倒れて、走馬灯が流れはじめて笑いました。
………………
…………
……

どうやら主人公は生き返ったらしい。
そりゃそうですよね。開始数秒で終わったらプレイヤーは暴動を起こしますわ。
天才・薬学研修者である妹の寝子ちゃんが開発した薬により一命をとりとめたんだとか。
一件落着かと思いきや、太陽に吠えた松田優作のように「なんじゃこりゃあ!」とデカい声をあげる叶良くん。

薬の副作用によって叶良くんは、20年ほど若返った姿に戻っていたのです。

寝子ちゃんは、あらゆる権力者とのパイプを持っています。彼女のコネを使って叶良くんは、学園に通いはじめることに。
体育館で部活動PRが行われたとき、とあるセリフが叶良くんの心にぶっ刺さりました。
「――この中に、死にたいのに生きている人がいるのなら、教えなさい」


ピンク髪の彼女の名前は神鳥流花。映画研究部の脚本家を探しているらしい。
本作は、主人公が映画の脚本家&キャストとして参加して、青春をやりなおすストーリー。
やりクラの特徴
青春感満載

役者として演技の練習をし ――

ロケーション・ハンティングを行うなど準備を進め ――

最終的には、映画の撮影に臨む ―― 。
こうした工程を、映研のメンバー4人がワイワイガヤガヤと楽しく、しかし真剣に取り組む流れは、まさに青春そのもの。もちろん順風満帆ではありませんが、トラブルを乗り越えるからこそ、彼らの絆はより深まっていくのです。
映画撮影をとおして、攻略ヒロインの流花と仲を深めていく描写が丁寧に描かれていて、サブキャラクターの寝子&深空の掘り下げも行われていました。
ノリがいい
近年発売された、シナリオライター・なかひろさんの担当作は、正直なところ私にはあまり刺さらなかったんですよ。
しかし本作は、飽きることなく読み進められました。
理由の1つとして、妹である寝子の存在は大きかったかと。
寝子は戸籍上こそ「妹」ですが、若返った主人公より年上であるため、「自分を姉として扱ってほしい」と主張し始めます。

コミュ障気味の主人公を心配するあまり、彼のクラスまで押しかけ、クラスメイトに向かって「弟と仲良くしないと国家権力を使って潰すぞ」と脅すシーンは笑いました。

彼女は、現場猫の100倍ぐらいの頻度で「ヨシ!」と言っていましたね。

/ 面白いからヨシ! \
魅力的な攻略不可ヒロイン
- 辰巳 深空
- 神鳥 流花
- 猫屋敷 寝子
攻略ヒロインは、真ん中にいる流花ちゃんだけ。

ルックスに恵まれたクールビューティーである 深空(CV:夏和小)は攻略不可。

彼女は映画内では「主人公の妹役」ですが、「お兄ちゃん呼び」の破壊力が凄まじい。
なんで攻略ヒロインじゃないんですか? おかしくないですか? どんな判断ですか?

ま、まあ、流花ちゃんを魅力的に描くことに注力していたので仕方ないんでしょうね。

ヨシとしておきましょうか。
いや、ヨシじゃねえんだよ、ぶん殴るぞ。

寝子ちゃんは寝子ちゃんで、主人公の体の検診と称して、チンコを見たがったり、チンコに触りたがったりしていたのですが、エッチシーンは一切なし。めちゃくちゃモヤモヤしましたね。

ま、まあ、攻略ヒロインは流花ちゃんだけですから仕方ないんでしょうね。

ヨシとしておきましょうか。
いや、ヨシじゃねえんだよ、ぶん殴るぞ。

やりなおし感はあまりない
主人公は30歳を超えているものの、他人との接触を避けて生きてきたため、
精神年齢はガキのまま。

本来は年下であるはずの先輩ヒロインが、むしろ年上の包容力を発揮していました。
私としては、達観した精神を持つおっさんが、ガキに戻って人生をやりなおす感覚を期待していたため拍子抜け。とはいえ、ヒロインの魅力を引き出すという点では、この設定が活きていたかと。
うみこ先生の描く独特な表情

この表情が好きすぎる。
どう表現すればよいのか迷うほど絶妙で、コミカルさとリアルさが同居した表情。うみこ先生にしか描き出せない魅力にあふれていました。
後半のストーリーはイイ感じ
関係性の変化、主人公の目的の変化、ヒロインの独白、そのどれもが素晴らしい。重要なシーンでの一枚絵があまりにも美しかった。
ぜひともあなた自身の目でご確認ください。
エッチシーンについて
卑語あり。ピー音なし。アナルモザイクなし。
シーン回想6枠。基本CG11枚。
ここのメーカーの特徴は、Hシーンの一部でバイノーラル録音されたボイスが収録されていること。イヤホン or ヘッドホンは必須でしょう。
無修正の卑語がありますし、シーンの尺も問題なし。リップの塗りなど、色っぽさを感じる視覚表現が良かったかと。

ただし、尻フェチの方にはおすすめできません。過去作と比べれば改善はされていますが、まだ物足りなさを感じました。
お尻が見えるアングルは、前々作では一切なし。前作では、わずかに見える程度のアングルが1つ。そして今作では、お尻を強調したアングルが1つだけ用意されていました。
少しずつ進歩はしているので、次回作にはより一層期待したいところ。

まとめ
ココがイマイチ
- サブモニターでフルスクリーン起動させてほしい
- モブ生徒の態度の変化など見たかった
- 魅力的な攻略不可ヒロイン
- やりなおし感がない
ココがおすすめ
- メーカー過去作と比べてボリューム満点
- うみこ先生のイラストが良い
- 青春感満載のストーリー
- 掛け合いが楽しい
- 魅力的なヒロイン
設定がブッ飛んでいる作品ですよね。
しかし、問題ありません。昔の人は以下のように言いましたので。

/ ちっちゃいことは気にするな \
それ ワカチコ ワカチコ ~
飽きずに読み進めることができましたし、青春ストーリーとしても楽しめました。ここのメーカーの作品のなかでは、シナリオの楽しいエロゲだったかと。
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