【あくまで、これは~の物語】の感想

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【あくまで、これは~の物語】の感想

2018年6月3日 古城

6405文字

 

 

あくまでこれは~の物語

公式ジャンルシーイングミステリーADV
メーカーAzurite
発売日2018年03月30日
通常価格8,800円(税抜)
パッケージ購入DMM・Getchu
ダウンロード価格8,800円(税込
ダウンロード購入DMM

 

ひと夏の思い出、それで終わるはずだった

 

ゲーム属性グラフ主要スタッフあらすじ

ディレクターらめぇ男
シナリオ西東おすし
原画七尾奈留・ななろば華・みけおう

【公式より】

それはフィクションであるが、劇の役から見ればノンフィクションの物語。
えみ』は演者として、『城一』は観者としてそれぞれ物語を楽しんでいた。

お祭りの季節--夏。

町はお祭りムードで、『城一』たちは設営のバイトをすることになり新たな出会いを迎える。
寡黙な少女『かな
活発女子『陽夏海
おっとりお姉さん『ゆかり

出会いとは別に一つのささいな事件が起きる。
それは夏休み直前に届いたスマートフォン。

機械に疎い『城一』は、『えみ』にNEELというチャットアプリの使い方を教わる。
そんな中メッセージ通知でスマートフォンがバイブで揺れた。

【友人登録が申請されました】

城一』の目が曇る。

その差出人名は、自殺した筈の友人からだった。

 

 

 

おすすめ度:★★★★☆
知名度:C

ストーリー

テキスト

キャラクター:7

演出

システム:7

ゲーム性:7

CG

Hシーン

BGM

主題歌

ポイント:フローチャートシステム、フルプライス、DMM GAME PLAYER
満足度:79

 

 

 

作品の紹介

 

 

シナリオや演出やゲームデザインなど、色々なところに力を入れていた力作だったと思います。

しかし評価が大きく分かれる作品でしょう。

私としては少々モヤモヤしたというか、プレイし終わった今でもどう点数化すればいいのか迷っています。

ネタバレを避けて書くと、「私の好きなヒロインがフィーチャーされていればなぁ」といった感じ。

 

 

序盤は駆け足気味ですし、分岐によって様々な方向へ話がすすむために、混乱する方もいるかもしれません。

しかし、後半になると物語の全容がつかめてきて楽しめるかと。

けっこう伏線を貼っているタイプの作品でしたので、近年のエロゲでいうと「クロノボックス」なんかを楽しんだタイプの人間におすすめしておきます。

 

 

「クロノボックスは、プレイしてないよ」という人に作品のイメージを伝えるとしたら、「ドラクエ5」と「Re:ゼロから始める異世界生活」を足して2で割ったような作品です。

 

 

所持購入動機プレイ前期待値

所持しているのはパッケージ版です。

他の作品とは違った新鮮味を感じたのと、原画家陣に惹かれて購入しました。

プレイ前期待値:75

プレイ後満足度:79

プレイ途中は楽しかったです。クリア後の余韻は何とも言えません。

 

 

 

どんな人向け?

 

 


  • 体験版をプレイして感じ入るものがあった人
  • 原画家たちが目当の人
  • 家族の絆を大切にしている人
  • 先の読めない作品が好きな人
  • 声優陣の卑語ありエッチシーンが見たい人

テキストが合うかどうかは体験版をプレイしてください。

最悪シナリオが肌に合わなくても、各原画家の絵が好きだったり、各声優さんの卑語ありエッチシーンが見れればオッケーという人は、損することがないと思います。

 

 

 

ストーリーについて

 

 

主人公のスマホの「NEEL」というチャットアプリに、「死んだはずの友人」からメッセージが届きます。

「あいつは死んだはずなのに、なぜ……?」……主人公はその謎を解き明かしたい。

その謎を解こうと奔走するなか、数々の事件に巻き込まれていきます。

 

 

謎が謎を呼ぶ展開。

どれか一つの謎を解決したところで、根本的な謎は解決しないまま……。

誰かの手のひらの上で転がされているような感覚。奔走する主人公。

 

 

そうしてこのゲームをプレイするあなたは、数々のバッドエンドを乗り越えて、最終的にどう物語が収束をするのか見届ける形になります。

 

 

なのでプレイする方は、神の視点(第三者視点)で物語を眺めることが、一番楽しめる方法なのではないでしょうか。

 

 

 

このゲームが合わない人

 

 

1:プレイスタイル

基本的に、「この場面でこの選択をした場合は、どういう結末に向かうのかを見る」という流れです。選択によっては、同じ様な展開を何回か見ることになります。

ですので、一気に何時間もプレイするタイプの人は疲れてしまうかもしれません。

かと言って、たまに起動して楽しむという人は、伏線の数々を忘れてしまい、十二分に楽しめないかもしれません。

毎日コツコツとプレイする」くらいの感じが、ちょうど楽しめるのではないかと思うのです。

 

 

2:ヒロインの ゆかり が目当の人

「ゆかり」は、あくまでサブヒロイン的な立ち位置です。

しかし、もともとはヒロインにする予定だったためか、ちょっとした個別ルートは用意されていますし、エッチシーンは一番多かったりするので、まぁゆかりさんが好きな人でも楽しめるっちゃ楽しめるんですけどね。

 

 

3:体験版が合わなかった人

物語の最初の方は、主人公たちが事件に振り回されていく流れです。

ストーリーにそってキャラクターが動かされていく感覚です。

ですので、「情景描写がー」とか「心情描写がー」とか言っちゃう人には合いません。(実は、最後までプレイしていただければ、ここらへんのテキストは意味があったことが分かるんですけどね)

この作品は、後半に面白くなるタイプのものです。

ぜひとも体験版をプレイしてみて、テキストがオッケーだったり、この先の展開を知りたかったりする場合に、ご購入いただきたいのです。

 

 

4:処占信仰が強い人

まぁシナリオゲーで、そこを求めている人は少ないと思いますが念の為。

サンプル画像にものっているので書きますが、上の画像のシーンでは、ヒロインが大人の玩具でイタズラされます。

こういう要素を過剰に嫌う人は注意です。

私としては、前情報なしに買ったので、不意打ちプチ陵辱展開に興奮しました。笑

 

 

丁寧で細かい描写を好む人

いくつか前述していますが、物語の最初の方は「唐突にバッドエンドに突入」したり、「ヒロインと恋愛関係にいたる過程がおざなり」だったり、「何度か同じ展開を見る」ことになります。

ですがそれは、一応後半のための伏線的な役割のものです。

細かいところを気にするよりも、ストーリーの流れを楽しむタイプの人ならばオッケーなはず。

とくに「家族愛」など「」の話が好きな人なんかにはおすすめ。

なんにせよ、体験版で大丈夫だった人ならば楽しめる可能性が高いように思えます。

あとは私みたいにテンポ感を重視している人に合っている可能性が高いかと。

 

 

 

ネタバレ感想

 

 

※ネタバレ感想

クリックで展開

 

 

伏線の数々

 

 

城一くんの物語を一通り見終えると、主人公が交代し「肇くん」が主役となります。

そこで今まで見てきた物語は全部「肇くんが事実を元にして書いた物語の数々」であったことや、

「陽夏海」は「ひなみ」を元にした架空のキャラクターだったことが分かります。

つまりこのゲームをプレイしている我々プレイヤーは、肇くんがあれこれ試行錯誤して小説を書いていた……という流れを追体験していたことに気づくのです。

 

 

するとどうでしょうか。

「城一」や「えみ」の「死んだはずの友人」を頑なに「アイツ」と呼んでいたこと登場キャラクターが展開にそって動いていたこと数々のバッドエンドや打ち切りエンドで収束していたことに説明がつきます。

 

 

プレイ後にパッケージ画像を見ると、「ひなみ」が真ん中にいて、左右に「かな」と「えみ」がいるという配置も、しっかり考えられて作ってあることが分かりました。

 

 

そもそも私は、途中で城一以外の視点になること、城一に声および立ち絵が用意されていること、回収されていないように見える伏線の数々……などから、「主人公が交代する展開かな」というのは読めちゃったんですけどね。(イキリ)

 

 

 

肇くんの特殊性癖と迷走

 

 

城一の物語を肇くんが描いたとすると、

自分の母が城一と結ばれる結末を描いたり、えみが城一を誘惑する展開を描いたりと、肇くんはかなりの「HENTAI」であることが分かります。

一番すごかったのは、自分の恋人である「ひなみ」をモデルにした「陽夏海」に、黒幕と思しき人物との関係があることを匂わせて終わったエンド。

たぶん肇くんは、「寝取られ」の性癖持ちです。笑

(……とまぁ冗談半分に書きましたが、この展開に関しては、物語の中の世界ではなく、現実の「肇」と「ひなみ」のやり取りだった可能性が高いですけどね)

 

 

その他、上の画像のように「大人の玩具」に対するトラウマが見て取れますし、「大きい」とか「こんなのはじめて」と言われるのが好きだったりとか、肇くんの性癖の数々を見て取ることができます。笑

 

 

 

かなが好きなんだよ

 

 

私はぶっちゃけ「かな」が一番好きでした。城一に感情移入しながら物語を読んでいたため、かなと城一が結ばれるエンドを夢見ていました。

そして、城一の物語が終了後、肇くん視点になったあと、展開をこう予測していたのです。

 

 

序盤の私「あぁ、これはもしかして城一とかなが結婚していて、その子供が肇くんじゃね?」

中盤の私「えみが死んでいるという事実が発覚して、かなと再婚するエンドになるはず」

中盤の私「うーん……えみが記憶喪失により別の男性と結婚していて、最終的にはかなと結ばれるのかな」

終盤の私「せめて、かながちょっとでも城一のことを『いいな』と思ってくれてれば、もうそれでいいや」

 

 

かな「肇の方がカッコいい」

かな「城一さんはえみさんがいたし、恋愛感情を抱くことはなかった」

私「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああっっっっっっっ」

 

 

 

主人公交代

 

 

前述しましたが、正直私は、主人公に感情移入しながら物語を読み進めたいタイプなので、城一くん視点で物語を見ていました。

私が一番感情移入しているのは、肇くんではなく城一くんなのです。

アフターストーリーにて違う視点になった挙げ句、「夫よりも子供の方が大事」みたいな、現実的な発言を見せられる私の気持ちにもなってくださいよ。

そんなもの二次元の世界には求めていないのです。

 

 

主人公を交代するのは構いませんが、それなら元々の主人公は交代後には出さないようにするか、ダブル主人公もしくは群像劇にするか、せめて前の主人公を蔑ろにするような発言はヤメていただきたかった

ここが一番気に食わなかったポイントです。

「物語の主人公は私なんだよ。他の誰でもねーんだよ」

 

 

 

最後の最後

 

 

最後の最後のシーン。幸せそうにこれからの展望を話す肇とひなみ。

そんな折、「なにか視線を感じる」と、「逃がしてしまった黒幕による脅威」を匂わせるような発言をして、物語の幕を閉じます。

正直こんなホラー作品のオチみたいなものを持ってこなくっても良かったんじゃないでしょうか。

余韻を壊してしまうと思うんですけどねぇ。

 

 

 

まとめ

 

 

たしかに面白かったし、先の展開が予測しづらくワクワクしました。

数々の分岐により、さまざまな物語が見れたのも楽しかった。

キャラクターも可愛く、エッチシーンだってシナリオゲーにしてはよかった。

絵や音楽も気に入った。

 

 

しかし、前の主人公を蔑ろにするような発言が気に食わなかったですし、好きなヒロインが選ばれなかったのも悲しかった。

それがこの作品の余韻が微妙になってしまった原因です。

 

 

でもまぁ、しっかりと伏線がはられていましたし、家族の絆を描くうまさもあり、「この作品が、埋もれていくのはもったいないなぁ」という気持ちもあります。

 

 

 

 

 

 

攻略情報

 

 

【攻略】

 

 

私のプレイ時間は、15時間ちょっとでした。

攻略サイトは必要ありません。

フローチャートが便利なので、攻略サイトを見た方が、むしろ面倒くさいことになると思います。

 

 

色が突いている部分がもう見たストーリー。灰色の部分がまだ見ていないストーリーです。

たとえば左下にある2つの未読のストーリーを見たい場合は、左上の長細いオレンジ色の部分をクリックすると、分岐ポイントとなる選択肢にジャンプできます。

こうしてどんどん見ていないストーリーを埋めていくのです。

 

 

 

【攻略順】

 

 

とくに推奨攻略順はありません。

 

 

 

【体験版】

 

 

あくまで、これは〜の物語

 

 

 

テキストについて

 

 

1~3行で書かれています。

読みやすいテキストでした。

しかしフォントのせいか、テキストが見えづらかったのはマイナス点。

 

 

 

キャラクターについて

 

 

えみ CV:結城ほのか

城一の同級生で演劇部の少女。

 

 

かな CV:柚原みう

古本屋に住む物静かな少女。

正直この子が全編通して獅子奮迅の活躍をします。笑

 

 

陽夏海 CV:八尋まみ

城一がバイト先で出会う活発な天真爛漫娘。

 

 

ゆかり CV:花澤さくら

えみの知り合いで、都内の大学に通うお姉さん。

 

 

城一 CV:囲まこと(一部音声あり)

物語の中心となる、活発で行動力あふれる青年。

 

 

ユウジ CV:ゆうひ

城一の友人。ゲーマー。ゲーマーは凄い!

 

 

余談ですが、最初私は、ユウジは寝取られ作品の無能系主人公で、城一は寝取り役のイケメンにしか見えませんでした。笑

 

 

 

演出について

 

 

詳しくはネタバレになるので書きませんが、

2ndOPに入る流れなど、非常に引き込まれるような演出があったのが印象的です。

 

 

 

システムについて

 

 

快適だったと思います。

強いて欠点をあげると、フォントが見づらいものだったので変更できればよかったです。

 

 

 

ゲーム性はあるか

 

 

大量の選択肢があるノベル系アドベンチャーゲームです。

 

 

 

CG

 

 

みけおう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七尾奈留

 

 

 

 

 

 

 

ななろば華

 

 

 

 

 

Hシーン

 

 

フェチ:どちらも

着衣脱衣比率:着衣多め

着衣エッチが多めです。服装の種類が変わっていることが多かったので、そういう部分はコダワリを感じました。

 

 

フェラなどのご奉仕シーンが少し多かった印象。

 

 

しかもフェラ中に四つん這いでお尻をつきあげている格好が多くて、個人的にはエロく感じるポイントでした。

 

 

体位は比較的まんべんなく揃っていたでしょうか。

 

 

ゆかりさんの場合は、年齢的に主人公よりもお姉さんなので、「私がリードしてあげる」みたいな展開が多かったです。

 

 

卑語ありピー音なし

やっぱり修正なしの卑語はいいですよね。正直シナリオ目当で買ったので、嬉しい誤算でした。

 

 

【シーン数】

クリックで展開

シーン数は全部で17シーン


えみ_4

かな_4

ひなみ_4

ゆかり_5


1シーンで複数回するシーンもあります。

 

 

 

BGM

 

 

25曲。印象的なBGMがいくつかありました。

 

 

「Dubious」

おしゃれ感があって良い!

 

 

「Connector」

タイトル画面でも流れる最も印象的な曲。この曲超好き!

 

 

「あくまで、これは~の物語」

穏やかな曲調がイイ感じ。

 

 

 

主題歌

 

 

主題歌

to hope to despair / Ayumi.

 

 

2nd OP

another story / 柊木環希

 

 

エンディング

to start from now / Prico

 

 

 

その他の要素

 

 

・クリア後にタイトル画面に出てくる『おまけ』から、「CG Mode」「Scene Mode」「Music Mode」を見ることができます。

・雑誌のインタビューコーナーでの情報ですが、この作品の物語の舞台は「長野県松本市」だそうです。

 

 

 

まとめ

 

 

好き嫌いが分かれそうな作品ですが、細かいテキスト描写よりもストーリー流れを楽しむタイプの人は楽しめるかと思います。

あとは、ありきたりな設定の作品に飽き飽きしている人なんかは、マンネリ防止に良いかもしれません。

 

 

埋もれていくには惜しい作品。

ぜひとも体験版だけでもプレイしてみてください。

 

 

 

パッケージ版

 

DMM.com→あくまで、これは〜の物語

Getchu.com→あくまで、これは~の物語

 

ダウンロード版

 

DMM.com(独占)→あくまで、これは〜の物語

 

 

 

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