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💎「輝け、僕らの意志――」
ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world-(きゃべつそふと)
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ジャンル ―― 落ちこぼれクラスが世界を救う青春学園ファンタジー |
発売日 ―― 2022年07月29日 |
パッケージ版価格 ―― 9,800円(税抜) ダウンロード版価格 ―― 9,800円(税込) |
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あらすじ フリギア王立ジュエリー・アカデミア──
そこは『意志(ジェム)』と呼ばれる不思議な宝石を研究する学園。主人公ソーマ・ジェイスはアカデミアに眠る『賢者の石』を探るべく、 エージェントとして『クラス・ダイヤ』への潜入を試みる。 しかし……彼が配属されたのは謎の新設学級『クラス・ペガサス』だった。
──素性を隠す外国のスパイ・ソーマ。 ──剣にしか興味のない女子・ベルカ。 ──誰ともつるまない孤高の不良・ヴェオ。 ──獣人にして稀代の才媛・メア。 ──成績も態度も最悪の王子・マークス。 ──唯一まともなクラスの良心・アリアンナ。
ペガサス組に揃ったのは目的も国籍もバラバラな6人の少年少女。 彼らはしばしば反発し合いながらも、やがて世界を脅かす危機に直面することになる。
『石喰い』──
それは、ノヴァ大陸全土を石化せんと迫る謎の災厄。 その最前線に位置した彼らは、元凶の組織《メデューサ》との闘争に巻き込まれていき……?
「いくよみんな──わたし達の全力を、思いっきりぶつけてやろう!」
果たしてソーマはミッションを達成できるのか。 そして、大陸を喰らう石化の脅威に打ち勝つことはできるのか。
世界を羽ばたく意志と絆の冒険譚──ここに輝く。 ――公式サイトより引用
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評価
評価 | おすすめ度 |
| ★★★★☆ |
満足度 |
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作品の紹介
今回は【ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world-】を紹介します。公式略称は【ジュエハ】です。
本作は「石の力」もとい「宝石の力」をつかって戦うファンタジー作品です。
キラキラとした爽やかなパッケージイラストですが、思ったよりもシリアス成分の高い作品でビックリしました。
宝石に興味のある方、ファンタジー作品が好きな方、シナリオライターの手のひらの上で転がされたい方は、ぜひとも本作をプレイしてみてください。
私が所持しているのはパッケージ版です。
どんな人向け?
- 友情ゲーを求めている人
- ファンタジー作品が好きな人
- 凝った設定の作品を求めている人
- キャラクターデザインに惹かれた人
- 予想の裏をかかれる展開が好きな人
攻略情報など
プレイ時間
私のプレイ時間は、ボイスをだいたい聞いて30時間ほどです。最初のエッチシーンまでは、選択したヒロインによって10~20時間とかかる時間が違います。
攻略情報
推奨攻略順は、自分の好きなヒロインを最初に選ぶことを強く推奨します。理由は、ほぼ一本道の構成なので、初プレイ時に選んだヒロインの印象がつよくなるから。そして、終盤のちょっとしたテキスト差分を回収するために何十分もスキップするのはダルいからです。
自力攻略は容易です。
Hシーン
卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクなし。
+ エッチシーン数(クリックで展開)
アリアンナ_3
ベルカ_3
メア_3
ルビイ_3
合計:12シーン
※1シーンにつき基本CGは2枚使われています。
システム
難易度 | 修正パッチ | シーンジャンプ機能 |
簡単 | なし | あり |
備考 |
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感想
どんなお話?
< 以下、公式ガイドラインとFANZA規約に則って画像を掲載 >
《意志》とよばれる異能の力をやどす宝石。その宝石を発現させた少年少女があつまる学園《フリギア王立ジュエリー・アカデミア》が舞台です。
主人公のソーマ・ジェイスは、《宵闇連盟》という組織に所属するスパイ・エージェント。学園にねむる《賢者の石》なるアイテムを探すべく、学生として潜入することになります。
ソーマが配属されたのは《クラス・ペガサス》という新設学級。
ペガサス組にそろった個性豊かな面々と、ときに喧嘩をして、ときに協力をして、仲をふかめていく。
やがては当初の目的をこえて、世界を脅かす災厄《石喰い》に対抗していくことになります。
もしかしたら「専門用語がおおくて分かりづらい」って思われましたかね。
一言でまとめると……異能バトルのあるファンタジー作品です(ドンッ!!)。
ジュエハの特徴
ダークファンタジー
ライターの冬茜トム氏の過去作の傾向から、明るい雰囲気のファンタジー作品かと勘違いしていたんですが、
思ったよりもシリアスなダークファンタジーでした。
鬱ゲーではないのですが、悲しい展開やシリアスなシーンが苦手な人は注意が必要です。
バトル展開多し
本作では意志をつかったバトル展開がそれなりにあります。
金髪ロン毛の最強キャラがでてきたときには「Dies iraeかよ!」ってツッコミたくなりましたね。
ただlight作品のような「熱血厨二バトル」を求めている人にはおすすめしません。
本作であつかわれている意志の力は、心のありようによって大きく変わります。精神面を重視しているのです。また「友情・努力・勝利」をかかげる少年誌のような方向性に近いです。light作品とは全くの別物ということ。
惜しかったのは、時おりバトル描写が冗長に感じる部分もあったところ。
とくに終盤はバトルが連続したため、それが際立ってしまったように思います。
以下、バトル描写に関する蘊蓄です。マニアックな人以外は、飛ばしてもらってOKです。
バトル描写に関する蘊蓄(クリックで展開)
それでは私がバトル描写において重要だと思うことを挙げていきます。
それは「ライティング」「イラスト」「演出」です。
❶ライティングは、「バトル展開が面白いかどうか(ストーリー)」「何が起こっているのか想像しやすいか(テキスト描写)」の2軸です。
トム氏の場合、バトルの流れ自体はしっかりとしていたんですが、描写がくどくなってしまったんだと思います。どんどん進化しているトム氏のなので、今後はさらに素晴らしいバトルを見せてくれることを期待しています。
❷イラストは、たとえば「迫力のある一枚絵を描く」「素材を多くそろえて飽きさせないようにする」等です。
ジュエハの場合、素材不足が目立ちましたが、予算や納期には限りがあるので如何ともし難いですね。
❸演出は、「SE」や「エフェクト」や「アニメーション」や「立ち絵の使い方」により、バトルに迫力を持たせる手法です。
こちらは職人芸ともいえるほど実力が分かれる部分です。おまけに労力もかかります。
幕末尽忠報国烈士伝 −MIBURO−
たとえば【幕末尽忠報国烈士伝 −MIBURO−】では、上の動画ように立ち絵を動かしています。
他にも、âge-soft、CRYSTALiA、CLOCKUP、ニトロプラス、すたじお緑茶などなど、それぞれの会社がそれぞれの演出方法でバトルをよりよく見せようとしています。
❹発想次第で、いくらでも搦手を使う方法があります。
たとえば【Monkeys!¡】では、漫画のコマ割りのようなイラストにより、バトルの流れが分かりやすくなっていました。
ただ、細かい絵を描くとなると消費エネルギーが高くなるでしょうから、塗りを簡易的にするなどの工夫が必要かもしれませんね。
❺バトル展開は「ゲーム性」と相性がいいです。BALDRシリーズのようにACTにしたり、ランスシリーズのようにSLGやRPG要素を入れている例もあります。
ADVを作っていたメーカーが、いきなりゲーム性を入れるのは難しいので、コラボブランドをつくるしかありませんね……。
以上のように、バトル展開はテキストだけが重要なワケではないのです。
ジュエハの話から脱線しまくってすみません!
神がかった設定
本作でトム氏にたいして「すげぇな」と思ったのは、設定の部分ですね。
意志《ジェム》、遺志《ジュエル》、変彩《シャトヤンシー》などなど、設定が半端なく面白い。
たとえば意志についてですが、性格と心のありようが、能力とリンクしているのです。
具体例を挙げましょう。
知識欲のつよいヒロインのメアは、知識をつかさどる《黄玉》の宝石が顕現します。そして彼女のもつ能力は《恐れ知らずは叡智の姫》……相手のデータを解析する力です。
このように、キャラクターの「個性」と「能力」の関連性が大きいのです。
つまり意志をもつ人たちは皆、個性がつよいということになります。
なので作中でも、ペガサス組の面々が衝突することもしばしば。
しかし、だからこそ、友情ゲーとしての側面が光るのです。
もしかしたら設定の元は「『石』と『意志』って響きが同じだし組み合わせてみるか」みたいなオヤジギャグ的な発想かもしれませんが、それをここまで細かく詰めて、ストーリー展開に活かしたのはさすがだと思いました。
裏をかかれる展開
※「裏をかかれる展開がある」ということを伝えること自体をネタバレだとする向きもありますが、「ライターの特性はもう知れ渡っている」「身構えていても騙される」「むしろ本作の魅力をアピールするにはコレを伝えるしかない」という3つの理由から記載することにしました。
さて、トム氏の作品といえば、ミスリード、叙述トリック、伏線回収、どんでん返しなどなど、「巧妙に隠された罠」を期待する人が多いんじゃないかと思います。
本作では、これに関しては文句はなかったですね。
見事に気持ちよく騙されることができました。
/ 悔しいです \
ネタバレになるので伏せますが、とあるシーンでは、一瞬なにが起きているのか分からなくて混乱しました。
「は? え? なに? どういうこと!?」とか言いながら、その絵面のインパクトのデカさに爆笑しましたね。
友情ゲー
上の画像の6人がペガサス組のメンバーです。
説明を読んで察していただけたと思いますが、アリアンナ以外、他のメンバーと仲良くする気がないのが笑えます。
でもこの設定の時点で、「こんなチグハグなメンバーの絆が深まっていったら激アツだろうなぁ」と思いませんか?
思いますよね。
漫画【SLAM DUNK】を読んで、いがみあっていた2人のハイタッチをみてテンションが上がらない男子はいねぇワケですわ(偏見)。
ジュエハでも、排他的だったキャラが成長して、他人を受け入れられるようになります。
たびたび別の作品の話題にとんで申し訳ないですが、漫画【ダイの大冒険】のポップというキャラをご存知でしょうか。
彼は、周りの人間にくらべて弱くて臆病で、仲間を見捨てて逃亡することもしばしばありました。
そんなポップも、戦いを重ねるうちにメキメキと成長していき、やがてはカッコよくて勇敢な姿を見せてくれるのです。
彼の成長した姿に心打たれた人も多いんじゃないでしょうか。
ジュエハでも、メキメキと成長してカッコよくなっていくキャラクターが存在して激アツでした。そのキャラクターが裏の主人公といっても過言ではないでしょう。
18禁要素
本作【ジュエリー・ハーツ・アカデミア】は、本編にはエッチシーンがなく、おまけエピソードとして解放されます。全年齢向けを見据えたような構成でした。
恋愛描写も薄いです。
ストーリーの都合上、エッチシーンを絡めるのが難しかったのかもしれません。友情を強調しているので、恋愛を前面に出すのも難しかったのでしょう。
しかし私としては、18禁媒体で出すならば、それを活かしている作品のほうが好みです。
システム
スキップがクソダルいので、この構成にするなら「次の選択肢までジャンプ(未読部分までジャンプ)」の機能を付けてクレメンス。
お気に入りのヒロイン
1番のお気に入りは、美しく気高い剣士であるベルカさん。
周りのメンバーが挫折して立ち止まったときでも、彼女だけは諦めずに剣を振りつづける姿に心奪われました。
次点で好きなのはルビイちゃん。
彼女は、敵対する立ち場でありながらも、兄のように慕っていた主人公にたいして特別な想いをのぞかせています。
活躍が多ければ1番のお気に入りになったでしょうが、如何せんペガサス組の絆のつよさが強調されている友情ゲーですので、彼女の活躍にはそれほどスポットが当たりませんでした。
もちろん他のヒロインも可愛かったですよ。とくにメアちゃんは、途中からめちゃくちゃ可愛さがブーストされます。
ゆるふわな可愛らしい私服を着ているヒロインがおおかったのも嬉しかったです。
ネタバレ感想
既プレイであることを前提に書いているので、未プレイ者が読んでも何がなんだか分からないと思います。
ネタバレ(クリックで展開)
好きなシーン
その1ノアちゃんの演説ノアちゃんの演説シーン。名演説でビックリしました。私まで心が奪われましたよ。
それがあんなことになるとは……。
思わず「トムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」とライターの名前をキレながら叫ぶことに……。
でも彼女の演説が、彼女の姿が人々の目に焼き付いたからこそ、今後のノヴァ大陸の平和につながっていくんでしょうね。けっして犠牲は無駄ではなかったのです。
その2マークスVSヴェオマークス
「よもや貴様――一丁前に罪悪感など抱いているんじゃあるまいなァッ!!」
マークス
「貴様ごときが……妹の死を背負えると思うなァッ!! 思い上がりが、恥を知れェッ!!」
マークス
「ノアは俺の全てだった! ノアだけが、兄上ではなく俺を認めてくれた! 情けないと言われようと、俺には誰より愛すべき家族だった!」
マークス
「貴様なんかより……そして俺なんかより! 立派で、慈愛に満ちた、尊ぶべき傑人だった! それが、どうして――ッ……!?」
ヴェオ
「オレだって――オレだってこれが! どうしようもない感情だってわかってんだよ!!」
ヴェオ
「どうすればいいんだよ。詫びればいいのか、腹を切りゃいいのか! 教えてくれよ、どうすればアイツとおまえに報いられる!?」
ヴェオ
「バカ兄貴によ――伝えろって……言われたんだ。最後に……たった一人の家族を残したままで……ごめんなさいって」
ヴェオ
「だったらオレは――どのツラ下げててめえに言やあいいんだ! そんな資格はねえだろうが、最初からッ!」
――本編より抜粋
お互いがお互いの本心をぶつけあい、全力で戦う姿には涙を禁じえないです。
作中で1番心が動いたシーンでした。
マークスくんがマジで好きなんすよね。
その3ルビイが泣くソーマ
「あの日――約束破って、ごめん」
ソーマ
「今度は、ちゃんと――僕がルビイを救い出す。だって」
ソーマ
「僕だけが、君のヒーローだからだ」
ルビイ
「いつのこと――言って、るんだよぉっ……! うちのこと――いつまでっ、待たせるんだ――バカ兄ぃ……っ……!」
――本編より抜粋
ルビイちゃんの泣き顔が綺麗すぎるシーンでした。
その4マスター登場マスターの正体にはビックリしましたね。
モブキャラながら活躍したチートルくんには立ち絵がなくて、なぜかキャロちゃん先生には立ち絵があったので、重要なキャラだと思っていたのですが、まさかのマスターだとは……。
そしてバリッバリの差別主義者で笑っちゃいました。
その5流星群《蒼き極夜の流星群》を放っているソーマくんのCGがあまりにもイケメンすぎるので好きです。
あとは、はじめてソーマくんが《蒼玉》の魔眼をつかったときも、カッコよくてテンションがぶち上がりました。
「輝け――僕らの、意志――――!!」というキャッチコピーを回収するセリフが出てきたときもテンションが上がりましたね。世界中のヒトの意志をあつめて攻撃するという、「元気玉やんけ!」とツッコミたくなる技でしたが。
その6ギメルの意志ギメル
「おまえ達の理想は……相わかった。歓迎すべき未来と、賛同しても構わない」
ギメル
「だが。だとしても、セシリアの願いは――成就されなくてはならない。慈愛に満ちた、彼女自身の夢ならば」
ギメル
「彼女の遺志に添うことこそ――おれの生涯、ただ一つの意志だからだ!!」
ギメル
「黄金とは不変の象徴――あの日、空に誓った輝きを、おれは決して忘れはしない」
ギメル・ロードベイン(Χ)は、誰よりも心優しかったセシリアの遺志に添うことだけを32年ものあいだ続けてきました。
セシリア
『ごめんね……ギメルくん』
セシリア
『私が……君の生き方を縛っちゃって』
セシリア
『でも、大丈夫だよ。あの日見た、学園が――次の礎になってくれるのなら』
セシリア
『だから、もう――私のために、苦しまないで?』
最後はセシリアの言葉により、柵から解放されるのです。
その後に真のラスボスがでてくるのですが、彼女の腹を《秘め紡ぎ祈る愛の剣》で貫いているんですよ。
すべての生命を滅ぼそうとしている蛇女エウリュアレを、ギメルの愛の剣で刺し貫く。エモーショナルな構図です。「学園が次の礎になってくれる」と言ったセシリアの新たな想いを、ギメルはこれからも守っていくのでしょうね。
その他にもベルカのシーンなど、好きなシーンは枚挙に暇がないですが、ここらへんで止めておきます。
ラスト
最後の最後に、ダイヤモンドの能力の正体は《超越》であることが判明します。
思えば序盤にすでに「超越」という単語が出てきてたんですよね。
超越の羇旅……つまり時間を超越したアリアンナが、学園長に夢をみさせ、ペガサス組が結成されることになるシーンです。
私は本来は、「バッドエンド」や「ビターエンド」や「メリーバッドエンド」などなど、微妙な後味の作品が大好きです。
「生き様」と「死に様」を重視していまして、登場人物たちが納得のいくように行動してさえくれればいいのです。
本作【ジュエリー・ハーツ・アカデミア】では、エンディングに入ったと思ったら、画面がヒビ割れて、
――いいのか?
――これで、いいのか?
何が不満?
――僕らのクラスが、ひとり足りない。
――本編より抜粋
というテキストが出てきて、物語がつづきます。
私はこの展開を、あっさりと受け入れることができました。
「登場人物たちが納得いってないなら、そりゃハッピーエンドを目指すべきだ」と。
従来は好きではない展開だったにも拘わらず、ジュエハのラストは大好きです。
最後に集合写真の一枚絵をみて、温かい気持ちになりました。
ぽっと出のラスボスに関しては、500年前?の因縁にもケリを付けなきゃいけなかったので、仕方ないんだと理解しています。
ラストの必要性(※追記――2022/8/9)
終盤の展開は賛否が分かれていますよね。
必要性を語っている人が少ないので、私がどのように考えたかを記したいと思います。
まず、世界のありようが変わってしまった元凶は、500年前にいた英雄アストゥリオスです。
彼の《金剛石》の意志により、ヴァンパイアは「太陽」という弱点を克服しました。そして人間が滅亡寸前まで追い詰められることになります。
それを前提として、もし「ギメル戦でストーリーが〆られていたらどうなったか」を考えてみましょう。
- 種族差による根源的な恐怖はなくならない
- ノヴァ大陸のほとんどが石化していて、人がまともに住める状態ではない
- 結局ヴァンパイアは、アストゥリオスの意志によって守られている状態のまま
- 石化しながらも肥大化しつづけたアストゥリオスやエウリュアレの意志が、いずれは人類に厄災をもたらすかもしれない
- 今後、同じように強大な意志をもった悪人がでてきた場合、今度こそ人類は滅んでしまうかもしれない
このような問題が残ります。
ギメル戦のときのノヴァ大陸
そして本編はどうなったかというと、
- 鉱脈化したアストゥリオスは、地下でエウリュアレに滅ぼされる
- エウリュアレがソーマたちの前に立ちはだかる
- エウリュアレと共にアリアンナが世界の礎となる
- アリアンナの意志が肥大化しつづけ神の域にとどく
- ソーマのエメラルドの意志により、ペガサス組の想いと生き様がアリアンナに届く
- アリアンナがもどってくる(時間が巻きもどる)
- エウリュアレを倒して、500年前からの因縁をたちきる
以上のようになりました。
アリアンナの《超越》の意志によって、「石化」「過去の因縁」「今後の脅威」「種族差による根源的な恐怖」のすべてを解決することになったのです。
世界を作り変えた元凶であるアストゥリオスとの因縁を解決しなければならないけれど、アストゥリオスは英雄とも悪人ともいえない。……となるとアストゥリオスと同等の力をもつエウリュアレがラスボスになるのは必然だったのでしょう。
神のごとき力によって世界が壊され、神のごとき力によって世界が修復されるお話なのです。
超越した力が起こした因縁を解決したあとに、ようやく人類が主役になります。つまり、これからの平和は、人類が手を取り合って作らなければならないでしょう。
まとめ
- 次の選択肢まで(未読シーンまで)ジャンプする機能がない
- 青臭いノリが苦手な人は注意
- 戦闘が単調なシーンがある
- エッチシーンが微妙
- 恋愛要素が薄い
- 終盤に失速する
- 続きが気になりクリックする手が止まらないシーンが多かった
- キャラクターの成長する姿が見られる
- 気持ちよく騙されることができた
- 思わず目が潤んだシーンがあった
- 世界観設定が素晴らしい
- ヒロイン全員可愛い
- 熱い友情が最高
- 音楽が良い
私は今作は、トム氏の作品のなかでもトップクラスに好きです。しかし、氏の作品未プレイの方は【さくらの雲*スカアレットの恋】のほうが取っつきやすいかもしれません。
ジュエハは、「共存・共生」をテーマとして差別問題などを扱っているセンシティブな作品です。恋愛ゲーとしては微妙ですが、友情ゲーとしては大当たりの部類ですし、気持ちよく騙されて「うわっ、やられた!」となりたい人におすすめです。
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