※アイキャッチ画像は「恋音 セ・ピアーチェ」です。
どもっす!
最近感想記事以外はそんなに書いていない気がするので、なにか書かなきゃって思ってたんですよね。笑
今回はエロゲのBGMについて頭のなかにあったモヤモヤしたものを、なんとか言語化してみようと思います。
書いている内容は、極めて私の主観的なみかたで構成されていますので、話半分でお聞き(お読み)ください。
エロゲのBGMの役割について
エロゲBGMとは
エロゲは、絵とテキストと音楽とボイスによって構成され、それを演出でいろどり、システムを組み上げてゲームとして完成させている。
エロゲでは、ボイスをのぞいて3種類の音が使われています。
- SE
- ジングル
- BGM
SEは効果音のことで、たとえば主人公がツッコミをいれるシーンで「ビシッ」という効果音がはいるだけでも、ツッコミのキレが増したように感じます。
ジングルは短い音楽のことで、たとえばドラクエではレベルアップしたときに「チャチャチャチャン チャンチャンチャーン♪」というジングルが流れる。
エロゲにおいても文章とともにジングルが流れることもあれば、アイキャッチ画面なんかで流れる場合もありますね。
BGMは言わずもがな、プレイ中常に流れている音楽のことです。
さて、エロゲにおけるBGMの役割ですが、他のコンテンツと比べることでそれが見えてくるかもしれません。
たとえばアニメ。
アニメのBGMについては、劇伴といわれるいわゆる映画などと同様に「伴奏音楽」としての役割をもち、映画などの手法の派生で発展していったのでしょう。
それに比べてエロゲは、初期はボイスがなかったので音楽の重要性がより高く、そしてゲーム音楽の流れを組んでいるように思います。

※私個人の見解です
アニメの劇伴はキャラクターの声を聞こえやすくしなければいけませんし、BGMが前にですぎるとストーリーが頭に入ってこないおそれがあります。しかしエロゲは、テキストが表示されていますし、ボイスを聞き逃してもリピートすることができるので、その自由度は高いのです。
さらに、他の記事でも再三語ってきたのですが、自分でクリックしながら読み進めることを想定しているので、受け身にならざるを得ないコンテンツよりもインタラクティブな体験により記憶に音楽が結びつきやすいとのこと。
エロゲのBGMをきいただけでも、パブロフの犬よろしくボロボロと涙を流しはじめる人もいるのかもしれませんね。
ということで、ゲーム音楽の流れをすこし追ってみましょう。

ゲーム音楽について
ゲームのプレイ中、止まることなくBGMが流れつづけた最初の作品は、アーケードゲームの【ラリーX】らしい。
少ない音数で、なんとかBGMにしようとする工夫が見られます。
ちなみに海外では、効果音に力をいれて「臨場感」にこだわっていたのに対し、日本では、BGMを取り入れはじめ「作品の世界観」を想起させる手法に力をいれる流れがあったようです。
そのことを象徴するエピソードをなんかの記事で読んだのですが、海外の人が「このBGMはどこから鳴っているのか」と聞いてきたことに衝撃をうけた……というお話があります。つまりBGMが流れていることは「不自然だ」とこの海外の人は考えていたのでしょう。
また、この頃のゲーム音楽は、日本の音楽グループである【Yellow Magic Orchestra】と互いに影響を受け合いながら発展を遂げてきたことは、知っておくべきだと思います。
8ビットや16ビットのゲーム音楽では、限られた数のチープな音色をいかに組み合わせるかにかかっています。
クラシック、ロック、ジャズ、レゲエなどなどあらゆる音楽をいかに表現するかが勝負であり、その工夫がゲーム音楽のもつ魅力だと考える向きがあったようです。
そう考えるとゲーム音楽は、あらゆるジャンルの音楽をとりいれて、かなり自由に幅広く発展してきたのでしょう。
たとえばドラクエの楽曲で有名なすぎやまこういちさんはまさに天才で、クラシックのような作りの楽曲をファミコン音源におとしこんでいるのです。
たとえば「この道わが旅」なんかは、アニメのエンディングにもなりましたし、オーケストラ版も違和感ないことから、その凄さを実感していただけるかと。
ドラクエを紹介したならば、FFも紹介せねば……ということで、これまた天才の植松伸夫さん。
三音しか使えない環境で長いこと作曲していたためか、アルペジオの使い方が天才的でまさに天才(語彙力不足)。
その極地が「ビッグブリッヂの死闘」。近年の主張のつよくない多くのゲーム音楽とちがい、存在感のつよさが光ます。
その他にもゲームの作曲家やサウンドクリエイターを語りだすと、下村陽子さんや目黒将司さんなどがバチクソ好きなので、無限に語ってしまう恐れがあるので、ここらへんにしておきます。笑
ポイントをまとめますと、
- 少ない音数のなか工夫をしてBGMをつくったため、ゲームサウンド独特のものが出来上がった。
- さまざまなジャンルの音楽を表現しようと創意工夫されたため、ゲームサウンドは幅広い。
- 間違いなくゲームにおける音楽の重要性は高かった。
って感じでしょうか。
そろそろエロゲに話を戻しますね。
ゲーム音楽史において重要な人物で、「FM音源の魔術師」とまで言われた「梅本竜(島田竜)」さん。
昔からのエロゲーマーや、あるいは昔の作品をプレイしたことがある人で、信奉している人は多いでしょう。
エロゲも黎明期から辿っていけば、ゲーム音楽との関連性が浮き彫りになってくるのでしょうが、ここらへんはガッツのある人におまかせします。
現在のエロゲBGM
時は飛んで現在。
エロゲのBGMは、音数が少なかったときからの制約から解放されて、より自由に作られるようになりました。
また、ボイスがついているのが当たり前になってきているので、それに伴った変化もあるでしょう。
ぶっちゃけ「コレがエロゲBGMだ!」みたいなものは定義できません。
エロゲのBGMには2タイプあるように思います。
- あくまでBGMに徹してい、印象に残りにくいもの。
- 独立した曲として聞けるようなもの。
間や尺にあわせて音楽をながせるアニメや映画とちがって、エロゲはどのぐらいの時間そのBGMがながれるかは想定できません。
なので、エロゲのBGMは基本的にはループすることが前提になっていて、あくまでもBGMとして裏方に徹しているような曲は、ループしても違和感のない作りになっていることがおおいです。
エロゲのサントラを聞いてみてください。フェードアウトしていくように消えていく曲とか短めの曲とか、ループありきの構造で作られているのがわかると思います。
少し話がそれます。
ゲーム音楽の流れをくむのがエロゲ音楽だといいましたが、今ではその方向性には違いがあるのではないでしょうか。
一般のゲームは状況を知らせたり(たとえばHPが少ない状態だと専用のBGMに切り替わったり)、そのフィールドの曲が流れることも多いけれど、
エロゲ(ノベル系アドベンチャーゲーム)の場合は、各ヒロインごとにBGMが用意されていたり、今がどういう状況なのかどういう感情なのかをしめすこともあるのが特殊です。
たとえばToHeartやToHeart2にでてくる「カッコ悪ぅ」という曲は、オチとなる場面につかわれることがおおく、何度も聞いていると流れてくるだけで面白みを感じるようになります。
メロディの合間にクイーカとか木琴の音を1音だけ挟んでくる意味のわからなさも好きです。
話を戻します。
この項の最初に、BGMは2タイプあると書きましたが、そのなかでも「独立した曲とし聞けるようなもの」のお話をします。
独立した曲として聞けるようなBGMにはいくつか種類があります。
- 長めの曲にして、ループ部分がくる回数を減らしているもの。
- クラシック曲などのアレンジ。
- オート演出とともに使ったりする例外的なもの。
3のオート演出に関しては、主題歌をながすパターンのほうがおおいでしょう。主題歌の盛り上がり部分と1番グッとくるセリフのタイミングを合わしたりと、アニメや映画と似たような演出方法がつかわれていて、クリエイターのコダワリが感じられますね。
メモ
余談ですが、近年はYouTubeなどで音楽を無料視聴できるのが当たり前になってきています。なので出だしから惹きつけるような構成にしないと曲を聞いてもらえないんだそうです。昔みたいなクソ長いイントロの曲が減ってきているのです。
その点エロゲは買い切りなので、主題歌にそういった制約がなく、自由につくることができるようですね。
エロゲのBGMもそうですが、エロゲソングもほんとうに素晴らしい文化です。
お次はクラシック曲を使ったエロゲについて。
クラシックといえば、作中のBGMのたいはんがクラシック曲のアレンジである「G線上の魔王」が有名でしょうか。
命をかけた、純愛ADV
このゲームではタイトルの元にもなった「G線上のアリア」がなんと7パターンも用意されていて、ストーリーの経過とともにアレンジが変わっていきます。
そういう意味でもクラシックスキーの私としては、めちゃくちゃ好きな作品ですね。
ぜひともサントラを買っておきましょう。
近年印象的なクラシックの使い方をした作品はというと、クロノボックスですかね。
失った記憶を取り戻してはいけないADV
タイトル画面でショパンの曲が流れるのですが、作品をクリアしたあとになるほど……となりました。
めちゃくちゃ好きな曲ですので、でてきたときはテンションが上りましたね。
ちなみにクロノボックスのサントラには入っていません。
クラシック曲ってアレンジしていない場合は入っていないことがおおいんですよ、どの作品でも。クラシック曲は著作権が切れているものがおおいですが、著作隣接権とかいろいろあるんでしょう。
話が飛びまくってすみません。
お次は一般ゲームの話になりますが、ループをしても飽きない工夫がされている作品や、そもそもループ自体しないようにしているBGMも増えてきました。
たとえば「ゼルダの伝説」などでは、インタラクティブミュージックといい、音楽が自動生成されています。おそらく用意されているいくつものフレーズの「順番、間隔、音量、パンニング」をランダムに組み合わせることにより、破綻することなく音楽にしているのでしょう。
その他、「無限回廊 光と影の箱」は、そもそもループさせないためか75分もの長さの曲をつくりあげ、ギネス認定されましたw
非18禁ゲームも18禁ゲームも、どちらも多大な努力のうえに今のBGMができているでしょうから、興味をもたれた方はぜひともBGMにも注目してみてくださいませ。
もちろんこだわっている作品ばかりではないです。
エッチシーンのBGMで、2小節ぐらいの短いフレーズを永遠とリピートさせる作品に出会ったときは、さすがに単調すぎて眠くなるので文句を言いたくなりました。まぁエロゲメーカーもいろんな事情があるでしょうし、予算がカツカツなところもあるでしょうし、仕方ないことかもしれませんが。
有名エロゲBGM
超有名なBGMをちょっとだけ紹介。私の好きなBGMとかマイナーなBGMはまた別の機会に紹介しますので、今回はクッソ当たり障りのないチョイスにいたします。
Rebirth the edge/戦国ランス
みんな大好きShadeさんの代表曲。エレキギターを中心にしたハイテンポかつ激しい音が特徴的。はじめて聞いたときは熱く滾りました。もはや聞きすぎて聞き飽きた人もいるんじゃないでしょうか。
Atlach_nacha ~Going on~/アトラク=ナクア
こちらも大人気な曲で、曲だけのためにゲームを買うべきだという人も多数いらっしゃいます。なんと3種類の編曲が用意されている曲のうちの1つで、場面に合わせて使われているのです。
夏影 -summer lights-/AIR
麻枝准さんの超名曲。もはや説明不要でしょう。こちらも耳にタコができるぐらい聞いた人はおおいでしょうから、今更紹介するのもどうかと思いました。
夜の向日葵/素晴らしき日々 〜不連続存在〜
柔らかく美しい戦慄のピアノ曲。安らぎを求めている人はお聞きください。好きな曲として名前をあげる人がおおい曲です。
風のアルペジオ/この青空に約束を―
こちらもドチャクソ人気なBGM。アコースティックギターによるノスタルジックな音楽が作中の「南栄生島」の雰囲気をあらわしていてグッド。
こうしてみるとピアノ曲とかギター曲が多いですね。それ以外の楽器の曲に注目してみるのも面白そう。
今度マイナーなエロゲBGMを紹介したいと書きましたが、BGMをアップロードするわけにはいかないですし、どうすればいいんだろう……^^;
アニメのサントラ
冒頭でアニメのBGMは目立たない(要約)みたいなことを書きましたが、あれはあくまでゲームに比べるとそういう傾向がある……というものです。もちろん例外はいくらでも存在します。ちょっとそこらへんのフォローをする意味もこめて、アニメのサントラも少しだけ紹介。
カウボーイビバップ ≫中古・新品通販の駿河屋
名盤。菅野よう子さんのファンとしては紹介せざるをえない。ジャズやブルースの曲がめちゃくちゃハードボイルドでかっこいい。しぶい。まるで私のようだ。
ドライブのお供にどうぞ。
紅 kure-nai ≫中古・新品通販の駿河屋
「ピアノの吟遊詩人」といわれる村松健さんのBGMが最高。松村さんは、東洋~民謡やシマウタから、西洋~クラシック・ジャズ・ブラジル音楽までボーダーレスな音楽環境で成長したらしいのですが、そのせいかBGMの雰囲気が独特すぎるw
切なげで物哀しい曲を求めている人はどうぞ。
ちなみにアニメの内容はほとんど覚えていません。主人公の手から鎌みたいなのが生えていたのと、とつぜんミュージカルがはじまる回に吹き出したことぐらいなら覚えています。
狼と香辛料 ≫中古・新品通販の駿河屋
ブズーキ、マンドリン、バンドネオンなどの古楽器にこだわりぬいた音楽がつかわれているアニメでした。民族音楽っぽさが満載で最高。
ウキウキした気分になるような楽しげな曲がグッド。
坂道のアポロン ≫中古・新品通販の駿河屋
神アニメ。ジャズを題材にした作品なので、とうぜんジャズが収録されたアルバム。シャレオツな夜を演出したい人はどうぞ。
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト ≫中古・新品通販の駿河屋
日本を代表する作曲家大島ミチルさんが手掛けています。楽曲のレベルがまじで高い。壮大なオーケストラにて優美な世界観が構築されています。
パンティ&ストッキングwithガーターベルト ≫中古・新品通販の駿河屋
テクノ・エレクトロニカで構成された作品。突き抜けるような高速ビートや、しっとり系のクラブ・チューンまで幅広く揃っています。
キャラクターのセリフも入っているので、カッコいい曲だからといって恋人と一緒には聞かないほうがいいかもw
ARIA ≫中古・新品通販の駿河屋
前も紹介したから説明は割愛。これほど癒やされるBGMはないのでマジでおすすめ。
以上です。
もししっかりとした知識をもっている方は、ぜひともワタクシめにご教授ください。間違っている部分があれば訂正します。
なんか頭のなかにあるモヤモヤしたものを吐き出していったのですが、取り留めもなく語ってしまうことになりました。
話がめちゃくちゃ飛びまくっていますね。
申し訳ない……。
ま、そんなこともあるか^^;
今度はぜひともしっかりとBGMを紹介する記事を書きたいです。
それでは~。