エロゲーの感想

【青い空のカミュ】の感想

2019年5月20日

5884文字

 

 

青い空のカミュ
公式ジャンル美少女AVG
メーカーKAI
発売日2019年03月29日
通常価格8,800円(税抜)
ダウンロード価格8,424円税込
考察/哲学/友情/ホラー/フルプライス

― 損なわれた世界、二人だけの意味 ―

あらすじ/主要スタッフ(クリックで展開)

【あらすじ】

―――たとえ世界が失っても、たとえ世界を失っても―――
これは二人の少女を繋ぎ止める三日間の物語。
ただ完璧な日の捻じれた不条理。
空は青く果てしなく、透き通るように無意味だった

Qui a tue fille

そのことだけが知りたくて。

【主要スタッフ】

シナリオ〆鯖コハダ
原画〆鯖コハダ
ゲーム属性

評価

ストーリー
テキスト:7
キャラクター
演出
システム:6
ゲーム性:5
CG10
Hシーン:7
BGM10
主題歌10


おすすめ度:★★★☆☆


満足度 80 点


 

 

 

作品の紹介

 

 

今回紹介するのは、KAIから発売された『青い空のカミュ』です。

 

 

突然ですが、あなたがエロゲに求めるものはなんですか?

 

 

濃厚なエッチシーンでしょうか?

可愛らしいキャラクターでしょうか?

主人公とヒロインの恋愛描写でしょうか?

世界観の良さでしょうか?

はたまた、引き込まれるようなストーリー展開でしょうか?

 

 

青い空のカミュは、美麗なグラフィック良質なBGMによる「世界観」の表現が秀逸で、久しぶりに創作作品の世界に浸れたというか、ただただ楽しかったです。

 

 

考察ゲーとの呼び声が高いですが、別段理解するのが難しいストーリー展開だという訳ではありません。

最終回にて唐突に「おめでとう」と拍手喝采をうけた某なんちゃらゲリオンみたいな、一見すると解釈しづらいような作品とは違って、しっかりとストーリーは完結しています。

ただ、作品を深く読み解こうとすることには、難しさを感じます。

 

 

フルプライス作品にしてはボリュームが少なすぎるという欠点はあるものの、少女二人が手を取り合って「不条理な世界」で生き延びるという物語へのトリップ感はバツグンで、他の作品にはない個性が光っていたと思います。

 

 

所持購入動機プレイ前期待値

私が所持しているのはパッケージ版です。

KAIの公式サイトのデザインがガラッと変わったかと思ったら、〆鯖コハダさんが原画からシナリオまで担当する作品を作成することが判明。ホラーテイストな作風であったりと、「斬新な何か」を感じとったことにより購入することにしました。

プレイ前期待値:78

プレイ後満足度:80

 

 

 

どんな人向け?

 

 

  • CGに心惹かれた人
  • 主題歌やBGMに心惹かれた人
  • ストーリーの考察をするのが好きな人
  • 萌え絵に陵辱という組み合わせが好きな人
  • 体験版をプレイして結末が気になった人

 

 

この作品が合わない人

 

 

1:ボリューム至上主義者

フルプライス作品にしては、ボリュームがかなり少ないです。そこが一番の欠点でしょう。

私としては短めな作品は好きですし、CG枚数はフルプライス作品相当だったので、豊富にCGが投入されているかのように感じて楽しかったです。そしてそのCGのクオリティが高かったので、決してコスパが悪いようには感じませんでした。

 

 

2:明確なハッピーエンドを求める人

明確で分かりやすいハッピーエンドを求める人には、合わない可能性があります。

 

 

3:作品の “ガワ” を重視する人

ストーリーを考察したり、登場人物の心情を慮ったり、世界観に浸るのが楽しい作品だと思います。

ですが、なかには作品の “ガワ” を重視する人もいるでしょう。

 

 

つまりは、ホラー要素でいったらとにかく「怖さ」を追求して欲しいとか、陵辱エッチシーンでいったら「激しさ」を求めていたりとか、腹をかかえて笑える楽しい掛け合いを求めていたりとか、キャラ萌えを強く求めていたりとか……。

テーマ性や奥深さではなく、表面的な面白さを楽しみにしている人も多いです。この作品は、そこが少し弱かったのかもしれません。

この作品のシナリオを評価している人と、あまり楽しめなかった人の差は、表面的な派手さや楽しさを重視するかどうかも影響していると思うのです。

ちなみに私は大いに楽しめましたよ~。

 

 

自分に合っているかどうかは、体験版をプレイしましょう。(結局それかッ!)

 

 

 

ストーリーについて

 

 

……二人の少女は、自分たちの知る世界とは似て非なる「暗い森の世界」に迷い込みます。

そこには人ではない「なにか」が存在していて、それが燐と蛍に襲いかかってくる「不条理」な世界なのです。

マジックリアリズム(日常にあるものが日常にないものと融合した作品。 “非日常的” なことを “日常的” に描く手法)が用いられています。

この世界観に入り込むのが、なによりも楽しかったです。

 

 

「人は何故、自分の大切なものを大切なままにしておけないのか?」

この作品の掲げるテーマの答えを探しつつプレイをすることで、より楽しめるでしょう。

 

 

ホラーテイストな作品ではあるのですが、そこまで怖いワケではありません。

じわじわ迫りくるJホラーとは違い、異形の存在が急に現れてビックリするような、どこか洋風なホラー作品だと言えるでしょうか。その手のジャンルが苦手な人でも楽しめると思います。

 

 

 

ネタバレ感想

 

 

※ネタバレ全開です。

クリックで展開

 

 

キンセイカ

蛍の髪飾りのキンセイカ。花言葉を調べてみました。

慈愛 静かな想い 暗い悲しみ 別れの悲しみ 乙女の美しい姿 失望 悲しみ 用心深い 悲嘆 初恋 さびしさに耐える

すごい……作品内容そのまんまやんけ!!!

 

 

アリのようなもの

燐「世界はさ、なにも考えていないんだと思うの。悪意とか、善意とか、そういうのはきっとないんだ。でも、ただ、通り過ぎるだけで、わたしたちはそれに振り回される。アリのように小さいから」

これ私、子供のころからずっと考えていたことなんですよね。

人間の気まぐれで生かされも殺されもする虫。人にとっての幸運や不運、はたまた自然災害などのどうしようもないことは、「虫にとっての人」と同じなんじゃないかと。我々人間がどうこうすることはできないんじゃないかと。

はい、そんな話です。(結論がまとまらず)

 

 

裏と表

世の中には、相反する2つのものが無数にあります。表と裏、光と闇、天と地、善意と悪意、トムとジェリー。

けっきょく、この作品の命題にのっとって考えてみると、その2つに違いはなく、受け止め方如何で変わるものなのかもしれません。

同じ人殺しでも、平和な世界では罪に問われ、戦場では英雄ともなりえます。そんな外側の性質を取っ払ったものを「傷一つない星」として綺麗なものに昇華される姿で表現していました。

では、幸せとはなんなのか?

「幸運」であることではなく、「幸せだと思っているかどうか」であって、その心持ちのことを「幸せ」と形容するのかもしれません。

現に、どんな不条理な状況に置かれていようとも、幸せを感じている燐と蛍の姿がそこにはありました。

この作品のビターエンドを批判している人は、この幸せの定義に関してどのように思っているのかを聞いてみたいところです。

 

 

オオモト様

作中にでてくる「紙飛行機」が「燐」の量子力学的な情報だとしたら、この「手毬」は「彼」の量子力学的な情報にあたるのではないでしょうか。

「彼」は「オオモト様」が自分の妹に似ていこともあり大切に思っていたのですが、異性として「抱く」ことはできなかったのでしょう。

オオモト様はその「彼」の想いの結晶である「手毬」をかかえて、完璧な世界に居続けました。オオモト様はその幸せな瞬間にとらわれ続けていたのです。

 

 

「燐」と「聡」の関係もそれと似ていて、お互いを思い合いつつも傷つけ合い結ばれることはありませんでした。オオモト様は「燐」や「聡」がどのような答えを出すかを見守っていたフシがあります。

最終的には「燐」や「聡」がだした答えを見届け、完璧な世界を燐に明渡し、窓やドアが消失しました。

一つの答えを見つけたのでしょう。

 

 

私もまた一つの答えを見つけたので、ここで発表します。

小さいオオモト様可愛い~!

 

 

紙飛行機

転車台を動かし「切り替える」ことにより世界を修復。

ひっかき傷がつきすぎてしまった燐は完璧な世界に残り、蛍だけが元の世界に戻ってくるのです。

燐は量子力学的な観点から、「いつまでも一緒にいられるんだ」と言います。

その象徴として「紙飛行機」が届くのです。それは風車がたくさんあった場所から「燐の気持ち」をのせて投げたものです。

オオモト様は「世界は裏と表のようなもので、重なり合うときもあれば、また別れてしまうときもある」と言っていましたが、この紙飛行機がこちらに届いたのは、燐が側にはいなくても「一緒にいられる」ことを示す最たるものなのかもしれませんね。

 

 

悲しくても辛くても前へ進んでいけるのです。

「それは失ったわけではないから」

 

 

燐は、大切なものを綺麗なままにしておくという、聡くんの果たしたかった思いを果たすことができたのではないでしょうか。

蛍は、大切な人や幸せな思い出ができたことにより、自らの足で歩んでいくことができるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

攻略情報

 

 

プレイ時間

私のクリアするまでのプレイ時間は、ボイスをほとんど聞いて9時間ほどでした。最初のエッチシーンまでは、バッドエンドへ直行した場合で1時間半くらいでした。

 

 

Glitch ~グリッチ~

©KAI

物語を読み進めていると、画面に「砂嵐」のようなノイズが入り、右端に「矢印マーク」がでてくることがあります。

この矢印をクリックすると、過去の回想だったり、ストーリーを補足する内容だったりを見ることができます。

無視しても物語進行には影響しませんが、「ストーリーの理解」や「CG回収」のために見ておくことをおすすめします。

 

 

攻略

自力攻略は簡単です。

選択肢は、物語が続くかバッドエンドの陵辱エッチシーンになるかの2択がほとんどです。

選択肢でセーブをしておけば問題なくクリアできるでしょう。

攻略(クリックで展開)

 

サトくんを探しに行く→バッドエンド
サトくんを探さない→続く

 

まっすぐ廊下を進む→続く
右の襖を開けてみる→続く(グリッチあり)
左の襖を開けてみる→バッドエンド

 

蛍の部屋へ→続く
チェストに隠れる→バッドエンド

 

掃除用具入れに隠れる→続く
教卓に隠れる→バッドエンド

 

我慢できずに部屋を覗く→続く
息を殺して隠れ続ける→バッドエンド

 

 

 

攻略順

バッドエンド分岐はありますが、大枠は一本道のストーリーとなっております。

 

 

体験版

体験版はこちら/DMM GAMES

体験版は製品版の内容を一部カットしています。また、体験版の最後にでてくる一枚絵は「体験版限定」のものです。

 

 

 

テキストについて

 

 

1~3行で書かれています。

読みやすい文章だったと思います。

文学作品の引用が多かったのですが、その作品を知らなくても作中できちんと説明されているので、理解しやすくなっていました。

誤字脱字は少しありました。また、CGとテキストに齟齬がある部分も少しありました。

 

 

 

キャラクターについて

 

 

こみたに  りん
込谷 燐 CV:榊原ゆい

快活で明るい少女。

 

 

みまさか    ほたる
三間坂 蛍 CV:蒼依ハル

少しおっとりとしていますが、芯の強い部分のある少女。

 

 

燐と蛍の関係性

燐と蛍……二人はお互いを大切に思い合っていて深い絆で結ばれています。百合作品だと定義している人もいますが、明確な描写があるわけではありません。

私は正直百合が苦手なので友情の描写にとどめてくれたのはありがたいのですが、百合作品だとも捉えられる絶妙な塩梅をしています。

 

 

 

演出について

 

 

環境音がリアルで、豊富な一枚絵と良質なBGMによる「世界観の演出」が素晴らしかったです。

また、紙飛行機をなげるシーンや、電車が動くシーンなど、静止画をうまく切り替えていき、動いているかのように錯覚させていたのが凄いです。

 

 

 

システムについて

 

 

バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。

「環境音」と「システムSE」の音量調整の項目を分けて欲しかったですね。いちいちバックログ画面ひらいたときに「ピコーン」て音が鳴っててストレスがたまりました。かと言って環境音まで小さくなるのは嫌なので音量調整をしたくないというジレンマがありました。

あとはマウス派のためにボイスリピートボタンをつけて欲しかった……。

 

 

 

ゲーム性はあるか

 

 

選択肢がいくつかあるノベル系アドベンチャーゲームです。

 

 

 

CG

 

 

細やかで綺麗な背景により、この世界を旅するのが楽しかったです。

 

 

あまりに美しすぎるCG。

 

 

綺麗な背景と、手を取り合って歩く二人の少女……KAIの目指した美しきアートの世界がここに!

 

 

 

Hシーン

 

 

胸尻比率
着衣脱衣比率
中出し外出し
卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

エッチシーン評価

KAI作品の特徴ともいえる、可愛らしい萌え絵に反するような陵辱エッチシーンは、他作品ではなかなか見られない利点ですね。

少女二人が同時に犯されるシーンが多くて満足感がありましたし、おっぱいだけじゃなくてお尻がエッチだったのは素晴らしい。

ただもう少し無惨なバッドエンドの方が、その手の嗜好をもつ人にウケたでしょうし、モザイクが大きめなところや、卑語が一切ないところなど、個人的に不満なところもありました。

 

 

シーン数

クリックで展開

シーン数は全部で12シーン

燐_3

蛍_4

燐&蛍_3

オオモト様_2

1シーンで基本CGはだいたい2枚は使われています。

 

 

 

BGM

 

 

12曲(ボーカル曲3)です。

BGMの数はフルプライス作品としては少ないのが残念ですが、ボーカル曲は3曲もあるのが素晴らしい。

全体的に良質なBGMが多いため、曲数の少なさを差し引いても高評価にいたしました。

 

 

フェイバリットBGM

『荒野のオオカミ』――このBGMが流れたときのホッとする感じ……安心感が半端ない。すごい穏やかな心持ちになれるほのぼのとした曲調です。

『素粒子の灯台』――ヴァイオリンのメロディラインが良い味をだしています。

 

 

 

主題歌

 

 

主題歌

完璧な世界 / 榊原ゆい

挿入歌:例えば月の階段で / 霜月はるか

ED曲:青い空のカミュ / 霜月はるか

 

 

 

その他

 

 

・タイトル画面の『extra』から、「ヴィジュアル」「ミュージック」「リプレイ」を選ぶことができます。

・『リプレイ』ではエッチシーンだけでなく、主要なシーンやグリッチを見返すこともできます。

 

 

 

まとめ

 

 

似たような日常を繰り返す学園エロゲーに飽きた人、この不条理が襲いかかる世界を冒険してみませんか?

アーティスティックな世界があなたを待っています。

 

 

体験版・ご購入はこちら

 

 

 

パッケージ版

 

FANZA通販 Getchu.com

 

ダウンロード版

 

DMM GAMES

 

 

 

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