言葉は刃、斬り裁け。
桜花裁き
公式ジャンル | 奉行活劇ADV |
メーカー | IRODORI |
発売日 | 2017年02月24日 |
通常価格 | 9,250円(税抜) |
パッケージ購入 | 駿河屋・DMM・Getchu |
ダウンロード価格 | 7,945円(税込) |
ダウンロード購入 | DMM・DLsite・Gyutto |
【ゲーム属性グラフ】
ディレクター | 海水塩湖 |
シナリオ | 海水塩湖 |
原画 | 榊水夏、ささくま、宍戸九郎 |
音楽 | 荒芳樹 |
おすすめ度:★★★★★
知名度:A
ストーリー:8
テキスト:7
キャラクター:7
演出:10
システム:6
ゲーム性:9
CG:8
Hシーン:7
BGM:7
主題歌:―
ポイント:推理、歴史、フルプライス
満足度:81
作品の紹介
【あらすじ】
「助けて下さい…… 大岡様だけが頼りなのです」
北町・南町奉行所の緩和のために新設された、中町奉行所。
大岡志明は、そこの新米奉行として着任する。
志明に付いてくる、幼なじみの 平賀理夢。
お目付役として、北町奉行所より派遣された 遠山桜。
そして集まってくる、多くの仲間たち。そこに着任早々、奉行所に連行されてきた少女・河合小梅。
小梅は桜花の街を騒然とさせた事件の容疑で、明日 裁かれる運命にあった。
小梅の罪状を鑑みるに、このままでは彼女の死罪は避けられない。
しかし志明は事件の不審点や、小梅の必死にすがる姿から、彼女は犯人でないと確信する。
真犯人は誰なのか?
志明は、小梅の無実を証明することができるのか !?
中町奉行としての戦いが、今、はじまる――
あなたは、先の展開が気になるようなワクワクするストーリーを求めていませんか?
「桜花裁き」は、新規ブランドIRODORIがおくる、ゲーム性とシナリオがマッチした新進気鋭のアドベンチャーゲームです!
アドベンチャーパートに調査パートに奉行パート。3つのパートを繰り返し進めていく物語です。
私が持っているのは初回限定特装版です。
予約特典付き。
インストールディスクが2枚組。サウンドトラックが2枚組。予約特典のFM音源サントラが2枚組。追加パッチディスクが1枚。計7枚のディスクが付いていました。笑
インストールディスクが2枚って、最近のエロゲーにはあまりなかったので、久しぶりな感じがしました。
どんな人向け?
・続きが気になる作品をプレイしたい人
・普通のアドベンチャー形式のゲームに飽きてきた人
・ゲーム性とシナリオがマッチした作品を求めている人
・CG数や曲数が沢山あったほうが嬉しい人
・熱い展開が好きな人
私は共通ルートだけで言えば間違いなく傑作だと思っていますが、当然合わない人もいるかと思います。
良い面悪い面バランス良く触れていこうと思いますので、感想を参考に購入を考えてみて下さい。
1つ言えることは、低迷しているといわれるエロゲー業界に、こうした挑戦的な作品が出てきたことは非常に喜ばしいことであり、そこは評価されるべき点であるのではないかということです。
ストーリーについて
元のネタはタイトルからも分かる通り「大岡裁き」ですね。
この「桜花裁き」は、ちょうど昨年に大岡忠相の書籍を読んでいた私にとって、ちょうどいいタイミングに発売した作品でありまして、公式サイトをチェックしているうちに
「めっちゃ気合入ってるじゃん!」となって、購入を決意したのです。
さて、ストーリーについてですが、メインのストーリーは章仕立てになっておりまして、全4章あります。
それぞれの章で事件が起こり、それを解決していく流れです。それとは別に「物語全体を通してのストーリー」もあり、伏線回収が見事に行われていました。
なによりも、二転三転するストーリー展開にはワクワクします。
尻上がりに面白くなっていく構成もまた見事で、非常に後味の良い作品でした!
また、ゲーム性とシナリオの絡め方や、演出の見せ方なども非常に良かったので、そこもこの作品をより良く見せている一因だと思います。
ただ、メイン(共通)ルートをクリアした後には個別ルートをプレイできるのですが、内容が「いたって普通の萌えゲー」という感じでしたので、どうしても面白かった本編の後にプレイしたのでは、印象が薄くなってしまうきらいがありました。
しかし、「間違いなく本編は楽しかった!」
それだけは声を大にして主張したいです。
このゲームが合わない人
「あまり時間が取れないよ」って人
「一日30分くらいしかプレイする時間がない」「休みがなかなか取れずにたまにしかプレイできない」って人はなかなか合わないかもしれません。
推理をしていく訳ですので、色々な情報を忘れてしまっては大変です。
しかし、「今現在の章の文章」はバックログに残ってますので、見返せば大丈夫かもしれません。
一部の歴史好き
史実に基づいた作品を求めている人、時代の整合性などが気になる人は合わない可能性があります。
例えば大岡と新撰組の面々が協力している姿に違和感を覚える人です。
まあ大多数の人にとっては関係ない部分かもしれませんね。
「ゲームは攻略を見ないとプレイできないよ」って人
私はなんの攻略情報も見ずに、フルコンプできましたので、そこまで難しいものではないと思っています。
このゲームは自分で色々証拠や証言を探し回り、「裁きの場」でそれを元に推理していくというのが何よりの醍醐味だと思いますので、物語だけを見たい人は素直に普通のアドベンチャーゲームをやったほうがいいのかもしれませんね。
だってクロスワードパズルを答えを見ながら書き写したり、正解の道順が書いてある迷路をやって何が楽しいのですか?
面白さが半減する行為になると思います。
余談ですが、私が小学生のころに図書室で借りた「ウォーリーをさがせ!」。
いざページをめくってみるとウォーリーがいる場所に丸がしてありました。
激しくムカついてページをビリビリに破いてやりたくなった衝動は未だに覚えています。笑
閑話休題
まあぶっちゃけストーリーを追うだけでもある程度楽しめる内容ですし、プレイスタイルは人それぞれで私がとやかく言うことでもないんですけどね。
そもそもゲームに「攻略本付き設定資料集&ゲストイラスト集」がついてますので、難しいと思う人はそれを見ながらプレイすればいいのだと思います。
・攻略
裁きの前でセーブしておき、一度クリアしたあとそこから再プレイして、間違えることなく正解を選んでいけば100%になりますので、まずは自分の思うがままに推理することをお勧めします。
何点かアドバイスを。
・ある人物に「従うか従わないか」迫られる場面がありますが、そこでセーブをしておくことをお勧めします。どっちの選択肢も見てみてください。さらにクリア後にそこの選択肢をロードすると何かあるかも……
・公式サイトに書いてあることを引用します。
なお黒幕は最終決戦である決断を迫りますが、命を大事に進めると通常難易度のまま進行します。自信のある方のみ命がけの攻防をお楽しみ下さい。それによっては最後に…!?
・本編クリア後にタイトル画面から<開始>を選択すると個別ルートを選べるようになっています。
・体験版
事件の真相がちょっと肩透かしかもしれませんが、これ以降どんどん面白くなっていく作品ですので、そこは安心して下さい。
・パッチ
こちら(DLsite)でダウンロードできるようになっています。
※プレイ前にダウンロードしてください。
※桜花裁きの起動ファイルと同じ階層のフォルダに入れて下さい。
テキストについて
縦書きで1~2行で書かれています。Hシーンのみ縦書きで1~3行です。
それほど難しい漢字や表現はなかったです。
©IRODORI(体験版部分から画像引用させて頂きます)
ワイド画面が当たり前になってきた昨今、縦書きで書かれている方がよりCGが見やすくなるので好印象です。それに和の世界観ともマッチしていますしね!
Hシーンにおいては、CGによって右だったり左だったりにテキストウィンドウが置かれていて、邪魔にならないようにしていたのが非常に親切でした。
ただ、文章においては、キスのことは「口吸い」という表現をしているのに、「レッツゴー」という言葉や「なう」という言葉などが使われていたり、言葉に関しての時代感がよく分からなかったのが気になりました。
テキストとは話はそれますが、近藤さんや東条さんが「一段落」のことを「いちだんらく」ではなく「ひとだんらく」と読んでいたりと細かい点が気になりました。
しかし読みやすい文章でしたし、「推理もの」ということで発言の1つ1つに気を使って書かれている感じがしましたので、そこは好印象です。
キャラクターについて
平賀 理夢(ひらが りむ)
CV:桃山いおん
身長:155cm バスト:Cカップ
志明くん(主人公)の幼馴染みで、明るく元気な女の子。
発明が好きで、色々な製品を発明しています。
志明くんを懸命に支えようとしている姿は印象深くて「やっぱ幼馴染みキャラはこうでなきゃな~」と思ったものです。
まだ新米で周りに認められていなかったころの志明くんを、1人で擁護している姿なんかは最高に可愛かったです。
遠山 桜(とおやま さくら)
CV:小鳥居夕花
身長:160cm バスト:Dカップ
文武両道の才色兼備。
常に自分や周りを厳しく律する完璧人間。
天才肌的な扱いを受けていますが、私は全然天才的だとは思いません。
むしろその逆で誰よりも努力家なんだと思っています。
彼女はけっこう未熟な部分があったり、志明くんの考え方と真逆でそれぞれが対立するシーンがあったのが面白かったです。
最近のエロゲーは、ちょっとしたネガティブな展開やマイナス部分の目立つキャラクターというのが出てこなくなってきていた傾向があったんですけどね。
そういった意味では新鮮に感じましたね。
そしてなによりも成長した姿が見られて良かったです!
ヒロインとして魅力的に感じたかと言えば、私的には「好きでも嫌いでもなく、普通」という感じでした。笑
河合 小梅(かわい こうめ)
CV:遥そら
身長:145cm バスト:Aカップ
ロリっ子な見た目に反して、意外としっかりしている女の子。
年不相応に大人びていた印象です。
この子は個別ルートが特に良かったです。
なぜなら共通ルートだと主人公よりも桜に懐いている感じがして、少し不満だったんですよね。
そして、Hシーンでの囁くようなボイスがエロかった! 笑
主人公を「志明兄さま」と慕ってくる様子がとっても可愛かったです。
沖田 紫乃(おきた しの)
CV:奏雨
身長:150cm バスト:Aカップ
進撰組に所属する天才剣士です。
クールな出で立ちや言動をしています。
カワかっこいいキャラです。
私はこういう取り澄ましたような表情をしている女の子がデレる瞬間というのが好きなので、この子は好みにドンピシャでした。
山南 彩花(やまなみ あやか)
CV:かわしまりの
身長:167cm バスト:Eカップ
進撰組の隊士で、宿舎の寮母さん。
どこか飄々とした態度には「強キャラ感」を感じずにはいられませんでした。
山南さんのルートに物申したいので、書いていきます。
ネタバレになるので、折りたたんでおきます。
プレイ済みの人のみクリックして下さい。
大岡 志明(おおおか しめい)
主人公。
冷静でいて心の中には熱い部分を持っている好漢。
早乙女 恵(さおとめ めぐみ)
CV:北見六花
サブキャラです。マジでこの人のルートが欲しかったー。
演出について
一番良かったのは墨絵風に描かれたCGを効果的な場面で使っていた事ですね。
どうですか? 爽快感が半端ないでしょ!?
漫画「ワンピース」に出てくるゾロの「鬼斬り」という技のような爽快感が、墨絵で描かれた、たった数枚の絵で表現されているのです。
これって静止画だからこその、味のある演出だと言えます。
もう一つ演出が優れていると思ったのは「裁きのシーン」。
軽快なSE音による爽快感が半端ないです。
また、選択肢や相手のセリフをズバッと切っていく演出が、相手を追い詰めていく感覚を得やすいようにしています。
他の人のコメントを引用させて頂きますが、
特に「一騎打ち」の演出に関しては、本来目には見えないはずの「舌戦」の攻防を視覚的に分かりやすく表現出来ており素晴らしかった。
と、まさに私が絶賛したい部分はココです。
テンポ良くプレイできる裁きのシーンは総じて楽しかったです。
ただ一点、演出で不満だったのが花火の描写。
画面が色んな色に光るのが鬱陶してくて仕方なかったです。
それ以外は本当に素晴らしかったので、満点の評価です。
システムについて
かねがね問題はなかったのですが、
ウインドウとフルスクリーンの切り替えボタンがあるにも拘わらず切り替えが出来ませんでした。
ただし、「画面サイズ」で今現在とは別のサイズを選択すればウインドウモードに変更できます。
ウインドウ状態からフルスクリーンへの切り替えは普通にできます。
その他には個別の音量調整がしたかったです。
理夢の声が他よりもちょっとうるさいかなっと思ったんですが、調整できませんでした。
それと、音声再生中にテキストウインドウを消去して再び戻したら、音声が途切れてしまう現象。
これも少し不便でした。
ゲーム性はあるか
この動画の通り3つのパートに分かれています。
アドベンチャーパート
物語を読み進めていくパートです。
調査パート
事件が発生した後、現場や怪しい場所に赴いて、事件解決の証拠となるものを集めます。気になる場所をクリックして探していく感じです。
また、事件に関わってそうな人、事件の情報を教えてくれそうな人から色々な話を聞き証言を集めていきます。
奉行パート
犯人候補を集めて、話し合いの中から犯人をあぶり出し追い詰めるパートです。
相手がおかしなことを言っていたら、その言葉に斬り込み、集めた証拠を提示することによって進めていきます。
犯人を特定することができたらクリアです。
完璧に奉行をこなすことによってタイトル画面の<鑑賞>の中にある<勲功>という項目に画像が追加されていきます。
そうしたご褒美があることにより奉行をするのがより楽しくなるのでしょうね。
以上3つのパートによって構成されています。
逆転裁判との類似点については、プレイしたことがないので指摘できません。
ともかく、ゲーム性とストーリーとの親和性が高かったのは素晴らしかったです。
1つ不満を上げるとすれば、「これって推理要素なのかな?」と思う部分があったことでしょうか。
たとえば、「あ、この発言はおかしい」と思ってそれをクリックすると「それはこれから話すんだよ」みたいに返されたりすることがあることです。
まあ全体的にみれば楽しめたのでオールオッケーです。
CG
※以下画像はDMM規約に則ってのせます。
CGは、とっても可愛らしく描かれていますし、塗りも私の好みです。
とくにHシーンの肉体描写が素晴らしかったです。
しかし、少々、立ち絵と一枚絵だと同じキャラでも違うように感じたというか、キャラの描写が安定していないように感じました。
構図はホントに最高でした。
キャラクターの絵に関しては安定していないと書きましたが、背景に関しては総じてキレイに描かれていました。
演出に関する項目でも触れましたが、墨絵風に描かれたCGは最高でした。
それと、とにかく大量のCGがつかわれていて、視覚的に楽しかったのは言うまでもありません。
Hシーン
フェチ:どっちも
汁描写が良かったです。
ゲーム性とシナリオの部分に注視されがちな作品ですが、意外とHシーンは頑張っている印象でした。
志明くんが積極的になるシーンと、女の子の方からご奉仕してくるシーンがバランスよく散りばめられていた印象ですね。
抜きゲーではないにも拘わらず、少々アブノーマルなプレイ(縄で縛ったりなど)もあったりしたのが良かったです。
卑語なし。ピー音なし。BGVあり。
シーン数は
理夢_5
桜_5
小梅_5
沖田_3
山南_2
その他_2(内訳はネタバレにつき黒塗り:山南1、沖田&山南1)
1シーンで1~3回します。
BGM
「心に残る一曲」というのはなかったですが、全体的に良かったと思います。クオリティは申し分ないです!
丁寧に、気合を入れて作られているのが伝わってきます。
とくに奉行パートの爽快感は、曲も一役買っていたと思います。
また特典パッチによりFM音源に切り替えられるのも良かったです。
こういう懐かしい雰囲気の音源は楽しくて良いですね~。
主題歌
―
その他の要素
・タイトル画面の<鑑賞>から<画廊>、<回想>、<音楽>、<勲功>が選べます。
・予約特典のパッチを当てると、タイトル画面に<おまけ奉行>という項目が出てきます。
・タイトル画面の<開始>で、好きな場所から始めることができるので便利です。
まとめ
とにかくメインルートは、「時に熱くて時にジーンとくる」素晴らしい作品でした。
新規ブランドがこういう意欲作を出してくれることは非常に喜ばしいことです。
もちろん新規ブランドの作品なのでアラもありましたが、勢いや意欲が充分に感じられ非常に次回作が楽しみなブランドの1つになりました。
この作品、買おうか買わまいか迷っている人は、思い切って買っちゃってもいいと思います。
パッケージ版
「桜花裁き」を駿河屋で検索
DMM.com→桜花裁き 初回限定特装版
Getchu.com→桜花裁き 初回限定特装版
ダウンロード版
DMM.com→桜花裁き
DLsite.com→桜花裁き
Gyutto.com→桜花裁き