エロゲ界隈ではいつも人が争ったり、議論しています。
「エロゲにエロはいる or いらない」
「Kanon問題 *1 」
「エロゲ論壇 *2 」
「エロゲのジャンル分け」
「エロゲのボリュームについて」
エトセトラエトセトラ……。
その他にも言葉の定義に関するいざこざもあります。今回はそうしたエロゲ業界のいざこざについてを扱います。
エロゲの論争
CASE1:〇〇はバッドエンドじゃない
ここ最近「〇〇はバッドエンドじゃない。なぜならべつに主人公が不幸に陥っているわけではないからだ」という主張を見ました。
これ自体はそのとおりだと思いますし、べつにいいのですが、「〇〇をバッドエンドだと言うやつは、ちゃんとストーリーを理解していない」だとか、自分の価値観に当てはまらない人を貶めようとする発言も目に付きます。
こんなもんはバッドエンドという言葉の捉え方が人それぞれであるから発する問題であって、たとえば
「主人公が不幸に陥っているわけではないしバッドエンドではない」
「特定の人物が不幸な目にあったからバッドエンドだ」
「たしかに主人公は不幸ではないかもしれないけれど、このストーリーを見ていた私の胸がえぐられるような展開だったからバッドエンドだ」
どれも当てはまると思うのですよ。俯瞰的に読みすすめる人もいれば、主人公視点でみている人もいれば、各キャラクターに寄り添うような視点でみる人もいれば、特定のキャラに肩入れしながら読む人だっているのです。
妄信的に自分の価値観が絶対であるとかんがえてしまうのは、視野を狭くしてしまう恐ろしい行為だとおもいます。
抜きゲーで考えてみましょう。
選択肢がでてきて、そのうちの片方をえらぶと敵に陵辱されてエンディングに入る作品があったとして、そのエンドのことを「バッドエンド」と評する人が多かったとします。
なかには「ヒロインの心は完全に折れていなかったしバッドエンドだとは思わない」と主張する人もいるでしょうし、それは構わないと思います。
だけど「あれをバッドエンドだというやつは頭がおかしい」だとか「ちゃんと文章を読んでいない」だとか言いだすとおかしな話になるのです。
あまり自分の価値観や定義を押しつけすぎないようにしましょう。また、人に聞かれたときにどのような意図でそう呼称しているのか説明できるようにしておきましょう。
CASE2:シナリオゲーキャラゲー問題
これはかなり微妙な問題で、なにがシナリオゲーであってなにがキャラゲーであるかを分けることって難しいですよね。
私のサイトの場合は、各要素を私独自の基準で数値化して、それで1番高い項目をそのゲームのジャンルとしています。
たとえば上の画像でいうと「抜きゲー」に分類されるという形です。
正直にいうとジャンル分けする必要はないと思っています。いろんな要素に力を入れているエロゲもあっていいと思うからです。
ですが、今はウェブ上に文章があふれている時代で、一生懸命書いたって読みとばされることも多いでしょう。なので、結局そのゲームがどういった属性のものかを素早く把握したい人を見越して、形式上分類しているのです。
点数付けも「けっきょくこのゲームは面白いの?」という結論をはやく求めている人に役立つ一面もあります。
無理にジャンル分けする必要はないです。まぁジャンル分けしたほうが、特定のジャンルが好きな人には勧めやすいと思いますが。
分ける場合は、全CGのうちのHCGの割合が何%で抜きゲーだとか、ルート構造的に各キャラに平等に尺が振り分けられていたらキャラゲーだとか、基準を設けましょう。
CASE3:純愛ゲー論争
沙耶の唄は純愛ゲー
郁紀は沙耶のことを見た目で好きになっているし、けっして純愛ゲーではないよ
作中でも一緒に過ごした時間がなによりも大事だって言ってたじゃん
いやそもそも純愛ってなんだよ……
以下永遠と続く……。(えいえんはあるよ、ここにあるよ)
言葉を曖昧に使わずに、きちんと意味を調べてから使いましょう。根拠をもって主張しましょう。
その他、「無駄シリアス」「クソシリアス」「地雷」「ギガマイン」……これらの単語をただ気に食わない作品に使ってしまったがために争いになっているのをしょっちゅう見かけます。これらの単語の使用にはご注意を。
CASE4:初心者におすすめのエロゲ
「初心者におすすめのエロゲってなんだよ、人によって趣味趣向は違うだろ」という主張がありますが、まぁこれはそのとおりだと思います。ただ自分の確固たる性癖や趣味趣向がある人は、おのずから自分に合ったジャンルの作品を聞くか探すかするでしょう。
初心者におすすめのエロゲを聞いてくる人はおそらく「エロゲってどんな感じなの? なにか有名な作品おしえて!」ぐらいの感覚なのだと思います。
私の場合は、しょっちゅうコメント欄やメッセージで初心者におすすめのエロゲとやらを聞かれるようになって、対応が大変だったので記事をつくりました。いろんなタイプの人がいるであろうことから、自分の好きな作品のなかから幅広く紹介する感じにしています。
「はじめての作品は好みの絵の作品にするべきだ」という主張もよく聞きますが、これもまぁそのとおりだとは思いますが、高い買い物ですし、作品数もおおいですし、なにより
- 攻略がアホみたいに難しい作品も存在する
- 進行不能バグがあるレベルの地雷作品も存在する
- シリーズのどれからはじめればいいのか分からない作品もある
- タイトルだけじゃファンディスクなのか続編なのか、なにかの関連作なのか判断できない作品がおおい
- たとえばグロが苦手な人がグロシーンに遭遇したり、寝取られが嫌いな人が不意打ち寝取られに遭遇する可能性がある
など、いろんな要素があるので、親切におすすめを教えてあげることはそんなに悪いことだとは思いません。
聞く人教える人がいるのは、それだけエロゲ業界の新陳代謝がすすんでいるってことなんですかね。
まぁ正直この論争には興味がないのでここまでで。笑
自分のやりたいようにやればいいんじゃないかな(テキトー)
CASE5:どちらが悪いのか・どちらを好きか
世界と言葉どちらが悪いのか。
雪菜派かかずさ派か。
一生血で血をあらう血なまぐさい戦争が続いていますよね。(えいえんはあるよ、ここにあるよ)
悪いのは誠だし、好きなのは小春
CASE6:エロゲにエロはいるかどうか
………………
…………
……
いや、いるに決まってるだろjk
まとめ
ぶっちゃけこんな面倒な問題を扱いたくなかったのですが、少しでも争いがおさまってくれればと慈愛に満ちた聖母のような心で記事を書きました。もしおかしなことを言っているようでしたら、母が子を慈しむがごとき優しさで諭してください。
今回はマジメ系記事でしたが、次はいつものふざけた感じの記事を書きたいですね。
にしてもエロゲ界隈って不思議ですよね。レトロゲー好きだったり、プレミアゲー好きだったり、ゆずソフト信者だったり、クルッポ信者だったり特定のクラスタが存在します。そしてぬきたしからエロゲに入った人はみんなハメドリくんみたいなテンションになりますし、ゆずソフト好きな人はスクショをふんだんに駆使して作品紹介しますし、雰囲気がぜんぜん違いますよね。
「みんなちがって、みんないい」by 金子みすゞ。
それでは小生これにて失礼いたします(ドロン)。
[*1]Kanon問題とは、Keyから発売されたKanonにおいて、特定のヒロインのルートに入るとルート外のヒロインを救うことができない、不幸のままであることに端を発する、「特定のヒロインを選んだ時に、他のヒロインがどうなるのか? これを私達はどう解釈すべきか?」という問題。
[*2]エロゲ論壇とは、かつて(おそらく2000年前後が活発だった!?)高偏差値大学生たちが真面目にエロゲのあれこれを考察・批評して論じていたことがありました。細かいことは詳しい人に聞いてください、すみません。今でもまぁ意識が高い人もいらっしゃいますが「論壇」のようなものは見受けられませんね。