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凛としたその少女は強く美しく、そして守りたい一人のプリンシパル
暁の護衛 トリニティ コンプリートエディション(あかべぇそふとすりぃ) | |
ジャンル ―― お嬢様お守りADV | |
発売日 ―― 2014年02月28日 | |
パッケージ版価格 ―― 8,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 7,124円(税込) | |
評価
評価 | おすすめ度 |
★★★★★ | |
満足度 | |
作品の紹介
最強……それは男ならば誰もが夢見る「頂」である。
私とてバリバリ最強No.1をめざして、日々研鑽をつんでいる。
そんな男としての頂点を目指している諸兄に朗報である。
なんと、今回紹介する【暁の護衛 トリニティ コンプリートエディション】をプレイすれば、強い男のなんたるかを学ぶことができるのだ。
ということで、俺TUEEE系主人公が特徴的なラブコメディ「暁の護衛」シリーズの紹介をしていきます。元は、あかべぇ系列の姉妹ブランド「しゃんぐりら」から発売された作品でした。
私が所持しているのはダウンロード版です。
シリーズ単品で買うよりお得なの?
今回紹介する【暁の護衛 トリニティ コンプリートエディション】は、
【暁の護衛】、FD【暁の護衛~プリンシパルたちの休日】、続編【暁の護衛~罪深き終末論~】の3作がまとめてある作品です。
HD画質化していて、立ち絵のバリエーションが増え、CGが30枚ほど追加されています。文章も一部ですが加筆修正されています。
私は過去に単品で3作プレイしています。そんな私が今回コンプリートエディションをプレイしたわけですが、絶対にこっちのほうがいいと思いました。
理由は以下です。
- 3作バラバラにインストールする手間がなく楽ちん
- 3作まとめてプレイすると満足感が段違い
- 値段的にコスパが良すぎる
- 立ち絵やCGの追加が素晴らしい
- プリンシパルたちの休日(2作目)に追加された麗華エンディングが最高
- 罪深き終末論(3作目)が、加筆されたことや不具合の修正などにより消化不良感が和らいでいる
とくに2作目の麗華ルートは、あのツンツンしている麗華が素直に抱っこをねだったり、激カワなコスプレをしたり、海斗と結ばれたあとに鏡花にマウントをとったりと「最高」がつまっていました。
攻略情報など
プレイ時間
全ルートクリアまでのプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて56時間でした。
暁の護衛無印(プレイ時間は18時間。最初のエッチシーンまで6時間)プリンシパルたちの休日(プレイ時間は13時間。最初のエッチシーンまで2時間)罪深き終末論(プレイ時間は25時間。最初のエッチシーンまで1時間半)
攻略
何度も同じ選択肢を選ぶと反応がかわったりと、わりと遊び要素がおおいので、自力攻略をしたほうが楽しいかもしれません。
とくに1作目と2作目は、キャラクターを選ぶ選択肢がルート分岐になっていて、他は自由に選んで大丈夫です。3作目に関しては、多少選択肢がおおいので、攻略サイトを見てプレイするのもアリです。
推奨攻略順
推奨攻略順はとくにありません。強いて言うならば下記のようになりますが、お好きな順番で大丈夫です。
- 無印:彩→妙→萌→薫→麗華→ツキ
- プリンシパル:なし
- 終末論:麗華BAD→麗華→詩音→薫→禁止区域→清美→朱美→沙代
Hシーン
卑語少しあり。ピー音あり。アナルモザイクあり。
システム
バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。
音声関連がダメでした。というのも各作品ごとに音量設定がちがい、かつシーンによって小さくなったりすることもあったのです。
パッチ
どんな人向け?
- 俺TUEEE系主人公が好きな人
- 笑える作品を求めている人
- 有名作品は抑えておきたい人
- 衣笠彰梧さんのテキストが好きな人
- とにかくコスパの良い作品を求めている人
感想
どんなゲーム?
ボディーガードを育成する機関にかよう朝霧海斗と、海斗のプリンシパル(護衛対象となるお嬢さま)である二階堂麗華を中心に展開されるドタバタラブコメディ作品。
【暁の護衛】の魅力の一端を担うのは、まちがいなく主人公の朝霧海斗です。
普段は実力をかくしているも、いざとなったときには誰にも負けないぐらいの強さを発揮します。
ただ戦闘能力が高いだけではありません。精神的にもタフで、けっして折れることのない心や、誰にも引けを取らない胆力をもっているのです。
そして イ ケ メ ン !
ここまでの説明で、バトル系の作品だと思われた方がいるかもしれません。
【暁の護衛】は、そんな最強主人公である海斗と、お嬢さまたちとの間で展開されるラブコメディ作品なのです。
海斗くんは、ボケもツッコミもこなすことのできるハイブリッドで、個性的なお嬢さま方や友人たちとの楽しい日常のやりとりが魅力的。
本作を楽しめるかどうかの大きな要因となるものは1つ。
シナリオライターである衣笠彰梧さんのテキストが好きかどうかなのです。
細かな矛盾や、回収されていない伏線、〆方もどこか消化不良だったりと、いくつか不満がでてくるかもしれません。
ですが、そんな不満点を吹き飛ばすぐらいには楽しい!
スルスルッとテンポよく読み進められるテキストや、魅力的なキャラクターたち、主人公の気持ちいいぐらいの最強っぷりが最高なのです。
各作品の紹介
暁の護衛
すべてはここから始まった。
暁の護衛シリーズの第1作目です。
もしどうしてもこのシリーズが合うかどうか不安な人は、1作目だけをプレイするのもありかもしれません。私としてはコンプリートエディションでプレイされることをオススメしますが。
暁の護衛〜プリンシパルたちの休日〜
暁の護衛のファンディスク。
各ヒロインのアフターエピソードをみたあと、海斗くんの過去の話をみることができます。
この過去話がとにかく重厚で面白い。しかも最後には、めちゃくちゃ余韻の良い終わらせ方をしていて、シリーズのなかでも屈指の起承転結の「結」の部分のできのよさ。
暁の護衛〜罪深き終末論〜
暁の護衛の無印の薫くんのルートの続きからを描いた続編。
「禁止区域」という危険地帯が舞台となるお話もあり、今までとは違った毛色のエピソードを楽しめます。
また、登場人物がドチャクソ多いお祭りゲーの様相を呈しています。
キャラクター紹介
登場人物があまりにも多すぎるので、少数にしぼって紹介します。
本作の主人公。いわずと知れた俺TUEEE系主人公の代表ともいえる存在。
なにが凄いって、禁止区域というヤバい地域がありまして、そこに存在する強者がのちのちにでてくるのですが、そいつらですら圧倒するぐらいの強さ。そして精神力の高さ。
ボケとツッコミを駆使して、作品の雰囲気をつくっていたのも彼の功績だといえるでしょう。
そして据え膳を食うヤリチンモテモテ主人公であることが、なによりも私的にはポイントが高い。女に手を出さないフニャチン野郎はいけ好かないのですよ、私は。
海斗のパートナーである資産家のお嬢さま。小柄でツインテールで気丈なツンデレ娘。
「ハヤテのごとく!」でいったらナギ、「とらドラ!」でいったら大河、「冴えカノ」でいったら恵のように、ヒロインは数多くいるけれど、そのなかでもメインのヒロインだといえる立ち位置です。
私は本来、メインヒロインに据えられていないヒロインを好きになることが圧倒的におおいのですが、まさか麗華の可愛さにやられるとは思いませんでした。
普段はツンツンしているけれど、誰よりも海斗のことを想っているのが伝わってくるのが激カワポイントです。
麗華の妹。クセの強いお嬢さまが多いなかで、王道ともいえるお淑やかさや、育ちのよさが見て取れます。しかしだからこそ無個性で影がうすくなりがちなことを、作中でもメタ的に気にしていたのが面白かったです。
二階堂家にてメイド長をつとめる少女。海斗の世話役をおおせつかっていて、とにかく海斗くんとの絡みが多い。
目まぐるしくボケとツッコミがいれかわる2人の掛け合いは楽しく、コントを見ているような気分になります。
当初は脇役だったのようなのですが、あまりに出番が多かったため、急遽ヒロインに抜擢されることになったぐらいの存在感のつよさです。
そして可愛いです。うむり。
日本でも最先端のテクノロジーをほこる蔵屋敷重工の一人娘。
天真爛漫でワガママな性格で、勉強がすこし苦手……いや、物凄いアホなレベルで、蔵屋敷家の将来が心配になるほどです。笑
しかし、彼女のアホっぽさや、そこぬけに明るい性格こそが魅力的な部分であったと思います。
お嬢さまながら古武術をあつかい、そんじょそこらのボディーガードよりも強かったりします。
マイペースでおっとりしていて天然ボケな部分があり、独特の空気感をまとっていた印象。
二階堂家の次女・彩のボディーガードとなる、訓練校を首席で卒業したエリート。
実をいうと、そこいらのヒロインよりも出番が多いんじゃなにかってぐらいに出てくるので、もはや実質ヒロインです。笑
実力がありプライドが高く、エリート意識が強いのですが、ウブな一面があったり海斗にイジられることもしばしばで、どこか憎めない性格をしています。
「ばんなそかな!?」
エッチシーンについて
あまりこの作品にエッチシーンの実用性をもとめる人はいないかもしれませんが、レビューします。
1作目はシーン数が少なく尺が短めながらも、1シーンで基本CGを3枚ぐらい使っていたので好印象でした。
2作目は1作目よりもエッチシーンのできは悪く、さらに3作目では、テキストの大半が喘ぎ声で、たまにでてくる単語は「もっと」「だめっ」「もうっ」の3語だけというガチでクソな作りをしていました。
しかし悪い点ばかりではありません。
エッチシーンのなかで私が好きだったポイントは以下の6つです。
- ツンツンしている麗華が、エッチシーンではMっけをみせていて、敬語でおねだりをするシーンがあってドチャクソエロかった
- 育ちの良いお嬢さまであるはずの彩が、アナル舐め手コキをしたシーンでは、そのギャップの凄まじさにテクノブレイクしかけた
- 沙代のお尻があまりにもエロすぎて、しかもそこいらの寝取りゲーなんかよりも興奮した
- 立ち絵のある女性キャラは、ほとんど抱けるという素晴らしい仕様
- まさかの尊の童貞卒業シーンがあり、しかもギャグっぽくなっていてウケた
- 佐竹のおっさんのセックスシーンもあり、しかも特命係長・只野仁ばりに「フン! フン! フン!」と言っていて吹いた
©あかべぇそふとすりぃ
沙代は、ルックス的にはべつに好みではなかったけれど、どエロい尻をしていてビックリしました。
暁の護衛は、ヒロインの母親とのセックスシーンがあったり、ヒロインだと思っていなかったキャラとのエッチシーンがあったり、けっこう背徳的なシーンがあったので、テキスト次第ではもっともっとエロく作れたはず……。
ものっそい脇役ではあるのですが、メイドのえっちゃんとのエッチシーンも欲しかったです。
テキストについて
とにかくテキストは平易で、読み進めやすい。
さらにはギャグ系作品のなかでは、読んでいると疲れるものも多いのですが、【暁の護衛】の場合は、疲れることなく読むことができ、たまにクスッと笑うことができました。
メタネタやパロディネタが随所に散りばめられています。
©あかべぇそふとすりぃ
またテキストの書き方も、セオリーを無視した独特なものがあり、ADVゲームならではの使い方をしていて私的には好印象でした。
Favorite
©あかべぇそふとすりぃ
だいたい好きなところは語り尽くしたのですが、1つだけ忘れていました。
それは3作目にでてくる絆ちゃんの可愛らしさ。
この絆ちゃんは、後に発売されたレミニセンスシリーズにもでてきます。
余談ですが、作中で海斗くんが語っていた最強(ステーキにポン酢をかけるやつ)を試してみたのですが、あまりにも最強だったので、まじ最高でした。
まとめ
ココがイマイチ
- ボイス音量がバラバラでストレスがたまる
- 投げっぱなしの伏線
- 〆方が物足りない
- エッチシーンがおざなり
ココがおすすめ
- 3作入っているので、とにかくボリュームが満点でコスパ最強
- 立ち絵のでてくるヒロインは、ほぼ抱ける
- 見ていて気持ちいぐらいの最強主人公
- 平易なテキストが読みやすい
- 掛け合いが楽しい
- ヒロインも男キャラも魅力的
- OPが多数追加されていて豪華
テキストを楽しめるかどうかが、作品の評価に大きく関わってきそうなので、まずは1作目の体験版だけでもプレイしてみたほうがいいかもしれませんね。
単品で買うよりも、コンプリートエディションでプレイするほうを断然おすすめしています。
ダウンロード版
朝霧 海斗