公式ジャンル | 美少女AVG |
メーカー | KAI |
発売日 | 2019年03月29日 |
通常価格 | 8,800円(税抜) |
ダウンロード価格 | 8,424円(税込) |
考察/哲学/友情/ホラー/フルプライス | |
― 損なわれた世界、二人だけの意味 ― |
ゲーム属性 |
作品の紹介
今回紹介するのは、KAIから発売された『青い空のカミュ』です。
突然ですが、あなたがエロゲに求めるものはなんですか?
濃厚なエッチシーンでしょうか?
可愛らしいキャラクターでしょうか?
主人公とヒロインの恋愛描写でしょうか?
世界観の良さでしょうか?
はたまた、引き込まれるようなストーリー展開でしょうか?
青い空のカミュは、美麗なグラフィックと良質なBGMによる「世界観」の表現が秀逸で、久しぶりに創作作品の世界に浸れたというか、ただただ楽しかったです。
考察ゲーとの呼び声が高いですが、別段理解するのが難しいストーリー展開だという訳ではありません。
最終回にて唐突に「おめでとう」と拍手喝采をうけた某なんちゃらゲリオンみたいな、一見すると解釈しづらいような作品とは違って、しっかりとストーリーは完結しています。
ただ、作品を深く読み解こうとすることには、難しさを感じます。
フルプライス作品にしてはボリュームが少なすぎるという欠点はあるものの、少女二人が手を取り合って「不条理な世界」で生き延びるという物語へのトリップ感はバツグンで、他の作品にはない個性が光っていたと思います。
私が所持しているのはパッケージ版です。
KAIの公式サイトのデザインがガラッと変わったかと思ったら、〆鯖コハダさんが原画からシナリオまで担当する作品を作成することが判明。ホラーテイストな作風であったりと、「斬新な何か」を感じとったことにより購入することにしました。
プレイ前期待値:78
プレイ後満足度:80
どんな人向け?
- CGに心惹かれた人
- 主題歌やBGMに心惹かれた人
- ストーリーの考察をするのが好きな人
- 萌え絵に陵辱という組み合わせが好きな人
- 体験版をプレイして結末が気になった人
この作品が合わない人
1:ボリューム至上主義者
フルプライス作品にしては、ボリュームがかなり少ないです。そこが一番の欠点でしょう。
私としては短めな作品は好きですし、CG枚数はフルプライス作品相当だったので、豊富にCGが投入されているかのように感じて楽しかったです。そしてそのCGのクオリティが高かったので、決してコスパが悪いようには感じませんでした。
2:明確なハッピーエンドを求める人
明確で分かりやすいハッピーエンドを求める人には、合わない可能性があります。
3:作品の “ガワ” を重視する人
ストーリーを考察したり、登場人物の心情を慮ったり、世界観に浸るのが楽しい作品だと思います。
ですが、なかには作品の “ガワ” を重視する人もいるでしょう。
つまりは、ホラー要素でいったらとにかく「怖さ」を追求して欲しいとか、陵辱エッチシーンでいったら「激しさ」を求めていたりとか、腹をかかえて笑える楽しい掛け合いを求めていたりとか、キャラ萌えを強く求めていたりとか……。
テーマ性や奥深さではなく、表面的な面白さを楽しみにしている人も多いです。この作品は、そこが少し弱かったのかもしれません。
この作品のシナリオを評価している人と、あまり楽しめなかった人の差は、表面的な派手さや楽しさを重視するかどうかも影響していると思うのです。
ちなみに私は大いに楽しめましたよ~。
自分に合っているかどうかは、体験版をプレイしましょう。(結局それかッ!)
ストーリーについて
燐と蛍……二人の少女は、自分たちの知る世界とは似て非なる「暗い森の世界」に迷い込みます。
そこには人ではない「なにか」が存在していて、それが燐と蛍に襲いかかってくる「不条理」な世界なのです。
マジックリアリズム(日常にあるものが日常にないものと融合した作品。 “非日常的” なことを “日常的” に描く手法)が用いられています。
この世界観に入り込むのが、なによりも楽しかったです。
「人は何故、自分の大切なものを大切なままにしておけないのか?」
この作品の掲げるテーマの答えを探しつつプレイをすることで、より楽しめるでしょう。
ホラーテイストな作品ではあるのですが、そこまで怖いワケではありません。
じわじわ迫りくるJホラーとは違い、異形の存在が急に現れてビックリするような、どこか洋風なホラー作品だと言えるでしょうか。その手のジャンルが苦手な人でも楽しめると思います。
ネタバレ感想
※ネタバレ全開です。
攻略情報
プレイ時間
私のクリアするまでのプレイ時間は、ボイスをほとんど聞いて9時間ほどでした。最初のエッチシーンまでは、バッドエンドへ直行した場合で1時間半くらいでした。
Glitch ~グリッチ~
物語を読み進めていると、画面に「砂嵐」のようなノイズが入り、右端に「矢印マーク」がでてくることがあります。
この矢印をクリックすると、過去の回想だったり、ストーリーを補足する内容だったりを見ることができます。
無視しても物語進行には影響しませんが、「ストーリーの理解」や「CG回収」のために見ておくことをおすすめします。
攻略
自力攻略は簡単です。
選択肢は、物語が続くかバッドエンドの陵辱エッチシーンになるかの2択がほとんどです。
選択肢でセーブをしておけば問題なくクリアできるでしょう。
攻略順
バッドエンド分岐はありますが、大枠は一本道のストーリーとなっております。
体験版
体験版はこちら/DMM GAMES体験版は製品版の内容を一部カットしています。また、体験版の最後にでてくる一枚絵は「体験版限定」のものです。
テキストについて
1~3行で書かれています。
読みやすい文章だったと思います。
文学作品の引用が多かったのですが、その作品を知らなくても作中できちんと説明されているので、理解しやすくなっていました。
誤字脱字は少しありました。また、CGとテキストに齟齬がある部分も少しありました。
キャラクターについて
こみたに りん
込谷 燐 CV:榊原ゆい
快活で明るい少女。
みまさか ほたる
三間坂 蛍 CV:蒼依ハル
少しおっとりとしていますが、芯の強い部分のある少女。
燐と蛍の関係性
燐と蛍……二人はお互いを大切に思い合っていて深い絆で結ばれています。百合作品だと定義している人もいますが、明確な描写があるわけではありません。
私は正直百合が苦手なので友情の描写にとどめてくれたのはありがたいのですが、百合作品だとも捉えられる絶妙な塩梅をしています。
演出について
環境音がリアルで、豊富な一枚絵と良質なBGMによる「世界観の演出」が素晴らしかったです。
また、紙飛行機をなげるシーンや、電車が動くシーンなど、静止画をうまく切り替えていき、動いているかのように錯覚させていたのが凄いです。
システムについて
バックログ画面からのシーンジャンプ機能なし。
「環境音」と「システムSE」の音量調整の項目を分けて欲しかったですね。いちいちバックログ画面ひらいたときに「ピコーン」て音が鳴っててストレスがたまりました。かと言って環境音まで小さくなるのは嫌なので音量調整をしたくないというジレンマがありました。
あとはマウス派のためにボイスリピートボタンをつけて欲しかった……。
ゲーム性はあるか
選択肢がいくつかあるノベル系アドベンチャーゲームです。
CG
細やかで綺麗な背景により、この世界を旅するのが楽しかったです。
あまりに美しすぎるCG。
綺麗な背景と、手を取り合って歩く二人の少女……KAIの目指した美しきアートの世界がここに!
Hシーン
胸尻比率 | |
着衣脱衣比率 | |
中出し外出し | |
卑語なし。ピー音なし。アナルモザイクあり。 |
エッチシーン評価
KAI作品の特徴ともいえる、可愛らしい萌え絵に反するような陵辱エッチシーンは、他作品ではなかなか見られない利点ですね。
少女二人が同時に犯されるシーンが多くて満足感がありましたし、おっぱいだけじゃなくてお尻がエッチだったのは素晴らしい。
ただもう少し無惨なバッドエンドの方が、その手の嗜好をもつ人にウケたでしょうし、モザイクが大きめなところや、卑語が一切ないところなど、個人的に不満なところもありました。
シーン数
BGM
全12曲(ボーカル曲3)です。
BGMの数はフルプライス作品としては少ないのが残念ですが、ボーカル曲は3曲もあるのが素晴らしい。
全体的に良質なBGMが多いため、曲数の少なさを差し引いても高評価にいたしました。
フェイバリットBGM
『荒野のオオカミ』――このBGMが流れたときのホッとする感じ……安心感が半端ない。すごい穏やかな心持ちになれるほのぼのとした曲調です。
『素粒子の灯台』――ヴァイオリンのメロディラインが良い味をだしています。
主題歌
主題歌
完璧な世界 / 榊原ゆい
挿入歌:例えば月の階段で / 霜月はるか
ED曲:青い空のカミュ / 霜月はるか
その他
・タイトル画面の『extra』から、「ヴィジュアル」「ミュージック」「リプレイ」を選ぶことができます。
・『リプレイ』ではエッチシーンだけでなく、主要なシーンやグリッチを見返すこともできます。
まとめ
似たような日常を繰り返す学園エロゲーに飽きた人、この不条理が襲いかかる世界を冒険してみませんか?
アーティスティックな世界があなたを待っています。
パッケージ版
FANZA通販 Getchu.com
ダウンロード版
DMM GAMES
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